1000枚。

前回はこんなnoteを書きました。

プロという壁。

反響がないのは想定内です。それでも粛々と活動を続けていきます。

その昔、OPE(Online Photo Exhibition)というウェブ上で写真展をやろう、という趣旨の活動に参加していたことがあった。

毎回お題があって、それに沿った写真を管理者に送り、専用サイトにアップロードされる、という流れだったと思う。

今でこそフォトコンなんてさー、なんて思ってる僕だけど、当時は誰かに自分の写真を見てもらいたくて仕方なかったので、嬉々として参加していた。

そのOPEのお題のひとつに「1日で1000枚の写真は撮れるか?」というものがあった。
このお題、僕が参加する前に実施されたものなので、僕はその結果を見るだけだったけど、数あるお題の中でこれが一番面白かった。

24時間の中で1000枚、単純計算で1~2分に1枚くらい撮らないと間に合わないことになる。当然、全て写真撮影に充てられるわけではないので(食事とか色々あるし)、スケジュールはもっとタイトになる。

そして、このお題の面白いところは(確か)「連写をしない」こと。例えば車を写すのに流し撮りを30枚くらい撮る、というのはNG。

こういう制限がある中で撮れる写真は一体どういうものなのだろうか?

その答えをお見せしたいが、残念ながらもうサイトはなくなってしまったので、僕が当時抱いた感想を述べると

「人が生きていく中でこれだけ写真って撮れるんだ!」

です。

じっくり作品を撮る、というのとは真逆に近いコンセプト。その中で撮れた写真は、時間を経るごとに向き合う対象が目まぐるしく変化していく。とりあえず目の前に存在するものを撮る、それが家の中でも外でも変わらず。と書くと「なんだ簡単じゃん!」と思うかもしれないが、人目に晒すことを考えながら対象を探し撮る、というのは、相当難しい作業。

今の僕にはできないし、今までの僕にもできない。日録を撮っていた頃に近いことはやっていたかもしれないが、量がぜんぜん違う。量があればいいのか、というと考える余地はあるだろうけど、質を担保しながら量を撮るのは、本当に難しいことだとは言える。

そんな難しいことを、インスタが一般的でもない時代、Twitterに画像を載せるのに短縮URLを使わないといけなかった時代に、ウェブ上でやっていたのだ。今思えば先鋭的だった。

今、僕がこの企画に挑戦するか、と言われたとしたら、やってみたい。とはいえ、5kmも走れない人間が42.195km走れるわけがないので、まずは日録をちゃんとやることから始めないとな。

1000枚。撮る人ならあっという間に撮り尽くしてしまうだろうけど、今の僕にはハードルが高い。

だからといって逃げていてはいつまでも撮れない。まず撮れるような条件はなにか、を考えて、その下準備(体力だったり被写体に向き合う姿勢とか)を鍛えて、挑む。その繰り返しをしていけば、いつの間にか周りに誰もいなくなって、高いところに来ていた、なんてこともあるかもしれない。

プロを目指す、プロになるためにあらゆる事をやっていく、というのは、こういうところにもあるんだよね。基礎を鍛えて応用も身につけていく。その試金石的なイベントとして、1000枚を1日で撮る、といった企画があったらいい。

まずは一歩から。

それでは、また。

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