師匠が「日照権」をやりました
どうも、おはようございます。落語芸術協会所属の春風亭昇市です。落語をしたり、音声配信をしたりしております。立て続けに決まると思っていた仕事がポシャり、落ち込んでいるこの頃です。
先日、春風亭柳昇生誕100周年落語会のお手伝いにいきました。生誕100周年を弟子孫弟子が一同に集まりお客さんと楽しい時間を過ごす。これだけでも偉大な大師匠だなと感じます。同時に自分はこうはいかないなと。遠い目をしつつも貴重な日になりました。
関係性としては、私の師匠が春風亭昇太。その師匠昇太の師匠が春風亭柳昇です。つまりは、私にとって大師匠になります。平たく言うとおじいちゃん師匠。お会いした事はありません。音源やYouTubeでいくつかの高座を見聞きしたという具合です。
柳昇師匠が作った新作落語はたくさんあるのですが、中でも私は「日照権」という噺が好きです。噺の構成とか展開じゃなく冒頭のやりとりが好き。このやりとりで夢中になりました。
「町会長、緊急に集まれ、とはなんですか」
「地主さんが、あそこを更地にしただろう。そこに14階建てのマンションが建つんだ。建つと町内に陽が差さなくなるんだ。何か名案がありませんか?」
「ヨタ山さん、寝ていないで起きて下さいよ」
「スイマセン。夜勤だったもので・・・」
「あすこに14階建てのマンションが建つんですよ」
「それは、結構なことで」
「結構なことでって、陽が当たらなくなるんですよ」
「どうせわたしは夜勤ですから」
最高です!めっちゃ落語!音源があるのでぜひ聴いてみてください。でこの日師匠昇太の高座を袖から見ていて。何やるんだろうなと思い。色々予想をしながら、古典落語じゃなく、新作落語かなとか。いざ師匠昇太がやった落語がこの「日照権」
いやーシビれました。柳昇生誕100周年落語会。このお祭り要素が強い会で自分の師匠の作った落語をやるのが一番盛り上がりますよ。その会場にいる柳昇ファン、昇太ファン、柳昇一門ファン、会場のほとんどのお客さんが満足できるネタチョイス!
よく袖から勉強するといいますが、袖から見ると真横だからめちゃくちゃ見づらいんですね。だからいつも勉強した気になるけど。果たして本当に?的な気持ちがあるんですが。
師匠昇太のこのサービス精神こそ勉強できると改めて気づかされました。見えている範囲が広いって言うんでしょうかね。うわーすごいなぁと。子供がヒーローみるみたいに口を開けて眺めちゃいました。
柳昇師匠生誕100周年落語会の帰り道。また節目でこのお祭りみたいな時間が実現するといいなー。と思いながら、師匠のこの日のマクラの構成を忘れないうちにメモしました。久しぶりに袖で勉強しました。
それでは失礼しますー
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