オーストラリアで扁桃腺摘出手術【前編:経緯と費用】
「痛い・苦しい」で悪名高い扁桃腺摘出手術、約1週間の入院も必要なため、なかなか踏み切れないという人が多いと聞きます。私も手術前はブログやYouTubeで体験談(そして実際の手術の動画も!)をチェックしてビビり散らかしていたのですが、同時にそうした情報をチェックすることで回復のプロセスを想像でき、手術に踏み切れた気がします。扁桃腺の手術を、特に海外で考えている方の参考になれば幸いです。
手術の経緯
昔からのど風邪をひきやすく、仕事が忙しくなったり長めの旅行に行くたび、喉の激痛と高熱に悩まされていました。扁桃腺がかなり大きいのは知っていたし、手術を提案されたこともあったけど、「死ぬわけじゃないし、1週間も仕事を休んで入院なんて…」と、あまり前向きに考えていませんでした。ただ、今年に入ってから再び扁桃炎を何度か繰り返し、Apple Watchで記録している血中酸素濃度を見ても、睡眠時無呼吸症候群が明らかに悪化しているのがわかるようになりました。
ちょうど3週間一時帰国する予定があったので、帰国中に耳鼻科に相談することに。「いびきと睡眠時無呼吸もあるなら、これは取った方が良さそうだね」との診断でした。「できれば日本でやりたいんですが…」と漏らすと、「日本の国保も入っていないい、日本でするなら1ヶ月は滞在しなきゃダメ。オーストラリアなら医療ちゃんとしてるからそっちでやっちゃいなさい」と言われました。確かに、1ヶ月の仕事の調整をして、日本に住民票を移して保険に入り直して…というのはいくらなんでも面倒臭い。ようやくオーストラリアで手術をする覚悟ができました。
手術の予約までの流れ
メルボルンに帰ってGP(かかりつけ医)に耳鼻科の紹介状を書いてもらうと、診察の予約が取れるのは約3ヶ月後とのこと。3ヶ月!そういえば以前やった簡単な肺の検査も半年ぐらい待ったんだった。そんなに待っている間に治っちゃうか死んじゃうのではと思うのだけど豪に入っては豪に従え…(豪州でよく言うやつ)。とはいえ、忘れた頃に診察にいざ足を運ぶとトントンと話が進み、約3週間後の手術が決まったのでした。
手術自体は全身麻酔のうえで行う30分程度の簡単なものです。驚いたのが、日本では1週間程度の入院が一般的なのに対し、こちらではたった1泊で退院させられるとのこと。上げ膳据え膳で、ちゃんと回復具合に合わせたお粥がでてくる日本の入院生活と違い、翌日から自分の粥は自分で作ってくれよな!というスタンス。一人暮らし(シェアハウスではあるけど)にはスパルタすぎんか?とビビりながら、手術に備えて食料をストックしつつ、手術の日を待ちました。
保険とお金の話
さて、海外で入院・手術となると怖いのがその料金。実はアメリカに留学していた時も自然気胸の手術で1週間以上入院したことがあるのですが、その時は海外旅行保険に入っていたため、手術も病室代も病院への交通費も、手術後帰国できない期間の滞在費まで、少なくともウン百万円がぜーんぶ保険でカバーされたのでした。その節は本当にありがとうございました。
ただし、今回は現地の基本的なプライベート保険に入っているだけなので、そうはいきません。今回の手術の場合、会計は3つ(病院、執刀医、麻酔科医の費用)に分かれており、それぞれ保険の適用範囲が異なります。結果的に支払った金額は以下のとおりです。
病院(個室で1泊2食):2252ドルくらいですが、保険でカバーされるため、自己負担はExcess(免責金額)の250ドル
執刀医:1500-406.9=1093.1ドル
麻酔科医:753.6-475.85=277.75ドル
合計:4505.6ドル(約428,000円)
自己負担:1620.85ドル(約153,195円)
うーん、日本よりは高いけど、まあこんなもんか…という感じ。とりあえず1泊の入院代が20万越えはおそろしいですね。ちなみにこれはMedicare(こちらの国民健康保険)の対象かどうか、ほかに入っている保険のプランによって異なります。
さて、後編では手術当日の流れから回復までの様子を記録しました。よろしければご覧ください。
*この記事は筆者の個人的な経験に基づいて書かれています。個別の症状・治療法などについては医師に相談しましょう!