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僕たちのやっていること

最近同級生や先輩方から「俊伍って何やってるの???」「シェアハウス??」「民泊???」と言われることが多いので、初めてお会いした方にも僕がやっていること、僕たちが会社でやっていること、が分かるように、想いや事業をまとめました。

僕は石川県金沢市の出身で、2009年に豊田通商に入社、東京と豊田市で勤務し、主に車を作る機械や工場を売っていました。その後2014年4月から2年間名古屋の学校で私立高校の物理の教員をしていました。僕のキャリアの話は長くなるのでまた別の機会に書きます。

そして、2016年4月に教員を辞め、妻と共に故郷金沢にUターンすることを決意いたしました。

今やってることを端的に言うと、

金沢市内での「旅音」と「眠音」というブランド一棟貸切宿と、ゲストハウスと、ホテルの運営です。現在(2019年10月)金沢市内に20棟42部屋200名ほどが滞在できる規模です。

ただ、僕はなぜそれをやっているのか、何のためにやっているのか、どんな想いでやっているのか、がとっても大切だと思うんです。なんなら自分たちの職業は宿泊業ではない、と、思っているほどです。

僕たちの会社の目的(なぜするのか、なぜ存在するのか)は

~地域社会の持続的な発展に貢献する~

ビジョン(目的を具体的にイメージできる映像にしたもの)は

~百年後も家族で住みたい金沢を創る~

です。

その金沢への入り口として、「金沢を好きになってもらう!」「金沢ファンを世界中につくる」という目的で旅音という宿が存在します!

なので、宿の運営は手段です!目的は、より良い地域になったらいいな、ということ。


今日は、何故、その”宿”を始めたか、というストーリーをお話しします。

新幹線が“金沢”にもたらしたもの、“僕”にもたらしたもの

皆様もご存じのとおり、2015年3月に北陸新幹線が開通しました。

県民の期待を乗せた新幹線は、たくさんの観光客とその名の通り“輝き”を金沢にもたらしてくれました。

その当時、名古屋で暮らしていた僕らにもその知らせが届くほど地元金沢はかつてない賑わいぶりを見せ、僕自身、地元が注目を浴びて活気のある町になっていくのはとても誇らしく、素直に嬉しかったです。

しかしその反面、どうしても心に引っかかることがありました。

― 金沢の本当の良さはちゃんと伝わっているのだろうか?―

観光客の手に握りしめられたガイドブック。

金沢特集と銘打った旅行番組。

そのほとんどは有名観光地のみを取り上げたものばかりで、旅行者のほとんどはその王道コースを回るだけの旅行に満足して帰っていくようです。

まるで、金沢という土地を消費地にして、多くの人たちが張りぼての薄っぺらい観光地にお金を使いに来ているようでした。

ーこのままでは、金沢が消費し消耗する観光地になってしまうー

ーもっと人と人がつながり、50年後も100年後もたくさんの人たちでにぎわっている金沢にしたいー

そのために・・・

― まずは、金沢で生まれ育った僕だからこそ知っている“金沢の魅力”を伝えていこう ―

新幹線開通から1年。この想いで地元金沢に帰ってきました。

“日常”を観光してほしい街

先ほど“僕だから知っている金沢の魅力”と言いました。

それは一言で言うと《日常》です。

さらに言うと、そのむかし城下町として栄えた頃から「古きを温めて新しきを知る」という精神を体現してきた街、金沢の《文化度の高い日常》です。

例えば、金沢の人はよく日常的に自宅でお茶会を開きます。九谷焼や大樋焼などの茶器をはじめ、加賀友禅のお着物や金沢漆器など、金沢ではお茶に必要なあれこれの最高級品をそろえることが出来ます。

茶だけではなく、能や舞を習う人も多いこの街には、現代においても古くから続く文化が人々の生活の中に息づいているのです。

また金沢は、古の時代から戦争をすることを避けてきた平和の町でもあります。450年以上戦火に焼かれることのなかったこの街では、現代でもなお、昔ながらの街並みや古い建物をあちらこちらで目にすることが出来ます。

さらに金沢は、加賀百万石から続く古い文化を受け継ぐだけでなく、新しい文化を作ることにも目を向けてきた街でもあり、新旧それぞれの文化を尊重しながら調和のとれた景観と生活が営まれている数少ない街なのです。

旅行や観光と言うと、お寺をはじめとする建造物や食べもの、自然といった、その土地の文化や歴史に触れに行くことが多いと思います。これが金沢の場合、“日常に触れる”ということが、最も金沢の文化や歴史に触れることのできる体験だと僕は思っています。

だからこそ僕は、この“金沢の日常”を旅行者のみなさんに味わってほしいのです。


金沢の日常を体験できる宿を作りたい!

金沢の日常に触れると言っても、旅行者にとって、知らない街の日常に触れることは中々出来ることではありません。だから僕は、旅行者が金沢の日常を体験できる宿を作ります!

この宿では、金沢の日常が営まれます。

まちの市場や近所の八百屋で調達した野菜やお魚、行商する豆腐屋から買ったお豆腐が食卓に上ったり、

地元の人が通う小さな古い銭湯で汗を流したり、

地元の人たちが集まる居酒屋をはしごしたり、

用水が引かれた風情ある街中を散歩したり。

一見は日本中どこにでもある光景のようですが、この宿で体験する日常の中で、観光マップだけでは伝わらない金沢の魅力をその随所で感じていただけると思います。

そして1人でも多くのお客様に、

――――1度きりではなく、何度も金沢に足を運んでくれる

――――「旅行行くなら金沢がいいよ!」って誰かにオススメしてくれる

――――「金沢のここが素敵なの!」って魅力を伝えてくれる

そんな“金沢のファン”となってお帰りいただけるように、精一杯日常を営んでいきたいと思います。


よく言われがちですが、金沢は“小京都”でもなければ、“古都”でもありません。ここは先人たちが築いてきた歴史と、それを受け継ぐ現代人の歴史が日常の中で融合し共存する他のどんな場所でもない“金沢”という個性を持った街なのです。

僕は、将来の子どもたちがこの街に生まれ育ったことを、いつまでも誇りに思える素敵な街にしていきたいと思っています。
そのためにも

―出来ることなら僕らだけではなく、たくさんの人たちと一緒に、素敵な金沢を作り上げていきたいー

そんな風に思っています。 一緒に金沢の日常を楽しみましょう!

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