因果関係と相関関係の違いについて思考整理
相関関係と因果関係について考えをまとめます。両者を混同しないように、とよく言われますが、実際はなかなか難しいものです。例えば、データ分析を進めているときに、ようやく見つけた相関関係には因果関係があるはずだ、と思い込んでしまうこともあるでしょう。
では、そもそも相関関係と因果関係はどういったものなのでしょうか。広辞苑には、次のように記載されています。
そうかん‐かんけい【相関関係】
一方が他方との関係を離れては意味をなさないようなものの間の関係。
いんが‐かんけい【因果関係】
原因とそれによって生ずる結果との関係。
相関関係とは、Aが増えたらBも増える(もしくは減る)という関係を表します。一方の因果関係は、原因と結果の関係です。Aが増えるとBが増えるという関係を指します。
因果関係は相関関係の一部
因果関係は相関関係の一部です。両者の関係性は「因果関係があるから、相関関係にある」と表現することができます。ということで、相関関係はあるけど因果関係はなかった…というケースもあり得るわけです。
アイスクリームを食べると森林火災が増える?
因果関係と相関関係の違いを理解するのに、アイスクリームと森林火災の事例があります。アイスクリームの消費量と森林火災の面積はどちらも夏になると増えます。ですから、両者には相関関係があるわけです。
夏になると、暑さで人々はアイスクリームをたくさん食べます。また、夏は空気が乾燥するので、森林火災の件数が増えます。
因果関係はどうでしょうか。アイスをたくさん食べたからって、森林火災が増えるわけではないですね。ですから因果関係はないわけです。
アイスと森林火災のようにハッキリ分かりやすいものであれば、混同することはあまりないでしょう。しかしこれが、マーケティングデータなどになってしまうと、ともすれば「存在しない因果関係」を見出して誤った打ち手を採ってしまう危険性があります。
以上、因果関係と相関関係の違いを自戒の意も込めてまとめました。
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