意思決定のための「分析の技術」
こんにちは、ナカムラです。今回は「意思決定のための 分析の技術」という書籍を紹介したいと思います。
「分析」ってどういうこと?と改めて聞かれると、なんと答えてよいものか悩ましいもので、けっこう雰囲気で使ってるなぁ~というのが正直なところ。
本書は20年以上前の書籍ですが、分析とは何か?どうやって分析すればよいのか?という問いに、分かりやすい解を提示してくれますので、今回はエッセンスをまとめてみたいと思います。
1)「分析」とは
「分析」という言葉の成り立ちについて、こんな記述があります。
その上で、本書では「分析」という言葉が以下のように定義されています。
言葉の成り立ちと、上記の定義を踏まえると、「分析」とはこのように表現できるのではないでしょうか。
物事の実態・本質を正しく理解するために、総体として捉えるだけでなく、切り分けて個々の要素を吟味すること。
この定義を前提に、次章では「分析の技術」について述べて行きたいと思います。
2)分析の技術
本書では、分析の基本を4つの技術に分類しています。
①大きさを考える
②分けて考える
③比較して考える
④時系列を考える
それぞれについて、以下にてポイントを整理していきます。
①大きさを考える
「大きさを考える」とはつまり、いきなり細かい要素をくまなく見始めるのではなく「インパクトの大きいポイントはどこか?」を考えながら掘り下げていくべし、ということです。
大きさの考え方としては、突き詰めていくと「影響度を見極めよう」という話になっていきます。本書では、20-80の法則(上位20%が全体の80%の要素を占める)とか感度分析(ある行動が、特定の指標にどの程度の影響を及ぼすかを見る)などが紹介されています。
②分けて考える
「分けて考える」のは分析の本懐ですが、ポイントは「解像度を高められているか?」ということです。やたらめったら切り分けても示唆が出てこなかったり、分け方が不十分だと当たり前の事実しか見えてこなかったりしてしまいます。
分け方について、本書では「四則演算(足し算とか掛け算)」の考え方で分けたり、「〇〇ツリー」で分解する、といった方法が紹介されていますが、個人的にFoundXの馬田さんのSlide Shareが非常に分かりやすかったので、参考資料として載せておきます。読まなきゃ損です。
③比較して考える
「比較して考える」とは、最終的に良し悪しを判断したりする際に、「何と比べてそう判断するのか?」ということです。
重要なのは、比較対象と比較軸の両方を持つこと。何と何を、どの点で比較するのか?ということです。そして「意味のある比較ができるか」という視点です。
よく「Apple to Appleで比較しましょう」というように、比較対象は同じもの/似たものでないと意味のある比較になりづらいです。
そして、目的に合わせた比較軸が必要です。「どこの旅館に泊まるか?」を考える時に『旅館名の読みやすさ』で比較されても選べないですよね。予算、料理の内容、部屋の内装などが目的に合わせた比較軸として適切です。
④時系列を考える
「現在」を正しく理解するには「なぜ現在の状況にあるのか?」を過去の経緯から知る必要がある、という考え方です。
これは単純に「時系列で比較して変化を読み解こう」という話だけではなく、「固定観念から思考を解放して、新たな気づきを得る」という狙いもあります。
過去に遡ってみると、現状を作っている制約条件の成り立ちが明らかになり、実は現在においては無意味な縛りになっていた、というケースもあるので、「現在に課せられた内在・外在する制約条件や可能性を正しく認識する」ために時系列を考えることが重要なんですね。
3)最後に
今回、「分析の技術」を紹介させていただきましたが、この内容に加えて「システムシンキング」を使いこなせると、かなり視界がクリアになるのではないかと思いました。
システムシンキングの特徴は、
・静的ではなく動的に物事を捉える
・問題/原因/結果を線ではなく循環で捉える
・問題を「全体」ではなく「より大きな問題の一部」と捉える
などがあり、分析的思考と両輪で使えると視野が拡がるアプローチです。
日々、色々な問題をもんもんと考えている時に「分析の技術」と「システムシンキング」を駆使して、霧を晴らしていきたいと思います(願望)。
以上、意思決定のための「分析の技術」でした。最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
ナカムラ
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