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不登校支援について

文部科学省が公表した令和4年度に全国の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童・生徒の数はおよそ29万9000人、10年連続で過去最多を更新した。特に問題視したいのは、この2年間で一気におよそ10万人増えたことである。

不登校児童生徒数

群馬県でも、教育支援センターの充実やフリースクールとの連携など、様々な支援が行われているところであるが、不登校児童生徒数は、小学校で1,497人、中学校では2,885人で、依然として増加している。

その原因を文部科学省は「コロナ禍の長期化で生活環境が変化したことや、学校生活でのさまざまな制限で交友関係が築きにくくなったことなどが背景にある」と分析している。社会は日常を取り戻しつつあるが、子どもの心はそう簡単には戻れない。一度、関係が断たれた友達との付き合い方や先生との関係、学校生活の楽しさを取り戻せるように、大人たちが日々、丁寧に向き合っていく必要がある。

県でも教育支援センターの充実など、不登校児童生徒への適切な支援に関する施策を総合的に実施してきたところであるが現状、十分に対応できているとはいえない。

また、2016年にできた「教育機会確保法」では、「不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ、学びの機会の確保のため、学校以外の学び場を利用する家庭への必要な情報提供や支援を行うもの」と書かれている。

 

学校以外というのは、例えば、民間が運営するフリースクールや自宅からのオンライン学習などであり、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、不登校児童生徒一人一人に応じた多様な支援を行っていく必要があるというように考え方も変化してきている。

 

しかし、そのフリースクールの定義は曖昧で、運営形態も様々である。利用料などの経済負担に加え、通うフリースクールが遠方な場合には、その時間的・身体的な負担など家庭の事情も考慮しなければならない。

現在、本県では昨年度 大手ホテルチェーン 東横イン(株)より寄付していただいた多額な資金を元に、このフリースクールの経営基盤強化に向けた支援を始めたところであるが、より児童生徒や保護者が利用しやすい支援を充実していく必要がある。

 

群馬県の不登校支援施策

一度不登校になった子どもたちが再スタートを切れるように、本県で一昨年に構築した「ぐんまMANABIBAネットワーク構築事業」をもう一度見直し、国や市町村、教育委員会、学校、フリースクールなど関係機関が連携を強化して必要な支援や情報をきちんと提供していくことこそが大切である。

また、学校や学校以外の相談機関などから支援を受けておらず、必要な情報が届いていない子どもたちが大勢いることもわかってきている。その数は全国で11万4217人。不登校の子どもたち全体のおよそ4割である。

不登校児童生徒本人やその保護者が、気軽に悩みを相談できるようなわかりやすい窓口が必要である。

 

問題の解決には学校や関係機関だけでなく、福祉や医療、法律の専門家等の協力も必要になる。不登校の理由は子どもの数だけあり、一筋縄では解決できない。
 だからこそ、どうしたら子どもたちが安心して学べる環境を提供してあげられるのか、社会全体で知恵を出し合いながら考えていく必要がある。


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