【第三十三場C…沈む南極大陸】

 5年もかけて南極に泳ぎついたドクダミシィは、すぐに基地を襲いました。そして、最後のひとりのありがとうエキスを吸いとると、
『ドスン!』
 と足で大地を鳴らしました。
『ゴーー!』
 っという轟音とともに、大地が沈みはじめました。ありがとうエキスのなくなった大地は、ションションションと小さくなって、海に潜るしかありません。そうして、全部の大陸が沈むと星の命は終わります。ありがとうの気持ちを失った星は、ちいさくなって消えてしまうんです。
 次の大陸を目指して、ドクダミシィが、泳ぐ体勢をとろうとしていると、どこからか、ありがとうエキスのあまーい香りが、ただよってきました。ドクダミシィにとって、たまらない香りです。
「ドクダミシィ~~~!」
 不気味な声をとどろかせながら、ドクダミシィは、大地とともに海へと沈んでいきました。目指すは、このあまーいありがとうエキスのニオイのする大陸です。そう、あの街です。

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さいた春介 with ありがとう星人@ whatever happens
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