第3回:成田山編:2022年4月3日
新車CX-30のお祓いをしてもらいに成田山新勝寺に向かう。
台湾人の精神生活事情はまったく分からないので、お祓いをしてもらうことでQちゃんに宗教上の差しさわりが出ないか確認したところ何もないとのことだった。
当然のこととして、QちゃんはCX-30の助手席に、私たち夫婦は後席に乗る。
CX-30の運転席と助手席の間にはツマミやらスイッチやらレバーやらがいろいろと配置されている。息子は運転中にこれらを左手で操作するのだが、そのたびに助手席からするするとQちゃんの右腕が伸びてきてQちゃんの右手の掌が息子の左手の甲と重なるのである。
CX-30のブレーキ感覚は、私がこれまで乗ったどの車とも異なっている。ブレーキを踏み始めたときはふわっとした感じで、ブレーキ作動が始まっていないような気持ちになる。助手席に乗っているQちゃんはさらにその感覚が強いようで、息子がブレーキを踏むと助手席からさっとQちゃんの右腕が伸びてきて、Qちゃんの右手がハンドル上の息子の左手を掴む。
お祓いをしてもらったあとは本堂にお参りし、それからぶらぶらと参道の店を覗いてまわる。お腹が空いたので「川豊本店」で鰻を食べることにする。有名店なので客の列ができている。店員さんに「2階でもいいですか?」と聞かれる。これだけ並んでいるんだから、食べられるなら何階でも構わない。「はい、いいです」と答え、2階への昇り口に案内される。
ギョッとした。階段の傾斜が尋常ではない。60度くらいあるのではなかろうか。しかも各段の幅が狭い。10センチくらい。足が全部は乗らないのである。なるほど、「2階でもいいですか?」とはこういう意味だったのだ。
この階段、昇りはまだいいとして下りは地獄だ。ころげ落ちる人が出るんじゃないかと期待、、、違った、心配したが、私たちが店にいる間はそういう人は出なかった。
鰻は申し分なし。Qちゃんは日本語ができるのだが、せっかく台湾人といるのにそれだけじゃ面白くないのでスマホに仕込んだ日中通訳アプリを使ってみる。吹き込みの音声はやっぱり普通とは違う固い発音になるし、どうしても声量が大きくなる。私たちは気づかなかったが周囲の鰻客の注目を引いたようである。息子にやめろやめろと言われ、途中でやめる。
成田山の後は酒々井のアウトレットモールに寄る。広大すぎる。歩き疲れて喫茶店に入る。Qちゃんは巨峰味の紅茶を頼んだ。おいしいそうだ。やっぱり女の子だねえ。
晩御飯は船橋ららぽーとの五右衛門でスパゲティを食べる。あまりのおいしさに私たち夫婦は翌日も五右衛門の地元小岩店にゆき、同じものをまた食べたのだった。
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