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お笑い賞レースの「トップバッター」という呪い

 お笑い賞レースの「トップバッターの点数が低い問題」。
 【その後の審査の基準点】となるため、どんなにネタが面白くても点数が低くなりがちになる。
 で、全組が披露し終わった後に「トップバッターでなければ決勝ラウンドに進めたかもしれない」と、その不運を嘆く現象。
 これは人気の『M-1グランプリ』も含め、どの賞レースも未だ改善・解決が出来ないでいる。

 順番の重要性の話で言えば、昨年度の『THE W』でAマッソさんがプロジェクションマッピングを用いた「新しいお笑いの形」をやったが、あれはBブロックのトップという順番でなければ吉住さんに勝てた可能性もあったと個人的には思っている。
 (吉住以上か?以下か?というジャッジができたから)
 このように”ネタ順”というのは点数に大きく左右し、ましてやトップだとその意味合いがもっと増してしまう。

 そんなことをダラダラと考えていたら……ふと思いついた!

本番前に【エキシビション】を行えばいいんじゃない?

 決勝戦には参加出来ないけど、場を温める…というか「これが基準ですよ!」という空気を作る芸人さんがいたら、決勝戦のトップバッターは実質2組目なので、きちんとした点数が出せるのではないだろうか?

 そうすれば、審査員たちは今回の大会の「時代の空気」や「ウケる傾向」というのが分かりやすくなって、その後に出てくる本選出場者たちの審査がやりやすくなるのでは?

 ただ、今のところ考えられる「3つの問題点」があって。

「誰が出場権を獲得するのか?」
「決勝出場のコンビより点数が高かったら?」
「放送時間内に収まりきれるか?」

 出場権は…敗者復活で2位になった芸人さんが務めればいいのかな?
 もしくは敗者復活ラウンドに出場しているコンビの中から、審査員が「見たい!」という人を選んでもらうとか。

 点数問題は…決勝に出た芸人さんのプライドが傷つくし、なんなら「予選の審査員の見る目が無かった!」「公正に審査が行われているのか!?」というコンテストの品格を疑う意見が出てきてしまう。
 まぁ「トップバッター、低くなりがち」なのでそんなこともないと思うけど、懸念材料としては一応ある。

 放送時間は…テレビ局側が頑張るか、出場者の煽りVTRを短くするかして捻出する?
 今年の『R-1グランプリ』は2時間の放送枠であのようなキッツキツな進行になってしまった。
 『M-1グランプリ』は2時間半でちょうどいい感じではあるが…。
 3時間あれば確実にエキシビションは出来るとはいえ…そこまで放送時間を伸ばしても視聴率が取れるかどうかって話。

 一方で「クジ運を持っているかどうか?」…というのもブレイクする要因の1つなのかもしれないし、そのネタ順にもドラマは詰まっているとも考えられなくはないとも。
 でも、運とかドラマじゃなく、そもそも注目すべきはその賞レースでの優勝を狙って「お笑い芸人が1年かけて練り上げたネタ」なわけで…。
 視聴者としては純粋に笑いたいし、ちゃんとした評価が下されて欲しいよね。

 いつまで経っても改善しにくい「トップバッター」への重圧を開放するために、さらなる「トップバッター」を設ける案……わりと悪くないとは思ったんだけどなぁ。
 今年は混乱を極めたが、新生『R-1グランプリ』などで実験として採用してみてくれないかな?
 「ゴチャゴチャと外野に言われるのが面倒くさいし、コンテストを失敗させたくないから棚上げしておく」のではなく、誰かが何かのアクションを起こさないと、いつまで経っても芸人さんの悲劇は続くことになると思うんだけどね…。

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