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オーストラリアで扁桃腺摘出手術【後編:手術当日と術後の経過】

入院までの流れ・料金と保険については前編「オーストラリアで扁桃腺摘出手術【前編:経緯と費用】」をご覧ください。

手術当日

いよいよ手術当日。朝7:30から絶食、10時からは絶飲です。朝食はギリギリに起きて(最後なんだから美味しいもの食べればいいのに)いつも通りシリアルとヨーグルトを食べました。

チェックインは13時。入院手続きの書類をいくつか済ませ、看護師からスケジュールの説明を受け、ガウンに着替えて準備バッチリ!さっさと煮るなり焼くなりしてくれ!って気分だったのですが、その後かなり待たされて、ようやく17時に手術が始まりました。お腹ペコペコです。麻酔担当の医師に点滴の注射をされて、少し世間話をしているうちに、あっという間に意識がなくなりました。

麻酔から覚めたのは45分後くらい。看護師の方が気づくと、何故かすぐさまガリガリくんみたいな棒アイス持たせてくれて、そのまま病室に戻ります。冷たくて美味しいアイスのおかげか、意識は割とすぐにしっかりしてきて、ある程度喋ることもできました。アイスのおかわりはいるかと聞かれたのでお願いしたのだけど、その前に夕食の時間が来てしまいました。

そして、夕食はがっつりスパゲティ。実は食事は入院手続の際にメニューから選んだのですが、スパゲティかバラマンディ(魚)しか選択肢がないため、看護師に相談したらスパゲティなら食べられるだろうと言わました。いや本気ですか?日本だったらやさし〜いゆるゆるのおかゆ食べるはずなんですけど???

ドキドキしながら食べ始めると、口は開きにくいものの、鎮痛剤が効いているおかげが、痛みはそこまで強くありませんでした。なにせお腹が空いていたので、食欲が痛みに圧勝。ほぼ完食したうえに、念願のアイスお代わりも果たしました。痛みはこれから強くなるとわかっていたので、食べられるうちに食べなきゃね。この時点で痛みは2/10くらい。

歯磨きもOKなので、食後はやさしく歯磨きを済ませ、薬を飲んだらもうすることがない。友達やハウスメイトに状況を報告して、就寝します。

夜は舌の奥が腫れてるせいかいびきをかく感じになってしまい、1-2時間ごとに目が覚める感じ。深夜に痛み止めも与えられました。たくさん水をのんでトイレに何度も行きながら朝を迎えました。

1日目:手術翌日、退院

朝食はオムレツとヨーグルト、注文していないクロワッサンも出てきました。サクサクのクロワッサンは美味しそうだけど、今は鋭利な凶器にしか見えません。オムレツもパサパサなのでけっこう痛い。途中、少しむせてしまい軽く咳をすると、かすかに血の味、確認すると若干血が滲んでいる程度でした。咳やくしゃみなどはしばらく気をつけないと危ないかも…。

朝のうちに医者が様子を見にきた後、病院の薬剤師から薬をもらって退院手続きが完了。10時頃に退院しました。Uberで帰宅する途中、薬局で痛み止めを購入しました。パラセタモル(日本のカロナールと同成分の鎮痛剤)は処方すると高いから市販のものを買うようにと言われ、病院でもらえなかった…。

帰宅して、自宅で1食目。お昼は食べやすいアイスクリームとバナナ。まだ痛みは全然大丈夫。午後は映画を観たり、ゲームをしたり、本を読んだり、基本はベッドでごろごろして過ごします。

看護師によるとできるだけ通常の食事を食べた方がいいということだったので、夜は冷凍餃子を10個くらいとジュース、そしてアイスクリーム。5歳児が考えたようなメニューですね。相変わらず口は開かないけど、ゆっくりならなんでも食べられる気がする。痛みは3/10くらい。

2日目 :ベッドで安静、味覚の異変に気づく

朝起きると、かなり喉が痛い。唾を飲むのも苦痛です。強めの痛み止めを飲んで、朝ごはんはバナナジュースにします。一口ごとに気合いを入れてなんとか飲み切りました。この時点の痛みは6/10

痛みが辛いのでそのまま寝る。でもまだまだ序盤のはずなので、ここで落ち込んでるわけにはいきません。幸い、痛み止めを飲んだ後は普通にしている分には気にならない程度になりました。ひたすら読書をして過ごす。

お昼は大好きなフォーとスモークサーモン。今週は栄養バランスのことは考えてられないので、とにかく好物とカロリーを摂れるものを選びます。医師からは冷たいものを勧められましたが、不思議と温かいものを食べている時の方が楽な気がする。

午後はまた寝て、夕飯はそうめんとティラミス。入院前に買っておいた大容量のティラミスは柔らかくて、美味くて、冷たくて、カロリーが摂れるなんて天才じゃん!と思っていたのですが、どうやら味覚が戻っていないらしく、甘みがなく、苦みばかりを感じます。生まれて初めてティラミスがまずい。手術中に器具で舌を押さえておくことにより、下が腫れるほか、味覚が戻るまでに時間がかかる場合があるようです。痛みは我慢できるけど、これには本当にがっかり。早く治ることを祈りながら寝ます。痛みは3/10

3日目:ベッドで安静

朝起きると、何もしていなくても喉が痛い。手術後初めてのシャワーを浴びてから、朝食を準備します。のどに優しそうだと思ってスムージーを作ってみるも、冷凍フルーツが良くなかったのか、あまりの痛みに10口くらいでギブアップ。とりあえず鎮痛剤を飲んでベッドに逃げ込みます。何もしてなくてもじんじん痛いのは初めて。しばらく横になっていると薬が効いて楽になってきました。もうスムージーはやめよう...。この時点で痛みは7/10

お昼はまたインスタントフォー。今日は付属の調味オイルを多めに入れてみる。本当は辛いのは良くないみたいだけど、大丈夫でした。ジュースも飲む。午後はゼルダをしっかり進めて、本も結構読んだ。

夕飯は卵とブロッコリーの味噌汁とご飯のみ。口は開くようになってきたものの、少しずつしか飲み込めないため、1時間以上かけて完食します。疲れて早めにベッドに入ったところ、痛み止めを飲み忘れたま寝てしまい、深夜2時に痛みで起床。舌の付け根と喉の奥が、左右交互に切り付けられているようにズキズキと痛む。慌てて処方された3種類の痛み止め(痛みがやばい時用のやつも)を飲んで、30分ほど経つと眠れるくらいに落ち着きました。痛み止めに慣れていただけで、やっぱり傷は傷、めちゃくちゃ痛い状態になっているんだと改めて実感しました。

4日目:室内で安静

朝はやっぱり痛いので起きたくない。朝から最強の鎮痛剤を飲んで、なんとかヨーグルトを食べ、処方薬を飲む。この時点では何もしていなければ大丈夫で、飲み込む時は4/10くらいです。あと2日くらいがピークだろうから、もう少し頑張らねば。夕方小腹が空いたのでティラミスに再度挑戦。やっぱりティラミスが一番まずい。夜はチキンスープとご飯、餃子。餃子は最強。

5日目:室内で安静。痛みのピーク

深夜2時に激痛で目が覚める。12時に痛み止め飲んだはずなのに。慌て強い痛み止めを飲む。15分くらいでズキズキはおさまったけど、唾を飲みこむ痛みはやはり強いです。とりあえず頑張って眠ります。しかし、強い痛み止めの副作用か、早朝に変な夢を見て目が醒める。薬を飲んでヨーグルトを食べると少し落ち着いたのでまた寝る。9時過ぎに起きて、1時間くらいかけてアイスクリームを食べる。ひたすらカロリー摂取のために食べて、寝てを繰り返す1日。今日がピークだといいな…。この日の痛みは4〜8/10。

6日目:外出解禁!

痛み止めと食料がなくなるので、リハビリ兼ねて近所のスーパーへ。暖かくて天気も良くていい気分。帰宅後は掃除と洗濯もして、気分をリフレッシュ。喉の様子を見ると、白いかさぶた部分は2日前と特に変わっていないように見えます。時々突っ張る感じの鋭い痛みが走るけど、痛み止めを飲んでいる限り、普通にしている時は大丈夫。昼食のチキンペンネは美味しいけれど、やっぱりものすごく痛い…。拳を握りしめながら少しずつ飲み込みます。痛みと瘡蓋の違和感のせいで唾を飲むのも大変なので、寝ている間も自然とよだれが垂れてくる。口の中に常に力が入ってる感じもあって、疲れます。痛みは4〜8/10。

7日目

早朝から痛みで何度か起きたけど、強い鎮痛剤を半錠ずつ飲むだけでも気分がだいぶ楽になる。ヨーグルトやペンネの残りを食べて、午後はリハビリのため近所の公園に散歩に出かけた。痛みは5/10

8日目

朝の痛みはまだあるけれど、それ以外は大丈夫。鎮痛剤もパラセタモルだけで普通に過ごせるようになりました。午後は今日も散歩がてら近所の公園へ、友達と犬に会ってきました。喋るのはまだちょっと大変だけど、友達に会うとやっぱり元気をもらえます。ご近所さんとも喋れるようになりました。夕食はどんぶり茶碗蒸しと冷凍餃子。痛みは2/10。

9日目

朝、少し痛みがあったものの、食事をしても強い痛みはありません。午後からは痛み止めも卒業しました!

10日目

もう痛みはほぼなく、違和感と言った方がいいくらい。特に寝る時に瘡蓋が痒い感じがして咳が出てしまうけど、まだ出血の可能性はあるので気を付けて過ごします。

2週間後

事前説明によると出血のリスクは最大2週間とのことだったので、ここで少し安心。今日は傷のことを忘れるくらいほぼ普通に生活できているけれど、あくびをした時に若干突っ張る感じがします。かさぶたの痒い感じがだいぶおさまってきたおかげで、長時間喋れるし、くしゃみができるのが嬉しい!

19日後(術後の診察)

2週間以上経ったので、経過チェックのために受診。傷を見て医師も関心するくらい綺麗に治っているとのこと。睡眠時無呼吸症候群が改善していることを確認する検査のため紹介状を書いてもらい、ひとまずはこれで治療終了です!お疲れ様でした!

まとめ:手術を振り返って

痛みや出血

出血は手術後の朝に一度、咳をした時に少し血が滲んだくらいで、その後は全くありませんでした。これは人によるそうです。痛みに関しても、処方された鎮痛剤さえ飲んでいれば、痛みに悶えることはありませんでした。朝はやっぱり痛いけれど、それと食事以外は割と普通に過ごせます。

今回仕事に復帰したのは術後10日目ですが、やっぱり1週間くらいまでは痛みに波もあるし食事に時間もかかるのでしっかり休みをとった方が良いと思いました。体の回復もフルタイムの仕事だなと感じました。何もしていなくても疲れるんですよね。

睡眠時無呼吸症候群 → (おそらく)改善

精密な検査はまだ先ですが、ひとまず睡眠時の息苦しさや苦しくて目が覚めることはすっかり無くなりました。術後の腫れが引いてからは、Apple Watchで測っている血中酸素が深夜に95%を切ることもなくなりました*。

いびき →無くなった!

睡眠時無呼吸の次に改善したかったのが、隣の部屋にも聞こえるほどのいびき。ポケモンスリープ(睡眠記録ゲーム)の録音を確かめても、今のところいびきをかいていないようです。いびきと寝言のせいで旅行で友達と同室になるのをためらっていましたが、これは本当に嬉しい結果!

寝起き → 良くなった

手術前数ヶ月間の寝起きは恐ろしく悪く、特に息苦しさで起きた後はしばらく意識がぼんやりしていました。ここ1週間は毎日、外がまだ暗い6時頃に起きているのですが、寒くてベッドから出たくないなとは思うものの、どうしてもまた眠りに戻らなきゃ死ぬ!という以前のような強い眠気はありません。昼間の眠気は以前から無かったので変化なしです。

その他

当たり前ですが、扁桃腺を摘出したので扁桃腺が腫れることはなくなります。これはこれから長期的に感じるメリットだと思います。旅行や仕事が忙しくなる時期も、急にダウンしてしまう心配がなくなるのが嬉しい。

数週間でこれだけのメリットを実感しているので、本当に手術をして良かったです。もちろん術後数日の痛みは割とつらいですし、激しい出血で緊急の処置が必要になる場合もあります。特にオーストラリア(ほかの多くの国も)の手術では、出血のリスクが2週間ほどあるのにも関わらず入院は基本1泊です。今回はハウスメイトやアパートのお隣さんたちが結構サポートしてくれたのですが、手術前に食料を準備したり、周囲の人へのリスクを説明したり、救急車の番号(国によって違う!)を再確認しておいたり、準備をしておくことが大切だなと実感しました。

*Apple Watchの「血中酸素ウェルネス」アプリは医療機器ではありません。正確な血中酸素濃度の測定や睡眠時無呼吸症候群の診断が必要な場合は、医療機関に相談してください。


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