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単なるメモ 小脳と運動失調

運動失調は

姿勢を保持するために必要な随意的、反射的(無意識的)な筋収縮がうまく行えない。

メカニズムとしては前もって予測した時間的(タイミングや速度)な要素の運動パターンがつくられないためにその都度情報を取り入れながら運動を行うためスムーズな運動にならない。


つまりのところ、小脳は随意運動の協調性を担っている。

・時間的秩序:いつはたらかせるか

・空間的要素:どの筋肉を用いるか

・強さの配列:筋肉をどの程度はたらかせるか

である。



筋緊張の制御は

抑制系:網様体脊髄路

促通系:前庭脊髄路など(体幹や四肢の伸筋、抗重力筋のはたらきを調節)

内側前庭脊髄路は頸部、上部体幹、肩甲帯を両側性に支配、バランス保持に関与

外側前庭脊髄路は動きの加速に伴い同側上下肢伸筋群の緊張を増加させる

どちらもバランス保持に関与している、


運動制御には

腹内側系:頭頸部、体幹、上下肢の近位筋の運動に関与し、姿勢制御がなされる

背外側系:対側の上下肢遠位筋の運動に関与

があるが、

小脳に大きくかかわる前庭脊髄路は腹内側系に分類されるため、小脳が障害されると前庭脊髄路機能も低下し、筋緊張低下が起きる。小脳の障害によって体幹機能が低下するのも納得である。


小脳の分類

・大脳小脳(小脳半球)

随意運動の調節や組み立て、フィードフォワードに関与

歩行では振り出し(拮抗筋の制御)、膝の協調的な運動に関与

四肢の協調運動障害に関与

小脳歯状核とつながる


・脊髄小脳(小脳虫部)

近位筋、遠位筋の運動実行やフィードバックに関与

歩行ではストラテジーや立脚期の歩行制御に関与

体幹失調に関与

小脳室頂核とつながる


・前庭小脳

姿勢維持や眼球運動に関与

バランス障害や眼振に関与



小脳と大脳

3つの脚によって繋がれている

・上小脳脚(出口)ー歯状核

・中小脳脚(入口)-橋核

・下小脳脚(入口と出口)-下オリーブ核


小脳の入力経路

・橋小脳路:中小脳脚が関与。大脳皮質からの情報が小脳半球に入力

・前脊髄小脳路:四肢や体幹からの意識に上らない感覚情報が脊髄小脳に入力。

・オリーブ小脳路:大脳皮質や脊髄、小脳核からの感覚情報が下オリーブ核から下小脳脚を経て対側小脳皮質に入力。


小脳の出力経路

・脊髄小脳からの上行性出力:視床VL核に送られ一次運動野に投射

・脊髄小脳からの下行性出力:赤核脊髄路として交叉し屈筋群の活動に関与

・大脳小脳からの上行性出力:視床VL核に送られ、一次運動野、運動前野、前頭前野に投射

・大脳小脳からの下行性出力:橋網様体脊髄路を経て四肢屈筋、体幹筋に関与

簡単にまとめると上行性は予測的姿勢制御、下行性は前皮質脊髄路、網様体脊髄路で姿勢をコントロールするための筋緊張を制御している。


小脳とバランスに関してを整理

そもそもバランスとは、支持基底面内に重心をとどめておくこと。

これは視覚、体性感覚、前庭感覚を通じて自分の重心位置を把握している。

重心が逸脱しないために立ち直り反応がある。

逸脱して戻るまでには動けないのでストラテジーを使う。

重心をある高さにとどめておくためには網様体などの姿勢コントロールのための筋緊張が関与する。

そのための体幹の協調的な姿勢制御を行うために働いているのが小脳。

バランスが取れないのは、重心を支持基底面内にとどめておくために、どのような姿勢であれば、どの筋肉をどのタイミングでどの程度出力させれば良いかの戦略が小脳において立案できないことが原因。


アプローチは

記憶情報を基にした運動(基底核ループ)を利用する。

毎回同じ環境で練習することで補足運動野の機能を向上させる。


拮抗筋の固有感覚受容器に感覚入力をしていく必要がある。

末梢から得られる情報(誤差信号)を基に運動調節、学習をしていく過程で、まず末梢部からの感覚入力がしっかりとされないといけない。

そのために重錘や弾性包帯を用い、感覚受容器の発火を促すが、この体性感覚情報の代償が強くなってしまうため、果たしてこれでいいのか、、という疑問は残る。

参考は自分がなぜか持っていたメモ書きです。(笑)


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