【旬八新聞|2023 vol.1】長崎県雲仙市で戦後から70年、丹精込めて。みゆき蒲鉾本舗さんに聞く蒲鉾製造の話。
おせち料理の定番・蒲鉾ですが、ちゃんぽんにも不可欠な存在。
ちゃんぽんの地・長崎は、魚肉練製品の消費量が全国1位(総務省統計局「家計調査」)。
有明海と橘湾の二つの海に囲まれた島原半島に位置する雲仙市でも勿論蒲鉾が製造されています。
今回は蒲鉾の魅力を更に知るべく、「みゆき蒲鉾本舗」会長の久山つや子さんにお話を伺いました!
戦後の食糧難時代に創業
ーこんにちは!本日はお時間をいただきありがとうございます。先ず会社についてご質問させてください。創業はいつでしょうか?
1947年、戦後の食糧難の時代でした。ここは多比良という町なのですが、周囲にはお菓子屋さんやお豆腐屋さんがあったの。当時長崎や諫早から人々が食料を求めて出掛けに来るまちだったんですね。
店舗名のきっかけは文明堂のご縁
ーみゆきの名前の由来が気になります。
雲仙は文明堂創業者の出身なのだけれど当時文明堂のカステラは宮内庁に献上されてて。
その際「こんなに素晴らしいものを作っているならば」と多比良の蒲鉾屋六、七軒の蒲鉾を宮内庁へ贈ってくださったんです。それで天皇への「御行」をひらがな表記し店舗名になりました。
最初は「みゆき蒲鉾本舗久山蒲鉾」だったのですが、その後地域内に残った蒲鉾屋がうちだけになり今の名前になりました。
魚は上級のものを
ー原材料の魚は長崎のものを?
イワシやアジは有明海産。トビウオは橘湾で水揚げされたもので、仕入はそれらのすり身ね。
魚は上級のものにこだわっています。
具体的には板付き蒲鉾にしたらコリコリした弾力感があるもの。天ぷらにしたらぎゅっと旨味が感じられるものですね。
ーそんなすり身を水で延ばし製造を。
はい、すり身に水と澱粉を混ぜてね。
製造では温度湿度の影響も大きく気候により適切な水の量が変わるのよ。勿論基準配分はあるのだけれど職人さんが日々手の感覚で最後の塩梅を決めています。経験の為せる技ね。
ー昨今添加物不使用が好まれる潮流もあるのでお伺いしたいのですが、添加されている保存料の効果についてお聞きしても良いでしょうか。
賞味期限迄の確実な品質保証のために必要と判断し最低限の量を添加してます。
ソルビン酸という保存料を使用しているのだけれど科学的に代謝排泄される事が分かっているので安心して追加しています。
蒲鉾は、座らせる。
ー教えてくださりありがとうございます。話は変わるのですが見学の際、製造作業は夜中から始められるとお聞きしまして。
はい、夜一時から。揚げは九時頃からね。
ー製造工程をお聞きしたいです!
原材料を混ぜたら成形ね。ちぎりものは成形後直ぐぴっぴってちぎっては揚げちぎっては揚げて。
一方で形があるものは、業界では座らせるっていうんですけれど最低三、四時間座らせます。するとコシが出るし旨味も凝縮されるんです。
その後冷やす工程に。出来立てを一気に芯まで冷やすのが、とても大事。
蒲鉾の歴史、豆腐蒲鉾の誕生秘話
蒲鉾がいつ頃できたかご存知?
ーいえ、知らないです。過去の資料によると1115年には存在していたのよ!
900年以上の歴史がある。
魚はカルシウムとタンパク質源だけれどいつも生では食べられないもんね。
いつかの大河ドラマで平清盛が「今日は魚がたくさん獲れたからこれを蒲鉾にして明日お殿様に献上しよう」というようなセリフがあったの。痺れるよね。
ー旬八では豆腐蒲鉾が人気なのですが、豆腐と蒲鉾の組み合わせは珍しいです。
これは誕生の裏話があって。
ある海がシケた日に魚が獲れなくて「わーどうしよう。蒲鉾作らなきゃいけないのに」という時近くにお豆腐屋さんがあって。
試しに豆腐入れて造ったら「いけるじゃん!」となって出来た商品なの。
故郷の味、島原の味。ぜひ食べてもらいたいです。
バイヤー談では、普通の蒲鉾は原価優先でなかなかここまで魚にこだわられていないとのこと。おいしいおすすめ蒲鉾、ぜひお試しください!
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