無策でいることは許容と変わらない
生成AIの話です。イラストレーター界隈では非常にデリケートな話題なのでこれまであまり触れてきませんでしたが、今回どうしてもと思い少しだけ。理由はこれです。
ソーシャルメディアのX（旧Twitter）は17日、利用規約の改定を予告。ユーザーが投稿したコンテンツを機械学習やAIモデルのトレーニングに使用できる権限を、より広げる方針を打ち出したことで、クリエイターからは混乱や懸念が集まっている。
今にはじまったことではないとは言え、私の周りでもちょっとした騒ぎになっています。
なにもXだけの問題ではない
もう今までのように気軽にイラストをアップできなくなるじゃないかということで、今後はもう作品を載せないという人や、過去投稿も徐々に削除していくという人、Xを辞めて他のSNSに乗り換える人など、その対応はさまざまです。
自分の手で描いたイラスト作品を、無断でAIに学習させたいと思うイラストレーターは多くはないでしょう。ではXを使わなければ問題がないのかと言えばそんなことはありません。避難先として挙げられたBlueskyやThreadsだって状況は似たようなもので、もはやウェブ上に安全が確保されている場所などほぼ無いのかもしれません。
嫌なことは嫌だと表明することが大切です。無断で私の絵を機械学習に使わないでくださいと。しかしそう叫んだとしても相手のプラットフォーム上では虚しく響くだけになってしまう恐れがあります。そのサービスを利用している時点ですでに規約を受け入れているわけですから。嫌なら使うな、と言われてしまえばそれまでです。
そんな状況なので、もう何をやっても一緒。されるがまま無抵抗でいるしかない。そんな諦めの声も聞こえてきそうですが待ってください、何もしないまま好きなようにやられてしまうのはやっぱり嫌なんですよね。
相手が変えられないのであれば、自分が変わるしかない
ビジネス書などで聞き覚えのあるような言葉を借りますが、本当にそう思います。今回の騒ぎに関しても相手に期待するのではなく、自衛するしかないないなと。
機械学習されたとしても、絵柄を盗まれないようにすること。そのためには画像生成AIプロテクターを使えばよいということを知りました。すみません、最近知りましたというと嘘になります。じつはその存在は以前から知ってはいましたが、こんな事態になるまで使うのを面倒くさがっていました。面目ない限りです。
でも、作品を守るためにできることからはじめて行こうと思ったのです。
画像生成AIプロテクター Glaze（グレーズ）
画像を保護できるサービスはいろいろあって、それぞれ特徴が異なったりするのですが、今回私はGlaze（グレーズ）というサービスを利用しました。無料です、ありがたすぎます。
詳しいことや使い方などについては、親切丁寧に解説してくださっている方がたくさんいらっしゃいますのでここでは割愛します、興味があればぜひ検索して調べてみてください。
簡単に言うと、Glazeを使うことで機械学習を邪魔することができます。しかしその代償として少し画像が粗く見える、画像を保護するのに少し時間がかかる（15〜20分程度）ということがあります。
保護する強度がいくつか選択でき、そのレベルに応じて見え方が若干異なります。検証結果を貼っておきます。
いかがでしょうか？パッと見ではわからないレベルではないでしょうか？言われないとわからないくらい。
拡大した比較画像も載せておきます。（※プロテクト強度 High は今回使用したMacではスペック不足のため書き出せませんでした。）
もちろん元画像と比べてしまうと若干の差はありますが、個人的にはこのレベルならそこまで気にならないと思いました。
果たしてこれがどこまで機械学習に対して有効なのかは定かではありませんが、何もしないよりはマシだし、少しでも抵抗できるならということで、今後はなるべくこうして対策しながらポストを続けて行こうと思いました。
無策でいることは許容と変わらない
正直に言うと生成AIに対してそこまで恐れを持っているわけではありませんし、差し迫って何か被害を受けるリスクや危機感が具体的にあるわけでもないです。そんな状況で何に対してNO！と言ってんだ、お前の絵柄なんてだれも盗まねぇよ！と思われるかもしれませんが、ただやはり作品を学習に使われるのは気持ちの良いものではないです。それだけでも理由としては十分です。
無策でいることは許容と変わらないと言う言葉を人から聞いてハッとしました。何もしない、何も言わないのであればどうぞ機械学習してくださいと言っているのと同じこと。確かにそうだよなあと、せめてもの意思表示として今回このように自分の考えを書き残しておこうと思いました。
結論として、Xや他SNSでのイラスト投稿は対策を講じながら続けます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
https://twitter.com/satakeshunsuke
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