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【他社戦略】強みは機能性?それ以外に強みを付加する方法を考えよう!
水曜日なので今日のブログは【他社戦略】で書いていく。
今日紹介するのはコスメのデザインの文具。最近増えているらしい。なぜふえているのだろう??
近年、文房具業界で「コスメ」「化粧品」という単語をよく耳にするようになった。「ネーム印」でおなじみのシヤチハタは昨年、リップのようなハンコ「LIPIN(リピン)」を発売した。雑貨店「ロフト」ではコスメブランドのデザインをあしらった文房具を販売している。なじみのあるコスメのデザインがSNS(交流サイト)などで話題を集めている。
シヤチハタのリピンはピンクゴールドのボディーが特徴で、口紅を出すようにスティックを回すと印面が出る仕組みだ。インクも従来の朱色ではなく、ルビーレッド、サンセットオレンジ、プラムピンクの3種類から選べる。「仕事のモチベーションが上がる」と好評で、12月には高級リップのようなブラックボディの受注販売が始まった。
~中略~
もともと文房具メーカーは化粧品業界にペンやインクの技術を提供するなど、関わりは深かった。しかし文房具と化粧品が表だって交わることはなく、どちらかというと文房具は影の存在でもあった。近年、「文房具」と「化粧品」という単語が横並びになることが増えた背景には、消費者の日本の文房具に対する意識の変化がある。
リーマン・ショック以降、企業の経費削減などが進み、文房具メーカーは企業向けの備品として支給される文房具から個人消費の文房具に目を向けた。流行のデザインを積極的に採用し、文房具は好みのものを選ぶ時代へと変わった。
~中略~
実はコスメと文房具は似ている面がある。書く、色を付けるという機能面のほか、「使うことで気分が盛り上がる」というモチベーションをアップするツールである点だ。文房具が好きという女性たちはコスメと同様に、お気に入りの文房具を使うことに機能以上の心理的効果を感じている。
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コスメの形をした文具?私は良く分からないが、これだけ広まってきているなら、ウケている理由があるのだろう。
その理由の一つが「気分が盛り上がる」ということなのだろうね。文具は使うだけじゃなく、その心理的効果も考えてデザインする。そういうモノになってきている。
【今回の注目ポイント】
お客様のニーズが同じ点に着目して「強み」を作っている点
<注目した背景>
※何度も読んだって人は読み飛ばしてね
今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」から。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明する。
戦略BASiCSの解説
この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論。この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深い。ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけ。詳しくは是非佐藤義典先生の本を読んでみてね。
「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多あるが、まとめると5つのパターンに分類され、それを再構築した経営戦略理論。その5つを一貫性と具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論。その5つは以下の通り
Battlefield (戦場・競合)
Asset (独自資源)
Strength (強み)
i
Customer (顧客)
Sellingmessage (メッセージ)
頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」。それぞれを簡単に説明すると、
B :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし
A :競合が真似できない強みを支える独自な資源を構築し
S :資源を強み(買ってもらえる理由)にし、
C :自社の強みを選んでくれるお客様に対し
Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう
とこのような考え方で構築される理論。
「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のこと。だけど、これを自社で考えると難しい。この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要。
例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたら?『安さ』といっても、高品質なもの。ユニクロと比べて安いか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないよね。
一貫性を5つ全てでとるというのは、非常に難しい。この一貫性だけど、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなる
※3つの差別化軸
佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかない
①商品軸:(競合より)高品質・新技術
②密着軸:(競合より)個別ニーズに対応
③手軽軸:(競合より)早い、安い、便利
強みはこの3つのパターンしかないので、これを考えることで一貫性がとりやすくなる。
例えば、先ほどの縫製技術の話だったら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じ(具体性はないが…)。
これは①商品軸の例。このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていくことで、BASiCSの一貫性がとれるようになる。
簡単ではないが、できればとても強い経営戦略となる。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけ!是非この「戦略BASiCS」考えてみよう!!
今回は文具がコスメの形になっているそうだ。文具といえば機能的なところが私は好き(折りたたみの定規で伸ばせば30センチ定規になるやつとか)。
だけど、それだけをもとめているわけではないという人がいる。「気持ちを盛り上げたい」というニーズがあるそうだ。
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コスメに「気分を盛り上げたい」というニーズがあるのは分かる。キレイになって気分を上げるというニーズが。
しかし、文房具にもそんなニーズがあるとは知らなかった!私が文具の担当者だったら、コスメの形に文具をするなんて却下していたかも…
大事なことは「お客様のニーズ」だ。自分の感覚ではない。「文具はモチベーションを上げるために使っている」という調査結果があるのなら、感覚よりもデータを優先だ。
文具というと私だったら、「いかに機能性をアピールするか」に意識が行ってしまう。だけどそこはレッドオーシャン。現代の文具だったら機能性で大きな差別化はできないだろう。
だったら情緒的な価値だ。感情に訴える。気分を盛り上げるという感情に訴えてコスメの形にすれば、それが差別化になる。強みになる。
機能性だけでなく、情緒的な価値を付加する。
他でも使えそうな手法だ。できるならマネしましょう!
最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2054
意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎
まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!
ご質問等ある方はコチラまで!