【愛とゆるし】金龍の奇跡
自分を取り巻く空気のことを考えます。
この空気はあなたの周りにありますが、実はあなた自身でもあります。
あなたの前世は、転々と世界中を旅してきました。
それゆえに、あまり執着というものがありません。
対人関係においては、例えばあなたの周りの人は「軽んじられてるのではないか」と感じます。
もちろんあなたにはそんなつもりはありませんし、何気ない言葉で傷ついたと言われてもまったく検討がつきません。
なぜならあなたにとって肉の身は、単なる仮の宿に過ぎないからです。
ですが、人の魂がなにがしかのゴールに向かって流れていることはわかります。
うまく言えませんが魂には目的があるということです。
そのためには、肉体を上手に使わねばならないと思っています。
ところであなたは、友だちに対する感謝よりも、両親に対しての感謝というものが深いのです。
時は812年頃、平安の都が定まりまして、それなりに人心は安定してまいりましたものの、今だに各地では、疫病が盛んに発生し、天変地異もそれに続いて発生していました。
現在の地名で言いますと、糸魚川、新潟のあたりにあなたは住んでおりました。
家は衣を染める仕事をしておりました。
それゆえ両親は、自然にあとを継ぐであろうと思っておりました。
ところがあなたは、関心があることと言ったら、霊の話、神の話、仏の話ばかりでした。
あなたには二つ違いの妹がおりました。
年ごろになっても相手が見つからず、かと言って家業を継ぐそぶりもないので、ある日両親はあなたを呼んで問いかけます。
残念ながら、そのいずれにもピンときませんでした。
と言うと、母親はオロオロして父親を制止しょうとした。
このように血気盛んな命がこの当時から流れていて、それは数々の輪廻転生を通して変わらぬ、純粋なあなたの魂の性(サガ)である。
と、父親があなたに面と向かって問うた。
スラスラと達筆な字で、父親は紹介状をしたためた。
その晩母親は泣いて父親に訴えた。
ところがあなたの根性は半端ではなかった。
それは今世でも同じことであろう。
人がやめておけとか、不可能だと言えば言うほど、そのハードルを超えてみたくなるのだ。
その根源は遥か昔にまで遡るが、いずれにしても今日はそこまで話を持っていくことはできません。
さて、二月経ち、三月経ちましたが、一向に修行を諦める気配はありません。
父も母も遠巻きに修行の有様を眺めておりましたが、
修行が進んだある日のことである。
先達の上人はあなたに向かってこう言った。
こう言って、難行苦行が次々と加えられてきました。
さて、修行が進んでちょうど4年目の夏の日。
かの糸魚川が氾濫を起こしました。
下流の村はことごとく水没し、たくさんの死者が出る有様となりました。
そこで国を挙げて人柱を探すという騒ぎにまで発展いたします。
その話はついに上人のところにもやってきました。
最初はいませんとにべもなく答える上人であったが、
あまりの剣幕ぶりに上人はついに根果て、ある晩あなたを呼んでこう言う。
あなたも悩んだものである。
仏に身を捧げることはできたが、人々のために身を捧げることには抵抗があったからである。
あらためて自分の心の狭さをあなたは感じたのである。
自分の今までの修行とはなんだ?
御仏の前には進んで命を投げ出せるのに、人民の悩み苦しみのために人身御供になるのは、悟りの道と人身御供と差別をつけていたのだろうか?
自分の悟りとはいったいなんだ?
さて三日後が人身御供の儀式というその晩、あなたは首を垂れて上人に挨拶にやってきた。
あまりの難行苦行のために、あなたは右手右足に大怪我を負っている。
ゆえに生まれ変わるたびに、右側に障害を生ずるのである。
人身御供などと言葉はない。
およそ衆生の世界とは無縁の世界が修験。
三日後、ついに儀式がはじまった。
柱に全身を結わえられ、徐々に徐々に川底へ沈められていく。
その時に、夢か現(うつつ)かわからぬが、川の上流から金色に光る龍がやってくるのが見えた。
気でも狂ったのだろうか。
私には龍が近づいてくるように見える。
そして自分の身が川底に沈む、それと同時に龍神が自分を一飲みにしようとするのが見えた。
窒息しそうな苦しみの中で、あなたは諸々の権力者。
人の上に立ちながら、その下のものの苦しみをなんとも思わぬ人間たちを、本来なら憎むべきところを力の限りゆるそうとした。
それから数時間が経った。
気がつくと、眩しい光の中であなたは川べりの近くに横たえられていた。
驚いて起き上がって、周りの人々に聞くと、
村人は一同にこう言った。
その時初めて心から笑う村人の姿を見た。
このようにあなたの中には、力から愛へ、怒りからゆるすへと、時代の流れを大きく変える力が宿っているのだ。
力だけでは人をゆるすことはできない。
もし力を持つ人間が人を許すことができたら、御仏は限りなくその人間に支援の光を注ぐであろう。
今までたくさん理不尽の仕打ちを受けてきたし、自分自身をどうして芽を出していいかわからぬかもしれぬ。
その時あなたは心を定めねばならぬ。
力で道を打開することはできない。
自分が悔しい思いをしたり、自分に対して冷たい仕打ちをした人間。
自分を見向きもしなかった人間。
そうした世の中の諸々の無知と無謀とやるせなさを、どこまで包むことができるか。
これに気がついた時、あなたの人生は根こそぎ変わる。
変わるのは六月三日以降である。
画像(絵画 ASAMI)
2021年2月タマシイヒーリング(ASAMI)by Dr.Shu
黒髪山ドラゴンゲートにて
コロナ禍の最中にDr.Shuツアーに参加してくださった、祈りのアーティスト米盛麻美さんが、「第28回 日仏現代国際美術展」に入選されました。
タマシイヒーリングが魂の深い深いところに響いて創作される作品に影響を与えているとしたら素敵です。
入選された作品のタイトルは「地球人は片翼の天使」
2024年6月12日〜24日 六本木の新国立美術館にて
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