AIではなくWebライターに仕事を任せたほうがいい理由
はじめに
こんにちは。10年くらいライターやっています。求人広告とかWeb記事とかホームページとかの原稿を作っています。
最近はもっぱらAIが流行っていますね。文章も画像も全部AIが作ってくれる時代です。そして、わからないことはAIに聞けば教えてくれます。もはや「AIに聞くかどうか」という議論はとうに終わっていて、「AIにどう聞くか」を個々が試行錯誤する時代なんですよね。
また、学生さんによっては、学校の宿題や大学の課題なんかもAIに任せているようで、たまにニュースになっていますね。宿題や課題をAIにやってもらって、浮いた時間はスマホでもいじってるんでしょうか。
それはさておき、Web記事などの執筆で収入を得ているライターにとって、AIの台頭が死活問題となっています。企業に「AIで文章作れるから、ライターに頼む必要ないよね」という考えにシフトされると非常に困るんです。
そこで、AIによる記事作成について、ライターなりの見解を書いていきたいと思います。ライターと取引をしている企業の担当者さんや、AIを使って自分たちでメディアを運用している企業の方などにも見てもらいたいです。この先AIにライティングを任せて良いのかどうか、その判断材料になると思います。
あとは、同業者の方やライターを目指す方にも役立つ内容だと思いますのでなにとぞ。。
AIの台頭でライターは不要に?
ChatGPTに代表される生成AIは、どんな記事も書いてくれます。というか、記事作成に特化したAIライティングツールが乱立しています。まあそれも多くがChatGPTが提供するAIモデルを活用したサービスのようですけど。
現時点では、AIの台頭によって本当にライターが不要になったのかといえば、そんなことはないと思っています。スキルを得て、経験を積んだ人にしかできないライティングの分野もありますので。
そして何より、AIに書かせた文章をそのまま掲載ってのはまだまだ危険です。個人ブログでやるならどうぞお好きにって感じですが、企業は社会的な信用が大切ですので「この記事って盗用じゃないですか?」なんて言われたらかなり困りますよね。
実際に、独自システムで生成AIに記事を書かせた結果、記事の盗用を指摘されて謝罪したウェブメディアも存在します。「この記事はAIが書きました」って注釈したところで盗用が認められるわけではないので、AIを活用する場合は慎重にならないといけないと思います。
さらにSEO対策すら不要に?
また、Web記事やホームページに関しては、みんな口を揃えて「SEO、エスイーオー!」って言いますよね。掲載したものがより多くの人に読まれないと意味がないわけですから、確かにSEOは重要です。
なので「ライターとしてSEOにも精通しています!」って売り込みは今までは通用していたのですが、AIの台頭でこれも少し風向きが変わっています。
なぜなら、Google検索において、AIが検索結果の概要を生成して表示する「AI Overviews」という新機能が登場したためです。
AIが生成した文章がぱっと検索結果に出てきて、それを読めば疑問が解決しちゃう場合、ほかの記事をクリックしませんよね。いくら記事が上位表示されていても意味がないということになるんです。
ただ、まだまだ「AI Overviews」は改善が必要なようで、本格的に普及するのはもう少し先でしょう。要約じゃなくて記事をじっくり読みたい派もいるでしょうし。
それでも、記事によってはSEOの重要性が下がる時代がすぐそこまで来ているのかもしれません。
AIによるコンテンツ作成に対するGoogleの見解
Googleが発表した以下の記事を読んでもらえばわかりますが、GoogleはAI生成によるコンテンツ作成を全く否定していません。「AIを使おうがなんだろうが、有用なコンテンツが読み手に届けばそれが一番良いもんね!」っていうスタンスです。
Googleは「E-E-A-T」(専門性・エクスペリエンス・権威性・信頼性)を重視していますので、これが満たされていれば別にAIライティングツールを活用して記事を書いても問題なさそうといえます。
ただし、AIが生成した記事を大量にアップするスパムのようなやり方は認められていません。Googleからめっちゃ低評価をくだされます。
また、少し話がずれますが「コンテンツの一部にAIを使用しています」という表記をGoogleは推奨しています。AIが生成した記事を人々がどこまで許容するかによって、このあたりは今後もっと明確な基準が生まれそうですね。
Googleに評価される記事を作るためには
ChatGPTやAIライティングツールを使ってみればわかりますが、生成されたままの記事では「E-E-A-T」は満たされないと個人的には思っています。「E-E-A-T」は、簡単にいうと高品質なオリジナリティです。
まず情報が正しいことは大前提で、検索する人のためになる記事でなくてはなりません。
また、筆者の経験から得た専門的知識などのオリジナリティが大事なのですが、AIが作った記事は既出の情報をパズルのように組み合わせているだけなので、どう考えてもオリジナリティはないですよね。生成された記事の内容は、他者が先に発信したオリジナリティの寄せ集めです。
だから、AIが作った記事をそのまま使っても、競合記事には勝てないんです。
ChatGPTやAIライティングツールの活用方法
じゃあChatGPTやAIライティングツールは記事作成において無意味なのかというと、そうではありません。使い方次第でライティングを助けてくれます。
まず、対策したいキーワードに沿った記事を生成します。記事のリード文や見出し、構成なんかは結構役に立つでしょう。要は、AIに記事のおおまかな流れを試しに作ってもらうんです。自分用のアタック原稿とでもいいましょうか。
それを参考にして、「ああ確かにこの話は読み手としては知っておきたいかもね」なんて考えながら自分の手でライティングしていくんです。そのなかでオリジナリティをどう出すかはライターが自ら考えるものです。
また、ChatGPTに質問するのもライティングの助けになります。「◯◯な人の心理は?」「◯◯の問題点を解説して」「これ読んで要約して」とかなんとか。読み手をより深く理解するためや、有用な情報を出すためにAIを活用するのは人間の知恵ですよね。
あとは文章の校正にも使えます。自分の校正に自信がない人は、AIに「あなたは文章校正のエキスパートです。以下の文章を校正し〜」とかなんとかうまいこと指示すれば、誤字脱字だけを直してもらうことも可能です。
対企業の記事制作においてAIを活用しちゃだめ?
ライターとして活動していて、企業と取引があったとします。毎月◯本記事を書いてください、みたいなやつです。
この場合にAIを使って記事を作るのはアリなのでしょうか?
上述したように、AIによって生成されたものをそのまま使うのはナシでしょう。それなら企業としては、実在するライターにお金を出して依頼する必要がありませんし、企業から詐欺行為だと指摘されても仕方ありません。「これはAIが書いた文章などではなく、ライター自らが作った記事である」と自信をもっていえる状態で納品すべきです。
一方で、企業との申し合わせができているなら問題ないですよね。「記事作成において、生成AIをこの範囲で活用します」と明確に決めておくべきでしょう。
当たり前ですが、企業側としては、初めて取引するライターに記事作成を依頼する場合は、AIの活用範囲について事前に伝えておくべきですし、納品原稿がAI生成でないかチェックすることも大事ですね。
【大事】AIライティングツールを使う葛藤
試しに、私もAIライティングツールを使って記事を生成してみました。情報の正誤やオリジナリティをすぐに確かめられるように、自分が書いたことがあるキーワードでAIに記事を書かせてみました。(書いてもらいました、とは言いたくない)
私が使ったツールは結構ちゃんとしていました。記事の内容もおおまかには問題なかったです。でもやはり、私が過去に書いたオリジナル記事の構成&文章とかなり似ていて、「うわあ…」と感じたのは事実です。
でもコピペチェックツールはすり抜けるから厄介です。その一方で、生成AIチェックツールには引っかかりました。まあ人間が作った記事でもパクリは生まれますけども。
そんなこんなで、私個人としては、AIが生成した記事をそのまま使うのは嫌です。すっごくむず痒いです。誰かがあれこれ思考して書いた記事をもとに、コスパ・タイパ良くそれっぽい記事を生成してアップするのは、同業者の努力を踏みにじる行為だと感じてしまいました。ライターとして働いているから、どうしてもそう感じてしまいます。
あと単純に不安ですね。AIが集めてきた正誤が不明瞭でソースもはっきりしない情報を、記事として公開するのが不安で仕方ありません。信用をなくすのが怖いです。
今のところの結論
AIライティングツールを使った記事作成が便利なのはわかります。キーワードを入れてちょっと待てば勝手に記事が完成するので、めっちゃラクです。
でも、記事の価値を出すためには、大きく手を加える必要があると思います。情報の正誤を一つ一つ精査する必要もありますし、検索する人にとって有用な記事にするには、AI生成でポーンっと出てきた記事では内容が不十分だと感じました。
なので上述したように、自分用のアタック原稿として、参考程度にChatGPTやAIライティングツール使うのが良いのではないでしょうか。
大事なのは、その記事意味あんのか?の視点です。どうか、世のためにも人のためにも自分のためにもならないような記事を量産しないよう願います。
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