人の言葉や噂を気にして生きること

人から相談を受けることが多くある。
話したいことがある、少し時間が欲しい、会いにいっていいか、などなど入口は人それぞれだが、悩みがあるということだけはいつも明確だ。
そして、それらの話しのほとんどが仕事の話し、将来の話しである。でも、聞いていくとそのほとんどが仕事や将来というより、人で悩んでいることが多くみられ、特に同じ組織内(企業や団体、スポーツクラブ他)での上司と部下や、同僚との関係性での揉め事や愚痴が多くみられる。そして、それらにはやはり共通部分がある。

それはありきたりな妬みや僻みとかじゃなく、お互いが自分の理想や都合を押し付け合っている、という部分だった。そして、どちらかの悪意により、片方が悪者にされてしまうというケースが多い。もちろん悪者にされてしまう方は力関係において、いわゆる弱者となってしまう。現場ではそこからどんどん複雑になっていく訳だ。聞いてて、相手には申し訳ないが「またか」と思うことはよくある。
要は自分都合の人間関係での問題は、片側からの話しを聞いたところで解決はしないし、話しを鵜呑みにすることもできない訳である。

じゃあ、どうやって人での悩みを解決していくのが良いのか?
今回はその辺を書いていきたいと思う。


物事には何をするにしても、目的があるはず。

例えば僕らの業界で言ったらモノづくりをする目的は何か?

・そのものを売るため
・モノづくりが好きだから(趣味)
・良いものを提供し続けるため(志)
・商売をしていくため(挑戦)
・売り上げを更に伸ばすため(目標)
・デザインしたものを世に送り出すため(創作)
・儲けるため(欲)

など、いろいろと沢山の理由や目的はあると思う。
でもビジネスの観点で言えば、作ったものを提供したり飾っておくだけではなかなかビジネスにはならないので、単純な共通の目的は売るためということになるだろう。

そして、そこに関わる人たちは、

①モノを考え生み出す人
②作るために設計する人
③作るための準備をする人
④作る人
⑤宣伝する人
⑥売る人
⑦組織を運営する人

という具合に、いろんな役割に別れており、やることも使う時間も違うわけである。でも、目的はどうなのか?もちろん皆が同じ目的なはずである。そしてそれらは本来はとてもシンプルで、皆それぞれの立ち位置、立場での想いや考えもあるだろうが、最終目的は一緒なはずなのである。そう、売るためにやるわけだ。
だから、それぞれの立場はあったとしても、当然皆が同じ想いなはずである。

と、それが普通で当たり前と思っていると、

大きな火傷をする。

同じ目的意識の中で、それぞれがやらなければいけない場所で、役割を全うし、完結することが大事だとは思うが、大抵はどの業界でも社会でも、歯車が噛み合わなくなり、揉める。
そして、売れなくても正当な対価がもらえる立場の人と、売れなければ自身に跳ね返ってくる立場の人では熱量が変わってきてしまう訳なので、そこでの人間関係に悩み、些細だった問題(感情)は更に複雑になってしまい、シンプルだったものがシンプルではなくなってしまうのだ。

でも、実はこっちのが普通で当たり前なんだと思う。

皆が同じ気持ちで、同じ想いで取り組んでいるかと言ったら、多分そうじゃないと思う。人は違う考えを持つ生き物なんだから、当然である。

でも、それでまとまるのか?良いものはできるだろうか?売れるだろうか?
良いチームは作れるだろうか?強くなるだろうか?たくさんのファンに支持されるだろうか?
好き嫌いもあるわけだが、立場、役割で、自分都合を振りかざし合ったら、結果は見えてくる。

じゃあ、どうすればいいのか?

人のちょっとしたエゴや、訳のわからない思想により、ことが複雑になってきた。イライラしてくる。そんな時にまたお門違いなことを言われたりして、余計に腹が立ってしまう。面白かった仕事はその人が関わることで、面白く無くなってしまう。嫌になる。

そんな状態に自分がなってしまった時は、

本当に自分は何をしたいのか?
何のためにやっているのか?
誰のためにやっているのか?
自分が解決する立場なのか?
解決するべき役割の人がいないのか?
なぜここにいるのか?

そこに立ち返ってみることが、自分にとってはわかりやすいような気がする。

代表と管理者に対し悩みを抱えていて、彼らがそもそもブレていれば、まずその目的自体が成立はしないし、携わる人達は路頭に迷うはずだ。悩む必要もなく、その組織からすぐに離れるべきだと思う。

関わる組織の場所により、人でのやりにくさや問題が生じる場合は、悩んで自分で抱えるのではなく、とにかく早く管理者に伝えるべきである。代表や管理者がまともな場合は、簡単に解決すると思う。もし変わらなければ、辞めればいいだけだ。

はっきり言うと、上司と呼ばれる、自分たちよりも少し所得が多い人達が“問題を解決する”という役割を全うできない組織は、ごまんとある

これらをふまえるとどうだろうか??見るべき部分は明確になってくると思う。


例えばこんな話があったとする。

仲良かった仲間同士でビジネスを始めた。もちろんどちらかが会社の社長になる。それまでは信頼しあっていたが、取引先との関係性の中で上司と部下という関係性ができ、しばらくするとお互いが信頼し合えなくなってきた。でも、それをずっとお互いが言わずに、悶々と時間を過ごしていき、最初は良かったことが、段々と普通になり、最後には最悪なものに変わってしまった。その間、それぞれが違う場所でお互いの悪口や陰口は言いまくっているが、本人同士は腹を割って話すこともなく、最後には我慢できなくなった方が辞めると言って離別して終わる。本人たちは気づいてないが、その頃には周りからの評価は最低になっている。今まではそんなことがなかったのに、利害関係が発生し始めたことでお互いの悪口を言い出すわけだ。二人の関係性で集まっていたコミュニティももちろん無くなり、ずっとお互いがそれぞれで相手のせいにしたままその後を過ごしていくことになってしまった。

自分の勝手な都合や愚かな行為によって目的が変わっていくことは避けるべきだ

下手なスタートラインを自分で作らない方が良い。
何か問題があれば、恐れずに言うこと。仕事ならなおさらである。
時間や労力、全てが無駄になってしまうことに繋がる可能性があることを理解した方が良い。人に迷惑がかかることも知っておいた方が良い。
とにかく些細なことで自分の殻に閉じこもり、放置をすることが一番の問題だと気付かなければならない。
関わっているのは目の前にいる嫌な人だけではないのだから。

もし、そんなことをわかっていながら個人の愚痴として終わらせているなら、違う悩みを実は抱えていると思った方が良い。
麻痺していると思う。

そして、おかしいと思っていても言えない理由は、大体が人に悪く言われることを恐れていたり、人に嫌われることや、悪い噂を言われたくないからで、周りを気にしたりしているからだと、話しを聞いていてすごく思う。面倒臭い事に巻き込まれたくないという精神で、言わない人たちはいる。
でも、気にする必要はない、本当にダメな事なのであれば、言うことがその相手のためにも、組織のためにもなるはずだ。黙っていることで、自分たちで自分たちの評価を下げることに繋がっていくということを理解した方がいい。

嫌われないために、曲がった事をする方のが良いのか

かげ口を言われることや、人に嫌われることって、そんなに気にすることなのだろうか。そんなことを気にしながら生きて行くのなんて、逆に疲れるし、難しくないのだろうか。かげで仕様もないことを言っている人ほど、真実味や根拠なんて、ほとんどないと思う。
仕様もない想像や、思い込みでの話しばかり。いわゆるレベルの低い話しだ。
全てとは言わないが、職場やグループでの悩みなんかは、人生においては正直本当に些細なことだと思う。それがわからないから悩んでいるのだとは思うが、そんなことでは人生は終わらない。他人に言える愚痴なのだから。
もし自分にとって目の上のタンコブだったり、やりにくい人が居たとする。
その人に嫌われてしまったり、避けられたりすることが嫌で、考えや価値観が違うと思っていても真実から目をそらし、気を使って合わせてしまう。目的はその瞬間に変わってしまう
自分に何か支障が出てしまう“可能性”があるからと思い、間違えた方向に進んでしまう。それでは間違えた道をずっと歩いていくことになる。
その圧力に負け、賛同してしまうとか、その道を選ぶのは、結局は自分自身の弱さであったり、自分の問題に繋がるんだとわかった方が良い。人のせいではない。

問題はひとのせいだけではない。

万人から好かれる人なんて、目指さなくていいと思うし、目指すことじゃない。良いと思っていない考えを、良いという必要もない。目指すべきことは、今の自分がどの目的に向かって、進んでいくべきなのか?自分自身に自信が持てる生き方をすれば良い。人は1日たった24時間しかない。人に悪く言われることなんて、真実じゃなけりゃ、気にする必要なんてない。気にしている場合じゃない。
悪口を言われたり、嫌われるということを、自分で受け入れられるようになれば、今までめちゃくちゃ気になっていたことが、気にならなくなる日がふとくるから。

自分自身がどうかを絶えず確認しながら生きていった方がいい。

人の悪いと思われる部分を、まわりに話すより、未来への自分の創造を話した方が、出し手も受け手もハッピーだと思う。
そして、ありがとうと言い合える関係値を作ることができればよりハッピーになると思う。

根拠のない勝手な想いや思い込みから、人を悪く言う人なんて、ほっとけばいい。人に嫌われようが、陰口を叩かれようが、自分を信じて頑張れる人間になっていった方が、幸せな人生を歩んでいけると思う。


それでも正義が殺される時がある。

非常に難しい問題ではあるが、組織が大きくなればなるほど、難問となる。でも、もし本当にその巨大な企業や組織が問題を抱えていて、皆が麻痺していたらどうなるか?ずっとそのまま繁栄できるのだろうか?
思うことはあるが、これ以上は書かない。自分で気づくべきだから。いろんな人達が世の中には沢山いる。合わない人達と付き合うことほど難しい時間はない。彼らが掲げる目的と、そこに対してのアプローチを見れば“どうなのか?”はすぐわかる事だから、まずはそこを見るべきかと。そうすれば、ここもそんなに悩まなくても良くなると思う。


最後はどこを見るべきか。

組織は全て代表やTOPで決まる。そうじゃなければおかしい。その方達は人を大事にしているか?モノやお金を大事にしているか?時間を大事にしているか?目的や軸はブレていないか?そこに自分がハマるか、ハマらないか?
目の前にいる悩みのタネはものすごく小さいもので、些細なことでしかない。解決するためにそこに存在する人たちは沢山いるはずである。仕事でも家庭でも普段の生活でもそうだと思うけど、ベースがしっかりしていれば問題は少しテコ入れするだけで解決するはず。何か一つ自分がネガティブな問題や悩みを抱えた時、見るべき部分を変えてみると、簡単に解決していけるかもしれない。

全ては自分なんだと思う。
選ぶのも、判断するのも、人ではなく自分。自分の嫌な人をその場から引きづり下ろしたり、辞めさせたりするのも違う。解決ではない。自分がどう感じているのか?そしてそれに気づけたとき、自分と周りとの感触はどうか?それをしっかりと自分自身で絶えずチェックしていけるようになることが、必ず解決や成長に繋がっていくと思う。今まで「自分が絶対に正しいから」と思い込んでいたことが、とても恥ずかしく感じるようになるかもしれない。

悩みが生じたときに、何度でも自分に立ち返ってもらいたい。
「怠けるものは愚痴を言い、努力するものは夢を語る。」
ある人の言葉だ。

物事はいたってシンプルなはずなんだ。難しくする必要はない。
必ず理由があるから。
人のせいにせず、自分がどうかをまずは知ることから始めてみて欲しい。













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