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情シスの仕事は「総合格闘技」

こんにちは、DeepApex株式会社(ディープエイペックス)代表取締役の市川 駿です。

当社では情シスフォースという企業の情シスの支援をするサービスを提供しています。様々なクライアント企業を支援していますが、情シスの仕事というのは本当に総合格闘技のようなものだと感じています。この記事では情シスはなぜ総合格闘技のように例えるのか、また総合格闘技のように多種多様なことができないと務まらないからこそのやりがいについて記載していきます。

情シスに求められる多岐にわたるスキル

「総合格闘技」では、打撃(パンチ、キック)、投げ技、固技(抑込技、関節技、絞め技)などの攻撃法が認められており、ルールによる攻撃手段の制約を最大限排除したうえで技術を競い合うものです。そのため、「何でもありの格闘技」とも呼ばれます。情シスの仕事も同様に、一つの分野に特化するだけではなく、様々な技術と知識を統合して日々の業務に取り組む必要があります。ネットワークの管理、サーバーの保守、セキュリティの強化、ユーザーサポート、クラウドの導入、そしてソフトウェアのアップデートやライセンス管理など、情シスの業務範囲は非常に広いです。

特に昨今では、企業のITインフラがクラウドやモバイルデバイスを中心にシフトしているため、新しい技術に対する理解や適応力が求められます。一つの技術が急速に廃れることもある一方で、新しいツールやシステムが登場し、日々それに対応する能力が求められるのです。これにより、情シス担当者は幅広い知識と柔軟性を持つことが必要不可欠となります。

問題解決能力と即応力

情シスのもう一つの重要な要素は「問題解決能力」です。総合格闘技の試合が予測できない状況に対応する力を要求するように、情シスも常に予期せぬトラブルに対応しなければなりません。サーバーが突然ダウンする、重要なシステムが停止する、ネットワークにセキュリティの脆弱性が見つかるなど、トラブルは予告なしにやってきます。これに対して情シス担当者は、迅速に対応し、最小限の影響で業務を復旧させることが求められます。

特に、全社的なITインフラの管理を任される情シス担当者にとって、即応力は極めて重要です。トラブルの原因を素早く特定し、必要な手順を踏んで対策を実施し、その後の再発防止策を立てる。こうした対応の早さと正確さが、業務のスムーズな運営に直結するため、情シスの重要性が際立ちます。

コミュニケーション能力の必要性

技術的なスキルに加えて、情シスには優れたコミュニケーション能力も求められます。総合格闘技では、相手との距離感やタイミングが勝負を分ける重要な要素であるのと同じように、情シスも社内外の関係者との連携が重要です。多くの情シス担当者は、技術的な問題に精通している一方で、その内容を非技術的なユーザーにわかりやすく説明することが難しいと感じることがあります。しかし、社内の他の部門との連携やベンダーとの調整が円滑に行われなければ、プロジェクトの進行が滞ってしまいます。

例えば、クラウドシステムの導入を検討している場合、経営陣にはコスト削減や効率化の観点からメリットを伝える必要がありますし、エンドユーザーには新しいシステムの使い方や操作方法を分かりやすく説明し、サポートする必要があります。このように、技術的な言語をビジネスの言葉に翻訳する能力は、情シスにおいて非常に重要です。

日々進化する技術への対応

情シスにとってのもう一つの大きな挑戦は、日々進化する技術への対応です。技術の進化は目まぐるしく、数年前には考えられなかったような革新的なツールやサービスが次々と登場しています。例えば、AIや機械学習の活用、ゼロトラストセキュリティの導入、IoT(モノのインターネット)技術の普及など、これらの新しい技術がビジネスの現場に導入されることで、情シス担当者はそれに対応する新しいスキルセットを持つ必要が出てきます。

さらに、セキュリティリスクも日々進化しています。サイバー攻撃の手法は巧妙化し、ランサムウェアやフィッシング攻撃、DDoS攻撃など、企業が直面する脅威は多岐にわたります。こうしたリスクに対処するために、情シスは常に最新のセキュリティ技術や対策を学び、実践する必要があります。

仕事のやりがいとキャリアの成長

情シスの仕事は確かに総合格闘技のように多岐にわたるスキルと知識が求められ、時にはストレスが伴うこともあります。しかし、それゆえに大きなやりがいも感じられる職種です。問題を解決し、システムが正常に稼働した瞬間や、導入した新しい技術が業務の効率化に貢献したときの達成感は、他の職種では味わえないものです。また、急速に変化するIT業界の中で、自らのスキルを常にアップデートし続けることで、情シス担当者としてのキャリアは確実に成長していきます。

情シスとしてのキャリアは、専門的な技術スキルだけでなく、リーダーシップやプロジェクト管理能力、そして経営視点も養うことができます。技術の最前線で働くことで得られる知識と経験は、将来的にIT部門のマネージャーやCIO(最高情報責任者)への道を切り開く大きな強みとなります。

終わりに

情シスの仕事は総合格闘技のように、多彩なスキルと即応力が求められるチャレンジングな職種です。しかし、その多様な業務内容と技術の進化に対応する過程で、スキルアップを図りながらキャリアの成長を実感できる職種でもあります。情シスとしての仕事を楽しみつつ、日々の問題解決に取り組むことで、企業全体のITインフラを支える重要な存在として成長していけるのです。


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