cocoの実現したい未来と、その実現の方法について
これまでcocoの歴史について書いてきましたが、今回はcocoの未来について紹介したいと思います。株式会社cocoに興味を持ち入社を検討している方へ、私たちが目指している世界とその実現方法を少しでもお伝えできればと思います。
※前回書いたcocoのこれまでに関する記事はコチラ
目指している世界とcocoの役割について
まずは、cocoが目指している世界についてご紹介します。
日々の生活を彩る「お店」という存在
コロナ禍初期のステイホーム期間の休日、日光が直接部屋に入り込む昼間の時間に、私は一人自宅でソファーに横たわりUber Eatsを注文しつつNetflixで梨泰院クラスを鑑賞していました。
最初はとても快適で楽しかったです。しかし、その生活を何ヶ月も続けたところで強く感じたのが、退屈や何か満たされないような感情でした。
しかしその後、ふと気づいたことがありました。
それは緊急事態宣言解除を機に、久々に近所の飲食店に行った時のことでした。
そこは何度も行ったことのあるお店だったので、元々は定番の麻婆豆腐を食べようと思っていました。しかし結局は、新メニューの「自家製水餃子」を初めて選び、結果大正解でした。とても美味しく、また何よりそのサプライズが楽しかったです。他にも、おしゃれな内装、周囲のお客さんとの絡み、素敵な店員さんなど、どれも自宅では実現し難い素敵な体験を味わうことができました。
この経験から改めて強く認識したのは、「お店とは、日常生活をより豊かに、楽しくする場所である」ということでした。
まだまだ残る店舗の悪体験
しかしその一方で、その体験にはちょっとした面倒や不快な出来事もありました。
当日の空席状況を確認するために、わざわざ電話で問い合わせ
中々オーダーした食事が届かないが、店員さんが近くにおらず状況が聞けない
やっと店員さんを捕まえて、オーダーについて聞いたところ謝罪するでもなく無愛想な反応
その割に「次のお酒はいかがですか?」等の営業活動には積極的
そして最後のお会計時もまた後回しにされ待たされる
etc..
細かいといえば細かいのですが、折角の素敵な場なのにもったいないな、というのが率直な感想でした。
悪体験が生まれる根本原因
もちろん、そういった悪体験は、お店の人が意図的に作っているわけでは有りません。しかし、それでも改善されない理由は、以下のような根本的な原因が存在するからです。
リピートやリファラル率よりも、目の前の売上のほうが数値としてわかりやすくフィードバックされるため、どうしても長期のリピーターより、短期の売上の方が優先したくなってしまうこと
顧客の集客がメディア媒体に依存しているため、自店舗のファンを増やすことより、メディアをハックし、メディア上での優位を獲得することに重きが置かれがちなこと
デジタルのツールの操作が難しく複雑なため、店舗と顧客のコミュニケーションの全てが同期的な(対面で聞く・話す、等の)慣れたアナログ手法になりがちで、適切にデジタルを活用した非同期コミュニケーションが取り入れられていないこと
etc..
詳細は割愛しますが、上記の課題は総じて「顧客体験を良くして、長期の利益を増やす」ことよりも「多少顧客体験を犠牲にしてでも、短期の売上を獲得する」ということが優先されてしまっている、という点が共通しています。
悪体験を助長する負の構造
この「短期売上志向」は、間違いなく売上の数値を向上させます。
しかしその一方で、悪体験のためリピート率が低下し、それを広告や媒体掲載で補うことになります。結果として直近の売上は増えますが、利益は増えるどころか、下手すると減る可能性すらあります。
「お店側は目の前の売上数値に追われて利益は増えない(または下がる)。そして更に、顧客側も悪体験が増えてお店を楽しみきれない。」という、どちらも得しない負の構造が生まれてしまっているのです。
顧客志向を当たり前に
この構造を変えるために必要なことは、「良質な顧客体験の追求が、利益の増加につながる」仕組み(ソフトウェア)を提供することです。
そのために顧客体験の分析・改善・収益化を促進するテクノロジーを開発し、サービス業界における「顧客志向」を当たり前にすることが、私たちの役割であると考えています。
サービス業界の構造を変え、リアルな日常体験を豊かにする
「悪体験を助長する、負の構造」から脱し、「良質な顧客体験の追求が、利益の増加につながる」に転換することが、cocoのビジョンです。そのために、「顧客志向」を当たり前にすることがミッションです。
そしてなにより、私たち自身が毎日楽しく豊かな生活を送れて、それを支えるお店の店員さんもまた豊かになれる未来を作りたい、というのが私たちの一般消費者としての想いです。
実現の方法
cocoが目指すのは、「サービス業界の構造を変え、リアルな日常体験を豊かにする」ことの実現です。ここからは、それをどのように実現していくかについてお話します。
より重要で本質的な課題の解決にフォーカスし続ける
業界の構造はそう簡単に変わるものでは有りません。より深く業界を理解し、その構造上のボトルネックを特定した上で、あらゆる試行錯誤を通じてその課題を解決に導いていく必要があります。
そして、もし仮に私たちが構造の変革に一旦成功したとして、そこで終わりでも有りません。環境が変わる限り、構造もそれに合わせて変わり続ける必要があります。
つまり、短期の変化ではなく、10年20年、はたまた100年以上、業界の変革にコミットし続けることが必要です。それは「利権を独占しよう」というものではなく、100年経っても「重要な変化を主導する存在であり続けるべき」という考えです。
本質的である、というのは「長期に重要であり続ける、ずっと変わらないこと」と捉えています。このコロナ禍で、cocoの顧客である店舗を取り巻く環境は、大きく変わってしまいました。そして、それに合わせてcocoのサービス内容も変えざるを得ませんでした。しかし「顧客志向を当たり前に」という本質は全く揺らいでいません。
そういった意味で「顧客志向を当たり前に」というミッションは、おそらくこれから100年後も変わることはないでしょう。そしてcocoがそこにコミットし続けることが「業界の正の構造を実現してより豊かな日常体験の増加すること」に繋がると信じています。
全員で一つのソフトウェアを磨き上げる
software is eating the world. などと言われて久しいですが、今大きく世界を変え、より良くしているのはまさにソフトウェアだと考えています。そしてまた、サービス業の構造もまた、ソフトウェア中心なものに置き換えられることで、より良くなっていくと信じています。
これは「人には価値がない」ということではありません。「人の価値を最大限活かす」ことができるのがソフトウェアということです。
cocoは、サービス業を良くし続ける仕組みをソフトウェアに実装し、それを磨き続けることで業界構造の変革を実現します。
「全員で」というのは、cocoの社員や業務に関わる人はもちろんのこと、cocoを使う店舗の皆さまや、さらにその先にいる店舗のお客様も含め、全員のあらゆる行動がソフトウェアを洗練させていくことに繋がらなければ、良い構造は仕上がらない、という意味です。
また「1つの」というのは、ソフトウェアは様々な関連システムとの連携が得意で、それらの連携先も含め、すべての一連の大きなまとまりを「1つのソフトウェア」として大きな価値に繋げていきたい、という意味です。
プロダクトはもちろんのこと、セールス活動や日々のドキュメント、業界の類似ツールなど、あらゆる仕組みが無駄なく噛合い、連動しあうことで、ソフトウェアは最大限その効力を発揮できると考えています。
実際の行動指針と行動の例
より重要で本質的な課題の解決にフォーカスし続けることも、1つのソフトウェアを磨き上げることも、並大抵のことでは有りません。その実行のためには、様々な指針となる考えや様々な工夫が必要です。
顧客以上に顧客志向
前述の通り、現状cocoの顧客であるお店には、どうしても「悪体験・短期の売上フォーカス」にならざるを得ない構造があります。そのため、cocoは「cocoの顧客であるお店以上に、そのお店の顧客志向でサービスを提供していく」必要があります。
勿論、お店の短期の売上を度外視しているわけでは有りません。あくまで店舗の実情と折り合いをつけた上で、地に足のついた最適解を模索しています。
■実際の行動例
店舗に対して売りやすいサービスではなく、実際使えて効果の出るサービスを設計
常に店舗のエンドユーザーのUXまで考慮して開発する
商談時は、ただの顧客の御用聞きになるのではなく、常に顧客以上に考えて最適な仕様や取り組みを提案する
もし仮に店舗からcoco導入意向の連絡が来ても、cocoの利用に適切ではない場合には販売しない
海外の店舗の先進事例なども積極的に調査し、サービスに取り入れる
長期志向
上述の通り本質的である、というのは「長期に重要であり続ける、ずっと変わらないこと」と捉えています。そのため、coco自体も短期の成果に囚われすぎず、長期のインパクトを志向するように心がけています
■実際の行動例
開発業務の2割を技術的負債返済に当てるルールを作り、フレームワークや言語のVersion更新等を実施
セキュリティ対策の徹底、規模の小さいうちから積極的な意識醸成
各MTGや商談の記録を残して長期に使える資産を残す
開発や商談、ドキュメント作成など、あらゆる行動に相互レビューを実施
ソフトウェア思考
cocoは、ソフトウェアを活用することで、業界の構造を変えることを目指しています。そのため、エンジニアに限らず、あらゆる職種のメンバーに「ソフトウェア思考」を求め、お互い学び合うようにしています。
■ 実際の取り組み等の例
毎日 プロダクト開発MTGを10分〜20分開催し、職種問わず全正社員自由参加可能(現在参加率100%)
プロダクト開発アイディアが、全社員から毎日のようにあげられている
エンジニアがただ作るだけではなく、Bizサイドと意見をぶつけ合うフラットな体制(勿論エンジニアも積極的にプロダクトのアイディア策定に関わります)
起きた出来事や考えを徹底的にドキュメント化
高アジリティ
「全員で一つのソフトウェアを磨き上げる」ことを目指していますが、良いソフトウェアは一夜にして生まれるわけではなく、日々の磨き込みにより作られます。そのために、何度も試しては改善し、ということを高速に回していける体制が重要になります。
■実際の取り組みの例
スクラム開発体制を徹底
ビジネスサイドメンバーが redash/figma/github/datastudio/GASなどのツールを駆使し、グラフ化/不具合調査などを行う
バックオフィス業務もSaaS、slack bot や slack reminder で極力自動化
徹底的にKPTをチームごとで毎週行い、全員でも毎週行い日々の活動の徹底改善に努める
副業や業務委託の方が人数が多く、多種多様な課題解決能力を持つメンバーが集っている
生産性の追求
ソフトウェア開発に携わったことのある人ならわかると思いますが、基本的に人数が多ければ多いほど、その難易度は増し、平均的でエッジのないものが作られがちになってしまいます。
大きなことを成し遂げるために、ある程度の人数規模は必要です。その一方で、良いソフトウェアを作るために、人数を増やさずに成長する努力も更に必要となります。そのために、一人あたりの生産性を極限まで突き詰める努力をしています
■実際の取り組みの例
リソースの投下箇所を coco として提供すべき価値の部分に限定
全社員が SaaS を使いこなしている、徹底的な静的解析ツールの導入やE2E テスト、CI/CDの整備
デザイナー/エンジニア/バックオフィスは金曜日にMTGを集中して作業時間を確保
MTGは基本的に15分〜30分、定期的に不要なMTG断捨離の実施
完全フルリモート(シェアオフィスの出社も可)
適切な規律
長期の挑戦を続けるために、ベンチャーとはいえ早期から適切な規律を持つことが重要と考えています。生産性を落とさないためにも、長期のリスクを排除するためにも、適切な規律を持ちそれを磨き上げ続けることを意識しています。
■ 実際の取り組みの例
基本的に情報はオープンだが、更にロールに応じて情報の権限管理
組織が小さいうちから内部統制の仕組みを持つ
各アカウントなどもSaaS/スプレッドシートで全管理
各取り組みをやりっぱなしにせず、必ずレビューや取捨選択を行う
入社候補者やツール選定時のリファレンスチェック、外部アドバイザーの意見確認など、意思決定の制度を高めるフローを必ず持つ
フェアでオープン
長期の挑戦を続けるために、それぞれが納得できるフェアでオープンな環境であることも重要だと考えています。そのために、極力情報の開示や全社員フラットな関係性を維持する取り組みを続けています。
■ 実際の取り組みの例
税制適格SOや、辞めた社員にもSOを行使できる制度(導入予定)
キャッシュフローも正確に測定して全社に毎週公開
ピアボーナスの積極活用で、常にお互いの感謝を伝える
給与変更基準を公開し、達成時には必ずそれを実行する
首都圏外在住の正社員も存在。それぞれの個別の家庭の事情などを考慮。
まとめ
長くなってしまいましたが、最後までご一読ありがとうございました。
補足になりますが、これはあくまで現時点での考えであり、まだまだこれから皆で磨き上げていくものだと考えています。
弊社のビジョン・ミッションに共感していただいた方へ。
cocoは、顧客志向を当たり前にする仕組みを提供することで、サービス業の構造を変え、そして最終的には私たち自身が豊かな生活を享受できることを目指す会社です。
勿論簡単なこと・思い通りに行くことばかりではないですが、だからこそ本当にやりがいのある、やるべき仕事がたくさんあります。
現在共に挑戦していく方を積極的に募集しているので、少しでもご興味を持っていただいたらお気軽にご連絡ください!