
人間の片付け
眠ってしまったのだろうか
教室には私1人、外は薄暗いオレンジ色に染まっている
まだうつらうつらとしていると、グラウンドの方から
不気味なオルゴールの音が聞こえてきた
私は窓から顔を出して、グラウンドを見下ろす
見覚えのある教師が1人、
何か大きなものを抱えて歩いている
その大きなものは、この学校の生徒だった
グラウンドを見渡すと、まだ何人か生徒が残っている
おかしいのは、
皆時間が止まったかの様に固まって動かない事
私は次第に、
この異様な光景から目が離せなくなってしまった
この時感じた不気味な感情をどう表せば良いのか
すると私は遂に教師と目が合ってしまった
その瞬間、何故か後悔の念が込み上げてきた
教師は私の目を、
瞬きすることも無くじっと見つめながら
「まだ片付けないとね」
と言って、気味の悪い笑みを浮かべながら、
グラウンドの隅にある倉庫へと向かって行った
同級生達は人間では無く、ただの人形だったのか?
あの時私の目を覚ました不安定なオルゴールの音は、
10年以上経った今でも、頭の中から離れない
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