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聖者ガンジーの悟りと宇宙の法
この呼吸というものは、実は自分の意思でなされているわけではありません。
実にそのリズムは、海の満ち引きの回数と同じで、そして海の満ち引きの回数は、「太陽と月と地球の距離」から生み出されています。
最初は意識して呼吸しますが、次第に大宇宙が勝手に呼吸すると考えますと、その時点ですでにあなたは「太陽と月、地球の動き」を取り込んだことになります。
普段は「太陽、月、地球の働き」を意識していませんが、むしろそれがどうなっているかと首を突っ込むよりも、すっかり忘れて委ねてしまった方が、それらを自分の味方につけることになります。
運命という、人間にとっては得体の知れないものも、また同じであります。
運命がどんな風にできているかは、これから先、自分がどちらかに向かうのかを克明に調べなくても、むしろ調べることを忘れてすっかり委ねてしまった方が、いつの間にかその波に乗っています。
かつてインドを独立に導いた「聖者カンジー」という方がおられました。
彼は政治活動を行なった人物のように捉えられていますが、その実体はまるで違います。
彼は「悟りの力」によって、西洋文明をコントロールしようとしたのです。
彼は西洋文明が手にした武器に代わって、人間の最大の武器は何かを考えました。
若い頃は、中国の詩と国教と、難しい漢文を読みこなしました。
最終的に、彼はヨガでいうチャクラの思想にたどりつきます。
決して止まることのない光の車輪が7つある。
それを知ったときの彼の衝撃たるや、凄まじいものがありました。
人間が作った道具や乗り物は、少し目を離すと止まってしまう。
しかしチャクラをいう車輪は、何も意識しなくても永遠に回り続ける。
目を離せば止まってしまうものより、永久に回るものの方が力が強いだろうと彼は考えました。
彼は、自分がチャクラを開発すれば、全インド人が必ずイギリスの植民地から脱却できると真面目に考えていました。
実際に彼は、夜になると瞑想に入ります。そして自分の体内で回る光の渦を見つめ、次第にそれがインド全土を覆っていく様をイメージします。
しかし、そんな話を側近のものにしたところで、まさか目に見えないものなんか目に見える動きを自在に扱うイギリス人に勝てるわけがないと、みんなはあざ笑いました。
イギリス人の手によって織物工業がすべて奪われたときでした。
彼はこれはチャンスだと考えました。
我々インド人は、自分の内なる力を自覚しないなら、愚かにもイギリス人に支配され奴隷のように扱われてしまう。
彼はチャルカと呼ばれる糸ぐるまを作り、それを弟子たちに教えました。
何をするのか?
と言われると、
この糸ぐるまを回すことによって、綿織物を作るのだ。
と言いました。
弟子たちは言いました。
イギリス人たちは何でも機械を使って、大量に1日に何千着と服を作る。糸ぐるまを回したって1着できるかどうかもおぼつかない。なぜそんな愚かなことをするのか?
とガンジーに詰め寄ります。
持続する意思が世界を変えるんだよ。
彼は本気で説きました。
あなたはそのとき、このチャルカを回す熱心な弟子の一人であります。
やがてガンジーは、狂信的な信者の放った銃によって死にます。
一発の弾丸が彼の命を奪いました。
しかしそれはガンジーが憎かったからではありません。
彼ならば、キリストのように蘇ると本気で信じていたのです。
残された弟子やあなたは、これからどうすればいいか途方に暮れました。
しかし西洋人、特にイギリス人は、ガンジーの熱心な態度に屈服したことは事実でした。
ガンジーは死ぬ前にあなたに言いました。
私の本当の力は何かお前に教えてやろう。
私はインドの法を学び、イギリスに行ってイギリスの法を学び、その2つの法律の共通点は何か?私は神に祈りながら考えた。
それは「宇宙の法」だ。
宇宙の法は、イギリスの法律よりもインドの法律よりも上位にあって強いのだ。
もし人が法律に逆らえば、たちまち警察や軍勢が出てくる。
もし宇宙の法に逆らえば、その法を守るたくさんの天使がその人間を罰する。
私はインドとイギリスの法この2つを比較したが、宇宙の法を悟った仏陀釈迦牟尼仏はそんなものはなくてもダイレクトに宇宙の法を学ばれた。
私にはそんなことはできなかった。だから目に見えるインドの法律とイギリスの法律を見比べて、その上にある宇宙の法というものを私は学んだ。
その悟りが私に力を与えたのは、断食をしたから悟ったのか?
そんなことはない。
ではガンジー様が悟られた、その「宇宙の法」とは何です?
よいか、よく覚えておくがよい。
すべての物事は自分が原因で起きるのであるから、起きたことについて自分がどう責任を取るかを書いてあるのが法律というものだ。
だが宇宙の法というものは、決して他人のせいにすることはないんだ。
誰も責めなくなったとき、その人は「宇宙の法」を味方につけたことになる。
そうすれば、恐れるものはひとつもなくなるに違いない。
私はチャルカ、すなわち糸ぐるまの作業を通して、弟子にぽつりぽつりと喋った。
お前もそれを受け継いでもらいたいものだ。
そしてあなたは、弟子を集めては糸ぐるまを回させ、心を開いたものには少しずつ
このガンジーの悟りを伝えていったのです。
ところである日、あなたの熱心な弟子の一人がチャルカを一生懸命回していました。
その人があなたにこう言いました。
私には学問がありません。
しかしガンジー様がおっしゃることとあなた様がおっしゃることは別です。
このチャルカを回していれば、きっと一つの悟りに到達できるでしょう。
そうやって朝も昼も晩も、熱心に熱心に糸ぐるまを回し続けました。
無理がたたってその人は寝込むようになりました。
家族が心配してこう言いました。
もういい加減そのチャルカというものを回すことを辞めたらどうだ。
豊かになるどころか家はどんどん貧乏になる。
みんなイギリス製の綿織物を買っては売っている。
なぜこんな非効率なことをするんだ。
そう言われると、その弟子の心に一つの迷いが起きました。
そうかもしれない。
自分は40数年以上チャルカを回し続けたが、生活はちっとも楽にならなかった。機械で作るより価値があると言っても、見かけはまったく一緒だと言われて安い値段でしか売れなかった。
そう思った瞬間、どっと疲れが押し寄せてきました。
やがてその弟子は衰弱して死んでしまいました。
家族は皆怒りをぶつけ、あなたの元にきてこう言いました。
お前の思想、宗教のせいでうちの人間が死んでしまったよ。
どう責任を取ってくれるんだ!
一瞬あなたは心が動揺いたしましたが、自分を取り戻し毅然としてこう答えました。
申し訳なかったです。
でもあの人を殺したのはこのチャルカのせいでしょう。
どういう意味だい?
もう一歩でその人は自分の中のチャクラ、すなわち「生命の力」を開花し、村人全体をやる気にさせ、社会を変える力を発揮しようかというときに、一つの迷いが生じて死んでしまったのだ。
そんなバカなことがあるか!
私たちは騙されないぞ!
騙すつもりで言っているのではありません。
私たちが尊敬するあのガンジー先生が、その生きた見本であったではないですか。私たちインド人は長い間偉大な信仰心を持ちながら、その一方で責任を転嫁し、人を責める癖がつきました。その「人を責める癖」は、私たちを植民地の状態に持ち込み、自分で自分の運命を切り開く力を奪ってしまったのです。
こうして最初は猛反対していたあなたの弟子の家族でしたが、もう一度やり直そうということで、村人は一致団結してチャルカを回し始めたのです。
こうして出来上がった魂の作品は、やがて高い値段でヨーロッパにも売れるようになりました。
機械生産によって支配したつもりのインドが、「内なる悟り」によって立ち上がったのです。
こんにちの私たち日本人は、日常生活の色々な場面において、人のせいにすることによって、力を失っていったのはないのでしょうか。
だが、まだチャンスはあります。
失っていた力は大気中に放出され、色々なところに眠っています。
今日から他人のせいにする臆病な心を追い出し、何でも自分で自分の実生活を作り直すことができると信ずれば、上手に私たちは失ったその偉大な力を取り戻すんです。
こうして心の臆病さに打ち勝つということは、偉大な百億の企業を作るよりも、もっと偉大な作用をこの世にもたらします。
こうして一人ひとりが偉大な心をつくれば、それが磁場となってこの国を立ち上がらせます。
失われた偉大な力を取り戻し、その小さな一歩の見本となるべき役割が、あなたには与えられています。
偉大なるマハートマーと
この日本の地において
その日本民族の魂の中において
よみがえりたまえ
今一度
光の王国を樹立せしたまえ
2025年1月
香りと記憶 アロマタマシイヒーリング by Dr.Shu