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【月光】偉大な音楽家の祈り

あなたの周りを、黄金色のゆったりとした淡い光が取り巻いています。

あなたは何の不安も動揺もなく、この光の中にたゆたい、落ち着き、満たされております。

もし人の魂がいつもこの光の中にあれば、いかなる悩みもなく失敗もなく苦しみもありません。

人がしばしば人生において、とてもつらく困難な状況に置かれてしまうのは、ひとときでもこの光からずれるがゆえです。

この光からずれた時、人の感情は高ぶり、常にいらいらとし、何か物足りないような感じになります。

そして人一倍あなたは、人の心がイライラした時や入り乱れた時の心の波長の変化に人一倍敏感なのです。

それはもちろん今世もありますけれども、前世にその原因というのが含まれています。

今の場合で申し上げますと、かつて「楽聖ベートーヴェンという方がおられた。
時に、この時あなたは身の回りの世話をしておりました。

ベートーヴェンは耳が良く聴こえないので、絶えずかんしゃくを起こしておりました。

人の表情も読み取れず、そのために数少ない人を通してしか会話をしませんでした。

このベートーヴェンは、常に何かに対して怒りを感じているようでした。

あなたは不思議に思ったのです。
こんなに心が揺れる人がどうしてあの素晴らしい音楽作品を作れるのか?

そう、その中でも一番揺れたのは、あのナポレオンがフランスに凱旋して帰った時でした。彼は意気揚々と帰ってきました。

そして、それまで機嫌が良かったベートーヴェンがいきなり怒りはじめたのです。

彼はナポレオンの勝利に因んで「皇帝」という曲を作ったり、王政を打倒した彼を英雄だと賛美していました。

圧政から民衆を解放した真の救世主だと、最初はそう思い込んでいたのです。

彼が腹を立てたのは、ナポレオンが先の皇帝に代わって、自分で冠を付ける戴冠式を行ったことにあります。

くそう、あやつめ!
ついに独裁者になりおったか!
わしの期待を裏切りおって!

ベートーヴェンはかんかんになって怒りました。

権力とは無縁の男だと思っていた。
所詮、彼も欲望の塊だ。
自分は何でもできると、ついに思い上がってしまったのだ。
また人を人とも思わぬ人間が成り上がる。
奴もまた人を支配して喜ぶ人間だ。
俺はそんな人間が大嫌いだ。

朝から晩までベートーヴェンは怒りを鍵盤にたたきつけていました。

おやめくださいませ。
これ以上乱暴を働かれますと、二度と演奏ができないぐらいこのピアノがだめになってしまいます。

いまいましいもんだ。
このわしが間違っていたとはな。

それから暫く、別人のようになってしまったのです。
全く無気力になってしまいました。

何も作品を作る気力がなくなった。
こうまでも人に裏切られるとはな。

しかし、それでもベートーヴェンは努力の人でした。
ある日ベートーヴェンはしくしく泣いていたのです。

どうなさったのですか?

音楽の神が、泣いているのだ。
こんなに心が荒れたらもう曲を作ることはできない、とな。
怒りからは良い作品は生れんのだよ。

わかってはいるのだが、怒りを止めることができないのだ。

こんな風にして自制心を失ってしまったのです。
そしてある時ベートーヴェンはこう言いました。

わかったぞ。
過度の怒りは悲しみになるとな。
自分の欲しいものが得られないと怒りが爆発する。
しかしやがて得られない悲しみが襲ってくるのだ。
実に無力感を感じる。
奇妙な話だ、怒りが悲しみを生むなんてな。
この次はどんな感情が襲ってこようか?

ベートーヴェンはそれからまた無口になりました。

それからベートーヴェンは、よく月の光をテーマにした曲を作るようになりました。

ニセ太陽が生まれるとな。
次はそれを憂うる月が昇ってくるのだ。

そんなことをベートーヴェンは言いました。

わしは赤々と照らす太陽の光が世の中を救うと思っていた。
ベートーヴェンだって、そういう気持ちがあったんだ。
このわしにもな。
勿論、前の皇帝も、ナポレオンも自分が太陽になろうとしたんだ。
しかし、今の人類に必要なのは、赤々と輝く太陽なんかじゃないんだ。
月の光なんだよ。

我々民衆は、みな熱狂しやすい。
フランスの最大の過ちはすぐに熱狂してしまうということだ。
わしらに必要なのは熱狂ではないんだ。
癒しであり安らぎだ。

こうしてまた美しい音楽を作っていったのです。
ある日ベートーヴェンは、あなたにこう言いました。

わしのことをおかしい人間だと思っていないか?

いえ、とんでもない
天性だと思っております。

わしは常に怒りから始まる。
そしてそれが悲しみに変わる。
やがてそれが祈りに代わった時に作品が生まれるのだ。

わしは次に生まれる時は音楽家などになりたくはない。
というより、もう二度と生まれぬかもしれぬ。

わしは死んだらこの世の人を月の光で癒そうと思う。
そして祈ってあげたいと思う。

わしは後世の人間から見れば、音楽の太陽だ、英雄だと言われるかもしれん。
しかし本当はそんなものになりたくなかったのだ。

太陽や英雄では、この地球は幸せにはならんのだよ。
わしは自分の生涯を通してそのことに気が付いたんだ。

この星に必要なのは静かに祈ること。
ただただひたすらに、月の光のように祈ることだ。
目立たぬかもしれぬが、それが一番必要とされておる。

こんな風にして、ベートーヴェンに限らず、バッハもヨハンシュトラウスも、
偉大な音楽家たちは今、月の光と共に地球の幸せのために祈っているのです。

さて、今世のあなたは家族の中にも周りの人々の中にも、明らかに強い感情に揺り動かされて動く人々と接触してまいりました。

あなたは今の話をベースとして、あたかも自分が霊的な世界に行った住人であるかのように想像され、彼らのために、月の光のように祈ることです。

この地球のすべての人々のためにも、自らが月の光のようになって祈ってあげることです。

これが、今あなたにとって、とても大事な心の指針であります。

2024年6月 タマシイヒーリング by Dr.Shu


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