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なぜ人はなりたい自分になれないのか? 認知科学コーチングの仕組みについて

認知科学コーチングを学び始めました。

こんにちは白井 俊太と申します。

現在、HashHubというブロックチェーンスタートアップのリードエンジニアをやりながら、かれこれ十数年ほど続けてきたパルクールというスポーツの先生をしています。

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上記のキャリアに加えて、2021年10月からMindset Coaching School という学校で認知科学に基づくコーチングを学びはじめました。

ぶっちゃけコーチングって何がいいの?というふうに僕も思っていたのですが、とあるきっかけで認知科学という学問に基づいたコーチングというものがあることを知り、調べていくうちにこれは自分に必要なものだと確信が持てたので、スクールに入学することを決断しました。

その理論を自分に適用していく中で、少しずつですが自分にも変化が起きつつあります。

今回の記事では、
『コーチングって怪しくない?』
『コーチングってそもそも何をするの?』
みたいな疑問を解決するために、認知科学に基づくコーチングがどんなものなのか、その理論について僕が学んだことを簡単に説明しようと思います。

そもそもコーチングとは?

コーチングとは、人を在りたい姿まで導く手法のことを指します。

もともとスポーツ指導の文脈で始まったものが、人材育成や組織開発などのビジネスマネジメントの領域まで広がり、現在は文脈関係なく、個人の成長や組織の発展を後押しする手法として様々な領域で活用されています。

一口にコーチングといっても様々な手法があるのですが、僕が学んでいるコーチングは認知科学という人間の脳(マインド)の処理を研究する学問をベースとした全く新しいパラダイムを採用したコーチングになります。

現在の日本の一般的なコーチングで行われる共感・傾聴といったことは行わず、認知科学に基づいた積極的なクライアントへの介入を行い、現状の外のゴールというものを設定することでクライアントのありたい姿の達成をサポートします。

次の章からはコーチングにおける具体的な理論とその中身について紹介していきます。

なりたい自分になるのが難しい理由 / 人のマインドの仕組み

人のパフォーマンスを決めるコンフォートゾーンという概念

皆さんも普段と違うことにチャレンジしたり、何かを辞めようとしたときに、それが中々続かず、思ったように掲げた目標が達成できないという経験はあるのではないでしょうか。これにはマインドの仕組みが関係しています。

人間の身体には生命維持のために常に内部環境を一定に保ちつづけようとするホメオスタシス(恒常性機能)というものが備わっています。

例えば、サウナにいっても急に体温が同じ温度まで上がったりしないし、水風呂に入っても急に下がったりはしないはずです。

外界からの影響を受けたとしても、生命維持のために体内を一定に保ち続ける強力な機能(ホメオスタシスのフィードバック)が身体には備わっています。

認知科学による研究でこれがマインドにも備わっていることがわかっています。これをコンフォートゾーン(心理的ホメオスタシス)と言います。

コンフォートゾーンは無意識が快適だと思っている領域のことであり、身体に備わっているホメオスタシスと同じように以下の特徴が備わっています。

・コンフォートゾーンの中心に留まり続けようとする

・身体的ホメオスタシスと同じようにコンフォートゾーンの外に出ようとした場合は中心に引き戻そうとする

例えば、ダイエットが成功して意識では喜んでいても、無意識が太っていた頃を快適だと思っているのであればリバウンドが起こります。

いわゆる『三日坊主』はこの心理的なホメオスタシスのフィードバックで説明できます。

また、人間はコンフォートゾーンの中でしかベストなパフォーマンスが出せないことも分かっています。

転職者がなかなか最初はパフォーマンスを出せないのはコンフォートゾーンの外にいるからです。コンフォートゾーンの外に出た場合、心理的ホメオスタシスのフィードバックによって強烈な引き戻し(普段と違ってリラックス出来ない、緊張してしまうなど)を受けることになります。

コンフォートゾーンは、無意識が重要だと感じていることや、自身への評価、これまで培ってきた情動や経験によって成り立つビリーフシステム(認知科学では内部表現とも呼ばれる)というものよって作られます。

ビリーフシステムによってつくられたコンフォートゾーンが人のパフォーマンスを決めています。

コンフォートゾーンによってマインドはリスクを取ることを避け、生命維持や危険回避のために慣れ親しんだ環境で同じことを続けるというシステムが脳に備わっているのです。

つまり、人の無意識は基本的に現状維持が大好きだということです。

認知科学コーチングでは、このマインドの仕組みを逆手に取ってクライアントのゴール達成をサポートするのですが、それを説明する前にもう一つ脳に備わっている強力な機能を紹介します。


脳に備わるフィルタリングシステムRASとスコトーマ(心理的盲点)について

人間は皆、五感で様々な情報を感じ取り、脳に情報が入ることで世界を認識しているわけですが、同じモノを見たり聞いたりしても、人によって感じ方や抱く感情は異なります。

これは、人それぞれビリーフシステム(心が重要だと感じること)が違うことに起因します。

さらに脳にはRAS(Reticular Activating Systemの略、日本語では網様体賦活系という)という強力なフィルタリング機能が備わっていることが分かっています。

これによって脳は自身のビリーフシステムに従って以下の2つに集中できるようにします。

・心が重要だと感じるもの
・生命の脅威となりうるもの

RASは本能レベルで脳機能を牛耳っている機能であり、積極的に今のビリーフシステムと関係のないものは脳に入れずに、重要なものだけを脳にいれるということを無意識で行っています。

例えば、

・車を買うことを決めた途端にその車種が町中でよく目につくようになる

・引っ越すことを決めた途端に町中で不動産屋が目につくようなる

というのは決断によって心の重要性が変わり、RASが発火したからです。

RASの機能を知って、便利な機能だと思ったのではないでしょうか。

たしかに意識することなく必要なことに集中できる脳の仕組みというのは便利なのですが、一方で必要な情報のみを脳に入れるということは、それ以外の情報は脳が認識できなくなるということでもあります。

この脳が認識出来ない領域のことをスコトーマ(心理的盲点)と言います。
RASが脳にも備わっているということは、人間は誰しもがスコトーマを持っているということでもあります。RASが発火していない箇所がスコトーマであり、それぞれは表裏一体の関係になります。

RASとスコトーマ

例えば、普段あなたの鼻先が視界に入っていることは意識していないと思いますが、いま改めて意識すると鼻先が見えるかと思います。

これはスコトーマの簡単な例です。

また、ビリーフシステムがその人の心の重要性から成り立っていることは既に説明しました。つまりマインドの仕組み上、ビリーフシステムから成るコンフォートゾーンの外側はスコトーマとなります。

同じコンフォートゾーンに留まり続けることはスコトーマを強めることに繋がります。

スコトーマを持ちすぎてしまうと、未来の自分にとって必要になるかもしれない情報を見落としてしまったり、物事を特定の側面からしか考えられないといったことが起こります。

企業経営においては、成功体験を積みすぎた結果、現状のコンフォートゾーンから出られなくなった状態のことをイノベーションのジレンマとして説明しています。

人も組織も、現状の中にしかRASが発火していない場合、現状の外にある未来に必要なものがスコトーマになり、身動きが取れなくなってしまうということが起こります。

コーチングって何をやるの?

マインドの仕組みのおさらい

ここまでいくつか認知科学で分かっている脳の仕組みを説明しました。
なかなか難しく感じた部分もあったと思いますが、簡単にまとめると以下になります。

人のマインドにはビリーフシステム(心の重要性)からなるコンフォートゾーン(無意識が快適だと感じる領域)というものが存在し、コンフォートゾーンの中心に留まり続ける力が働いている

・脳の仕組みとしてRASという機能があり、必要な情報のみを脳に認識させている

・RASの機能によって脳が認識できない領域、スコトーマが存在し、コンフォートゾーンの外側はスコトーマとなっている

これらのマインドの仕組みは、人が生きていく上で必要不可欠なものではありますが、逆になりたい自分になることを難しくしている要素でもあります。

・人間は本能的に危険回避や生命維持のためにリスクを取ることを避け現状維持したい

・今の自分からは未来のなりたい自分になる方法はスコトーマに隠れていて見えない


Want toの特定とHave toの断捨離

実際のコーチングセッションにおいては、まずはその人の本音の欲求や無意識レベルの強み(Want to、才能)の特定を行います。

そして本音ではやりたいと思っていないのに、やらなければならないと思い込んでいるHave toの断捨離を行います。

多くの人は、子供の頃に刷り込まれ価値観、周囲の人に言われた言葉、テレビやネットなどのメディアから流れる情報などによって、本来の心の重要性ではないものを重要だと認識してしまっています。

コーチングではまずはクライアントが本来の重要性(want to)を取り戻せるように介入していきます。

現状の外のゴールを設定する

認知科学コーチングでは、本音の欲求に基づいた現状の外のゴールというものを設定することで、マインドの仕組みを逆手に取ります。

現状の外という言葉が出てきましたが、コーチングにおける『現状』の定義は以下になります。

『過去』と『現在』だけでなく、『現在の状態のままいけば十分に起こりうると予測される未来』も現状に含む

つまり、現状の外のゴールというものは未来のもしかしたらなれるかもというものではなく、大きく自分を変えないと達成できないもので設定する必要があるということです。

現状の外

なぜ現状の外なのかというと、ゴール設定によって、未来側のなりたい自分にもう一つコンフォートゾーンをつくりたいからです。ちょっと背伸びした現状の中でゴール設定してもコンフォートゾーンが変わらないので、心理的ホメオスタシスのフィードバックによって引き戻しを受けます。

未来と現実の二つのコンフォートゾーンが存在するとき、マインドは一つしかコンフォートゾーンを取れないので、より臨場感を感じるコンフォートゾーンを採用します。現状の外側のゴールを設定して未来側のコンフォートゾーンを当たり前だと無意識が思えれば、現在から未来側にコンフォートゾーンがずれます。

これによって、未来側のコンフォートゾーンの心理的ホメオスタシスのフィードバックにより、勝手にゴールに自分が引き寄せられていくということが起こります。コンフォートゾーンが変わるのでRASの発火する箇所が変わり、スコトーマが外れることでゴール達成に必要なリソースや方法が自然に見えるようになります

ちなみに認知科学では心理的ホメオスタシスのフィードバックのことをモチベーションと言います。つまりモチベーションはゴール設定ができたことによる結果であり、モチベーションを高く持つことでゴールが達成できるというのはマインドのからくりにおいて間違いです。

本音でやりたいことで現状の外にゴールが設定できれば、努力しているという実感もなく、自然にゴールに近づいていくということが起きます。

これが認知科学コーチングで行う現状の外のゴールを設定する力であり、マインドのからくりを利用した『なりたい自分になる』方法です。

多くの人が『理想の現状』、『現状の内側』にゴール設定をしてしまっています。そして今の自分からは現状の外側というのはスコトーマに隠れてしまっているので、なかなか現状の外側のゴールを設定することは難しいのです。

そのためにコーチという存在がいて、本人の中にある才能と本音の欲求を特定し、認知科学に基づくマインドの使い方をクライアントに提供することで、本音のゴールの達成をサポートします。

人生を変える決断をしよう!

認知科学に基づくマインドの仕組みとコーチングについていかがでしたでしょうか?

難しい説明も多かったかもしれませんが、マインドのからくりについて少しでも解像度が高くなっていれば嬉しいです。

このマインドのからくりを使えば、誰でも自分の脳が想像出来ないような自分になることができます。

もちろん、コーチングを受けたからといって人生楽になるわけではありません。むしろ、今できないことをやる決断をするので、たぶん大変になります(笑)

でもやりたいことやって大変なら最高ですよね!

スクールの卒業も4月に迫ってきており、現在プロコーチデビュー前の最終課題としてコーチングの有料モニターセッションをしております。

■ 対象
・自分のやりたいことと向き合って人生本気で勝負したい方
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・ Zoomによる1時間のセッション
■ 費用
・ 5,000円(今回に限っての特別価格です。今後この価格でのご提供はありません)
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・ 現在の延長の人生を安全に生きたい
・人生をただただリスクを取らずに楽に行きたい 

コーチングについての質問や相談も歓迎です。
ご興味のある方、まずは気軽に連絡を下さい。

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横浜みなとみらいにてパルクール


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