第8回:母子手帳編:2022年5月22

出てこない。一向に出てこない。どうしたんだろう。

出てこないのは今日の晩御飯である。配偶者の方をちらちら見ると、人から聞いてきた「ハンドフルート」という手笛を鳴らしてみるべく両手を組んでしきりに息をふーふー吹き込んでいる。ご飯を用意する気配まったくなし。こりゃ、今夜はご飯はないんだな、と思い、買い置きしてあるガーナ板チョコでも食べようかと考えていると、玄関で息子の声がした。

息子夫婦とご飯を食べに行くことにしていたのは明日とばっかり思い込んでいたが、今日だったのだ。食べに行ったのは小松川の「しゃぶ葉」。美味なり。なにより100分間、肉も野菜も食べ放題なのがよい。

息子がやってきたのは母子手帳を受け取るためである。台湾のビザ取得には麻疹接種証明書を提出しなければならず、母子手帳が証明書となるのだ。母子手帳って大事なものだったんだね。30年も前に作られたものが今こうして使われる。

「しゃぶ葉」から家に帰って、結納の話になる。正式に結納を交わすと高額であるが、もう籍も入っていることだし、なくていいとQちゃんが言ってくれる。よい子である。息子の先輩たちとQちゃんを交えて酒を飲む機会があり、その席でQちゃんは大いに気に入られたらしい。さもありなん。

台湾への手土産は何がよいかという話題が出た。Qちゃんいわく、「日本のものなら何でも喜ばれる」。ネットで調べてみた。キットカットの抹茶味とか、よさそうである。


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