【暇つぶしに書いた文章②】

これも昔、暇つぶしに書いた文章です。
多分SFです。

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徳川埋蔵金は、確かにありますよ。ただしそれは地球ではありません。地球ではないなら、どこにあるのだ?そう思われると思います。金星です。

そんな馬鹿な!江戸時代に金星までいける技術なんて無いだろ。なんて思いましたか?おっしゃる通りです。江戸時代に、そのような技術はありませんでした。というか最近までありませんでした。
埋蔵金は、今でこそ金星にありますが、実際金星に移ったのは最近のことです。それまでは梅ヶ島の奥に埋められていました。
梅ヶ島というのは安倍川の上流域にある集落の名前です。温泉があって落ち着いた良い所です。ただ、かなり山奥なので、あまり人は来ませんが。
梅ヶ島にはかつて金山があって、近代以前は金が豊富に採れていていたそうです。
そうそう「安倍川餅」はご存知ですよね?つきたての餅にきな粉と砂糖をまぶした和菓子ですけど、あのきな粉は梅ヶ島で採れる金に見立てたものなんだそうです。それを家康公がたいそう気に入って、「安倍川餅」と名付けたという話が残っています。

それで埋蔵金ですけど、その梅ヶ島金山の坑道の最奥に保管されていたんですよ。ただ、最近リニア中央新幹線の建設が始まったでしょう?建設の中心は奥大井の方ですけど、梅ヶ島にも工事車両が来るかもしれない。そうしたら埋蔵金が見つかってしまうかもしれない。そう思ったようです。
それで見つからないように金星へ飛ばしてしまおうという計画が出たんです。あ、でもこの金星に移す計画自体は昭和の時代からあるそうです。私はよく知りませんけど、実際準備は結構前から進めてたようですね。

金星への輸送方法ですか?普通にロケットですよ。そんなワープシステムなんてSFじゃあるまいし、出来るわけないじゃないですか。
ただロケットと言っても、NASAとかJAXAとかの力を借りたのではなくあくまで独自の技術と設備を使って飛ばしました。公的な機関を使うと色々バレてしまいますからね。
どこにそんな施設があるのか気になりますよね。でもこれも案外普通のところにあります。安倍川です。
ほら、昔、国道1号線沿いの北、川のほとりに青いロケットがあったでしょう?あれです。
実はあれ、今はもう無いんですけど、いつ無くなったか知ってますか?気づいたら無くなってませんでした?実は、あれ打ち上げられたんです。金星に向かって。だから気づいたら無くなってたわけです。

それで埋蔵金を金星移したというわけですけど、予算はどうなんだ?と思われるかもしれません。でも大したことありません。
埋蔵金全体からすれば、かかった出費は僅か5%でした。それに多少、資金運用をしてたので出費としては2%に止まりました。財団からすれば微々たるものでしょう。

ところで打ち上げは一回きりですから、実験も無しによくやるなと思ったりしませんか?でも、ちゃんと実験を重ねているんです。それも入念に毎年夏に何度もやってました。その様子をみなさんも見ているはずですよ?
ほら、安倍川花火大会です。あのスターマインの中で、どさくさに紛れて結構飛ばしてるんですよ。あの中でロケットの発射実験のデータを集めてたわけです。
ここ最近安倍川花火は中止が続いてるじゃないですか。もちろん災害の影響もありますけど、打ち上げに成功した今、もう実験する必要がないので、そこまでやる意味がなくなってしまったというのも理由のひとつだったりします。まぁでも花火は続けて欲しいですよね。

そんなわけで徳川埋蔵金は、金星にあります。気になるなら是非確認しに行ってみて下さい。

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