ベスト・バイ
お金を稼ぐのに教養はいらないが、
お金を使うのには教養がいる。
――――養老孟司
▼▼▼2022年のベスト・バイ▼▼▼
先週伊集院さんのラジオに導かれて
「瑞夢」を買ったことをメルマガに書いた。
書き終わったあと、
「そういえば自分自身のベスト・バイって何だ?」
と興味が出てきたので、
書いてみようと思う。
パソコンとか本とか、
そういう仕事関係はひとまず置こう。
それだけで長大な文章になってしまうから。
興味ある人は個人的に聞いてください。
それ以外で行きます。
▼▼▼羽毛布団▼▼▼
これは去年の11月に買った。
けっこう良い羽毛布団を。
13年ぐらい使ってる羽毛布団はへたってきていて、
それだけなら買い換えなかった。
別にへたっても使えるし。
ただ、昨年末に集合住宅から
「一軒家の一階部分タイプ」という賃貸に引っ越したことで、
僕が寝る環境は真冬は相当寒くなった。
集合住宅だった以前の家は、
真冬でも室内が15度以下に下がることは滅多になかった。
今の家の僕の部屋は、
家の中でも最も気温が下がり、
今回の寒波では室内が10℃を切ったし、
去年の1月もやはり10~12℃とかで、
マットレスの上に分厚い毛布、
その上に薄い毛布。
その上に羽毛布団。
さらに分厚い毛布という布陣で、
ようやく冬を越せた。
上からいえば、
厚い毛布
羽毛布団
薄い毛布
オレ
厚い毛布
マットレス
何バーガーだ。
串を刺さないと立ってられないタイプの、
いろいろ挟んだそのバーガーの真ん中に、
オレというビーフ100%パテは挟まっていた。
厚い毛布がバンズで、
薄い毛布はチェダーチーズね。
ビッグマック級に膨れ上がった布団は重く、
筋トレをしているとはいえ肩がこる。
何より、なんかいろいろ挟んでるから、
食べてる途中にバラバラになる串刺しハンバーガーと一緒で、
朝起きたら布団たちはバラバラになり、
結局薄い毛布にくるまれて寒くて朝起きる、みたいな。
チェダーチーズしか残ってないんかい、っていう。
これは睡眠の質にとってよろしくない。
「睡眠至上主義者」の僕は、
ここへの投資をケチっちゃだめだ、
と固い決意で、最高の羽毛布団を探した。
最高かどうか分からないが、
「タンスのゲン」という国内メーカーの、
羽毛の量が普通より多いタイプのものを11月に注文した。
いろいろ調べて分かったのだが、
シングルサイズの羽毛布団の羽毛の量というのは、
基本的に1.2キロばかりだ。
これはこの30年ぐらいで減ったらしい。
例の「ステルス値上げ」ではない。
日本人の住宅事情が良くなった結果、
特に新しいマンションに住むような人や、
最新の断熱材入りの新築に住むにとって、
部屋の気温はそれこそ15℃以下に下がらないから、
分厚い羽毛布団はトゥー・マッチで、
むしろ1.2キロぐらいで「軽さ」を出した方が、
睡眠の質に資するということを、
メーカー側が研究の末突き止めたらしいのだ。
だから、シングルで羽毛の量が1.5キロというのは、
昭和の時代にはよく見かけたが今はレアなのだそう。
その昭和タイプの羽毛布団を僕は買った。
大正解だった。
さっきのビッグマックのうち、
分厚い二枚の毛布(重い)と、
ついでに薄い毛布も不要になった。
しかもまったく寒くない。
タンスのゲンの羽毛布団
オレ
ベッドパッド
マットレス
かなりスマートになった。
チーズバーガーになった。
もう串刺しにする必要はない。
食べてる途中(寝てる間)、
バラバラになることもない。
睡眠は僕の仕事の質に直結する。
安くはない買い物だったが、
値段以上の効用をもたらしてくれた。
最高の買い物だった。
あえて値段はここに書かないけれど、
どうしても興味ある人は直接聞いてください。
目玉が飛び出る高価でもないけれど、
「うーん、、、」とネットの前で、
一ヶ月ぐらい悩めるぐらいには高価です。
だけれど、その価値はある。
何度も言うけど睡眠は健康と仕事の質に影響するから。
▼▼▼聖書協会共同訳の聖書▼▼▼
次は聖書。
「聖書協会共同訳」っていう翻訳のやつ。
これは正確には今年に入ってすぐ買ったのだけど、
まぁ、ルールなんてガバガバなので、
というか僕のさじ加減1つなので、
ここにぶち込みます。
僕は毎朝起きて歯を磨いて顔を洗ってプロテインを飲むと、
30分ぐらいのデボーションをする。
お祈りをして、聖書を読む。
そのときに聖書と、
もうひとつ「注解書」のたぐいも手元に置き、
それを読みながら、
たとえば旧約なら歴史的背景を参照しつつ、
その箇所を読む。
そして学んだことをEvernoteにメモし、
最後にまた祈る。
そのメモが、
YouTube/Podcastの、
「聖書研究」のネタ元になっている。
1日1章(長い章は2分割で)ずっと通読してるので、
だいたい3年で聖書を一周する。
去年の年末にちょうどマラキ書が終わり、
新約聖書に突入した。
キリが良いので、
何か別の解説書はないかなーと考えていた。
解説書はさすがに何周もしないので。
そんで、思い出した。
聖書協会共同訳のことを。
聖書協会共同訳が発刊されたのは2018年。
カトリックとプロテスタントの共同で訳し、
なおかつこれまで存在した「新共同訳」とも違うアプローチ。
特にこれまで伝統的に「信仰」と訳されてきた、
「ピスティス」というギリシャ語が、
「(神の)真実」と訳されていることが話題を呼んだ。
非常に興味深い、と思っていた。
僕のようなギリシャ語やヘブル語で聖書を読めない人間にとって、
訳の違う聖書を同時に読むことには大きなメリットがある。
右目と左目で微妙に違う絵を同時に見ると、
3Dに見えるトリック絵ってあるじゃん。
あれと同じで、「違う部分」が浮き上がって見える。
そんで、「なんで違うのか」を考える。
ギリシャ語を理解しない僕にも、
今は非常に便利なものがある。
「Bible Hub」という英語のサイトがあって、
そこに例えば、Luke 10 37 って入力すると、
その節のギリシャ語単語が逐語的に表示される。
そしてコンコーダンス的に、
今度はそのギリシャ語は新約聖書の他のどこに登場するか、
が参照できる。
そうやって、
聖書は本当は何を言おうとしていたのかを、
より立体的に知ることができる。
例えば最近だと、
マタイ25章の、
新改訳2017で
「私が旅人であったとき宿を貸し」が、
聖書協会共同訳では、
「私がよそ者であったとき宿を貸し」となっている。
「旅人」と「よそ者」
訳された元のギリシャ語単語は同じだが、
微妙に違うでしょ。
英語だとシンプルに「Stranger」となっている。
何度も言うが僕はギリシャ語に詳しくないので間違っているかもしれない。
しかしBible Hub も参照しながら、
おそらく「よそ者」のほうが
言語のニュアンスに近いのではないかと類推する。
もちろん「旅人」が間違っているわけではない。
そんなこと言えるかよ偉い先生方に向かって。
言えるわけがない。
殺される。
いや嘘。殺されない。
とにかくここが「よそ者」だとすると、
たとえば四国でお遍路さんに良くしましょう、
みたいな話しに加えて、
今の日本なら在留外国人だとか、
在日朝鮮人だとか、
沖縄の方々、アイヌの方々、
といったその社会で多数派を形成しない、
アイデンティティにおいて少数派の方々に良くしてあげる、
という意味が浮かび上がってくる。
今挙げたのはほんの一例だが、
こんなふうに、複数の訳を平行して読むのは、
聖書の理解にとって大きなメリットがある。
同じ理由で英語と日本語の聖書を並べて読む人もいるよね。
そんなわけで、
「聖書協会共同訳」、
お勧めですよ。
早くKindle版でないかなー。
▼▼▼トレーニング関係▼▼▼
あとは「筋トレ関係」ですね。
引っ越して1年が経つが、
僕の生活の最も変わった部分は、
ジム通いからホームジムになったことだ。
去年の12月に、基礎となる道具は全部一気にそろえた。
・ハーフラック
・バーベルとプレート(最大125キロ)
・可変式ダンベル(最大40キロ)
・角度を変えられるトレーニングベンチ
・トレーニングベルト
・ウォーミングアップ用の小さなエアロバイク
これぐらいが基礎的な道具。
これに、今年はいろいろ買い足した。
・ケトルベル(×3)
・トライセップスバー(主に上腕を鍛える短いバー)
・アングレス90(チンニングの強度を上げるグリップ)
・Tバーアタッチメント(バーベルのTバーロウという種目ができる)
・アブローラー
・ニースリーブ/エルボースリーブ
・筋膜リリース用のフォームローラー
主だったところでこんなところだろうか。
無闇にギアばかり増やすのは絶対に違うけれど、
「これがあればもう一種目バリエーションが増える」
といったタイプの筋トレの道具は失敗することが絶対ない。
違う刺激を与え、筋肉を刺激に慣れさせないのが筋トレの極意だから。
そんなわけでこの1年間で、
僕の筋トレはジムに通っていた時以上に充実するようになった。
最高だ。
あと、直接的に筋トレではないが、
業務スーパーで買った「アミノ酸調味料」もベスト・バイだった。
ようは「味の素」だ。
1キロ入って500円ぐらい? だった。
味の素って高いでしょ。
100グラムぐらいのひと瓶が250円とかするからね。
このアミノ酸調味料の何が良いかというと、
「自家製サラダチキン」が作れるようになったこと。
近所にできたスーパー「まいばすけっと」で、
1キロ678円の鶏胸肉を買ってくる。
皮は申し訳ないけど捨てる。
1キロでだいたい3枚入ってるから、
薄いビニール袋3枚にそれぞれを入れる。
・ハチミツ大さじ1ぐらい(適当)
・アミノ酸調味料小さじ1~2(適当)
・塩小さじ1杯
・カレー粉(入れるバージョンと入れないのを作って味変する)
袋の口を閉じる。
これら袋ごと鍋いっぱいの水にぶち込む。
鍋を火にかけ、沸騰させる。
沸騰したら火を止め、蓋をする。
あとは熱湯がお湯になるぐらいの時間(1~2時間)待つ。
袋から取り出してスライスする。
この鶏胸肉サラダチキン、マジで美味いよ。
コンビニでサラダチキンを買おうなどと、
もう永久に思わなくなる。
あんなのより全然美味いし、
値段でいえば4分の1ぐらいじゃないかな。
最高だ。
信じて欲しい。
最高だ。
▼▼▼ビデオニュース▼▼▼
最後はソフトコンテンツです。
「モノ」ではない。
日本人はソフトコンテンツに金払わなすぎだと僕は思うので、
こういった投資がいかにメリットがあるかを話したい。
ダースレイダーさんのYouTube番組で、
僕は神保哲生さんを知った。
それから彼の主催する、
宮台真司さんと一緒にやってる、
「ビデオニュース」というネットの報道番組の存在を知っていた。
「5金」っていって、第五金曜日のあるときは、
それが無料配信されるのだけど、
それなんかはけっこう見ていた。
でも、サブスクはしてなかった。
なにせ音声コンテンツは大量にあるので、
毎週聴くラジオだけで大変だ。
軽作業的な仕事しながら家で聴くのだけど、
けっこう時間的にはこれ以上増やすことができないほどになっていた。
しかし、YouTubeが収益化していない動画にまで広告をつけたことで、
いくつかラジオ代わりに聴いていたYouTube番組を見なくなったので、
あとひとつぐらい「ながら聞きコンテンツないかなー」と思っていた。
それなら、神保さんに課金しよう、
と思ってサブスクしてみた。
結果的に聴けなかったとしても、
神保さんを応援することになればそれでいい、と思って。
月額550円。
毎週1本以上の、
2時間以上ある動画がアップされる。
完全にハマった。
なんでもっと早くサブスクしなかったんだろう、
と悔やんだほどだ。
毎回各分野で何かしら本を書いているようなゲストが来る。
学者だったり、元官僚だったり、NPOの人だったり、
分野はいろいろなのだけど、
2時間「神保さん×宮台さん×専門家」の話しを聴くと、
新書を1冊読んだぐらいの情報量が得られる。
それが面白ければその人の書いた本を図書館で予約して読む。
このサイクルが最高に良くて、
僕の読書の質と幅がまたひとつ上がった感じ。
日本人は、そして特にこの30年の日本人は、
何に対してもお金を使わない、
財布のひもを締めすぎてもはや解除不能になった人であふれている。
とりわけソフトコンテンツにお金を使わない。
建物を建てるとか備品を買うとかには、
わりと簡単に散財するが、
授業を受けるとか個人指導サービスを利用するとか、
ソフトコンテンツを買うとかには、
これはもう売る人が徒労感を覚えるほどお金を使わない。
でも、
実は本当に有意義なお金の使い方はソフトのほうにある。
特に「脱物質化経済」といわれる、
後期近代の消費はそうなっている。
幸せをもたらしてくれるのはモノではなく「体験」だと、
世界は気づいているが日本は気づく人が少ない。
『DIE WITH ZERO』という本で、
ビル・パーキンスという人がこう言っている。
〈心理学の研究でも、
人はモノではなく経験に金を使う方が幸せになれることを示している。
モノは買った瞬間の喜びは大きいが、次第にその喜びは減っていく。
だが、経験から得る価値は時間の経過とともに高まっていく。
私はこれを、「記憶の配当」と呼んでいる。〉
、、、神保さんの番組を聴くことは、
僕にとって「経験への投資」であり、
記憶の配当・知識の配当となって、
僕に長らく恩恵をもたらしてくれる。
・布団
・聖書
・トレーニングギア
・ビデオニュース
お気づきだろうか。
実は全部「投資」なのだ。
・良質な睡眠
・霊的な滋養
・筋肉を貯める「貯筋」
・知識と気づき
といったこれらの効用は、
僕の血となり肉となり、
僕という畑が今後の人生で、
豊かな実を実らせるための「肥やし」になる。
消費・浪費・投資。
自分のお金の使い方が上記のいずれか、
僕はいつも考えるようになった。
そして「投資」だと判断すれば、
僕は思いきってお金を使う。
後で回収できるから。
「広義の投資」の概念を知ることは大切だ。
素人が(狭義の)投資に手を出して、
メガバンクや保険会社のカモにされるんだったら、
こっちの「お金の教養」のほうが絶対良いよ。
(『投資なんか、おやめなさい』萩原博子)
、、、といったいろんな知識を、
僕は有料音源や文章でも販売している。
note というプラットフォームで購入できる。
買って損はない。
どこに出しても恥ずかしくない宣伝だ。
臆面もない宣伝だ。
信じて欲しい。
宣伝だ。
▼note「陣内義塾」
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参考文献および資料
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・『DIE WITH ZERO』ビル・パーキンス
・『投資なんか、おやめなさい』荻原博子
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