黒猫様のお楽しみ vol.11 写真増量編
〈猫ベッドあれこれ〉
最初に買ったベッドは、何だったかな。やってきたのは夏場だったから、特に用意していなくて、アマゾンの箱だったかな。
その代わり、ひんやりマットを買ったんだった。猫用サイズ。足跡の絵がついてて、かわいいやつ。
うん、小さいよね。猫用サイズは、君には小さいよね。まだその頃は学習できてなかったよ。人がね。
そう寒くならないうちは、ひんやりしない普通のマット(本来の用途は何だったかな、人間用だった気がする)をご用意。
少し涼しくなってきた頃、初めての猫用のベッドを。……うん、これもちょっと小さかったね。でも丸まったらちょうどいいかな。
寒くなってきた頃、ネットで見かけたマカロンベッド。ちょうかわいいじゃん。即購入。さあ、潜るタイプのベッドに入ってくれるかな?
フラットはちょっと顔を突っ込み、ふいっと余所を向いた。お気に召さないですか?……いや、違う。小さいんだね……。
そろそろ、人も少し、学習しましたよ。
マカロンベッドはLサイズ(正確には「ニャンともおおきなマカロン」)を買い直し(ノーマルサイズは姉の家の猫様に寄付)、さて、入ってくれるかな、どうかな……。
顔を突っ込み、しばし内部を確認するようにしてから、フラットさん、ぬるっと入ってくれました。
この入り方、「ぬるっと」と言うのがあまりにも適切なんですよね。何と言うか、「ながもの」めいている。見るたびに、ふふっと笑ってしまうのをこらえたものでした。
それからも、ネットで見かけたIKEAの人形用ベッド、
ニトリの食パンクッション、
フェリシモのタルトベッドなど、
「かわいい! これで眠るフラットを見たい!」と思ったときには購入しているという感じでした。ペット用ホットカーペットも(サイズを間違えて)ふたつあるし、我慢できずに買った猫タワーもあるね。
段ボールの猫缶はもらいもので、小さくて入らないかと思ったけど何度かは入ってくれた。
ニャンフェスで買った唐草座布団は、敷いた途端、「これ、猫のですよね!?」とばかりに飛び乗ったっけ。
はてさて、彼の寝床はいったいいくつになったのやら……。
寝てくれたのも見向きもしなかったのもあるけれど、後悔は全くありません。なおマカロンは、へたってしまったから数年後に買い直しもしました。
〈夜中に目覚めて〉
あれはフラットがやってきて、まだ一年も経っていない頃だったろうか。
寝るときはいつも「おやすみ」とフラットに声をかけて寝室に行っていたが、あるとき、あまりに熟睡していたからそのまま電気を消してベッドに行った。
すると、深夜である。
どうにも不安げな「にゃー……?」という声でふと目を覚ました私は、はっと気づいた。
「大丈夫だよー、ここにいるよー」
寝室から声をかけると、「にゃー!」と、まるで「よかったー! いないかと思って、寂しかったんだー!」と言わんばかりの嬉しそうな声と駆けてくる足音が!
最初から甘えんぼではあったけど、そんな顕著な甘え方は初めてだったものだから、私はベッドの中で身悶えしつつ、やってきたフラットさんを迎えたのです。
あー、何て幸せなんだ!
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