見出し画像

閑話 QUELLの水のイメージ

閑話

 さて、QUELLといえば水がモチーフです。名前の由来はドイツ語の泉、水源という意味の単語で柊羽の名字から決まったそうです。

 さてここで、たくさんの水といえば海が思い浮かぶ方も多いかと思います。QUELLの楽曲のなかでも、「Seafloor」「NEMOPHILA」と海が出てきますから親和性は高いですね。


 しかし、じゃあQUELLといえば海だよねといえるかといえばなんとなくしっくりきません。

 そこで比較したいのがツキプロの海といえばこの男文月海です。白き魔王様の参謀で、海のように懐の深い男です。

 彼のイメージの通り、海は全てを受容する、多様な生き物が住み、全ての水が最後に流れ着く場所です。

 一方QUELLの水は山奥の湧き水、泉を思わせると私は思います。

海から蒸発して雲になり、

雨となって大地に降り注ぎ、

大地に浸透して濾過された水が沸き水になる

 QUELLらしいなあと思います。

 大雨が降って、は比喩ですが柊羽の過去や双子の拾われるまでの境遇は苦しいものだったと思います。その中で何を思い、感じているかは他人が決めつけることではないので言及しません。しかしたのしかったということはないでしょう。

 それでもいつか雨は過ぎ去る。晴れ間が覗くときが来ると信じて歩き続ける4人本当に尊いです。

 また由来の話に戻りますが、QUELLは柊羽の名前からきています。つまり柊羽そのものといっても過言ではないのです。

 ここで、私の印象に残っているエピソードをひとつ。スケステep.7斬心で、前線で戦う志季さんの元へ向かう輸送機の中でなぜ助けにいくのか問われるシーンがあります。SolidSは仲間だから、柊羽は昔から付き合いもあるので理由ははっきりしています。対して英知、壱星、壱流の理由は弱いです。双子の役は前線のある研究所に両親が務めていて土地勘も情報も持っています。確かにそれも理由の一つではあるけれどそうじゃないんです。

『柊羽が行くから。』

 たったそれだけなんです。他の言葉は本当ならいらなかった。

 でも舞台上の限られた時間の中でただ同じセリフを言っても人によっては自分の選択を柊羽に丸投げしているようになってしまいます。

 QUELLは一心同体で柊羽の一部でもある。闇雲に柊羽にならうのではなく、柊羽の内面を読み取った上で自分で選んだ最善が柊羽と一緒に危険な前線へ行くだったのです。

 あの時SolidSと柊羽は志季のために前線に行きました。しかし英知、壱星、壱流は志季を心配する柊羽のために前線にいきました。命を懸ける相手が違うのです。

 と、まあ脱線しましたが要は異世界に行ってもQUELLの絆は変わらないよねってことを言いたいのです。


QUELL=蒼い水 (創作)

 あーー、ここからは創作です。読みたくない方はスルーしてください。

以下pixivに掲載している「胸の痛みを蒼い水へとかえて」


柊羽さんって、実は(?)すごく芯が強い人なのではないでしょうか。歌詞も前向きにする自己啓発的なものが多いように思います。志季さんに置いていかれてすっっごいでかい心の穴が空いたとは思うんですけど、それを抱えて、力にして追い付こう、生き抜いてやるみたいな泥臭い、人間くさい所がかっこいいです。多分、心の奥底から出た言葉だけだと恨み言になりそうだから、あえてなりたい理想の姿、考えを歌にして奮い起たせてるところもあるのかなと。柊羽自身の祈りでもあるかもしれませんね。


最善がおりなくても 書き出して暮れの果てまで

人生彩る花咲かせよう 君と僕の庭


 志季さんという道標を失って、信じていた永遠が失われて、何をしてもいつか終わる。永遠なんてない。永遠が最善ではないのならなにを目指せばいいのか。

 とにかく歌を書き出して、夜が明けるまでもがいて。

 いつか音楽という広大な庭で、志季さんと、柊羽とそれぞれがクベル、ソリッズという花を咲かせられたらいいな。



 キャプションでしゃべりすぎましたね。本編に迫る勢いです。本編は実際に私がなるほど、と腑に落ちた体験を英知に代役してもらってます。

 数多の解釈のひとつに過ぎませんが、こういう考えもあるのねと思っていただければと思います。



ーーー




「ただいまー」

「おかえり、英知。朝ランか?」

「うん、いやーいっちーに腹筋で負けちゃったでしょう?俺もちょっとは頑張らないとなあと思ってね。」

 お疲れ様とスポドリを渡されごくごくと飲み干した。

「あっ、そうそう。ロビーで大くんとあってね。そのまま一緒にランニングしたんだ。」

「それは、大分ペースが速かったんじゃないか?」

「そうなんだよ!いい運動になりました。汗だくだくー。シャワー浴びてくるね。」


 戻ってきた英知は、食後のコーヒーを飲みながらにこにこと柊羽に話し始めた。

「ふふ、実は朝のランニング中にいいことがあったんだ。」

「いいこと?」

 もったいをつけるようにゆっくりと英知は頷いた。

「ロビーから出たときにね朝日が眩しくて、そのキラキラがライブのトリで蒼い水をやってるときみたいだったんだ。昨日の夜に雨が降っていたから空気が澄んでてね、光がすっごくやわらかくて。」

「走ってるとビルとかで太陽は見えないんだけど、大きい水溜まりがいくつもあってそこに空が反射してるんだ。青空が映って蒼い水になってたんだよ。俺思わず大くんに見つけた!って言っちゃったんだあ。」

「もちろん、楽曲は何度もきいてるよ。自分でも歌うから理解はしてるつもりなんだけど、こう腑に落ちたというか。」


「蒼い水=クベル、なんだけど、水とか蒼とか単にモチーフとしてじゃなくて。大きい水溜まりがあるってことはそれだけ大雨が降ったってこと。でも、大雨じゃないと空が映るくらいに大きくはならない。下を向いて歩いてるから蒼い水たまりに気づける。そうしたら顔を見上げて青空に気づける。」


「辛いこと、自分ではどうにもできないことってあるよね。それは、俺たち自身もそうだし、きっとQUELLの歌をきいてくれてる人にもあると思う。そうしてうつむいてるときに雨があがったって気づいてもらえるような。あの雨があったからこんなにも綺麗な景色が待ってたんだよって。そう思ってもらえるQUELLになれるといいな。」



ーーー


支部じゃないとこにあげるのめっちゃ恥ずかしい。畑が違いすぎる。ほんとにすみません。でも、言いたいこと形になってるのはこいつなんです。

 閑話なんですから脈絡がなくたっていいですよね。これくらいにします。それではまた。


いいなと思ったら応援しよう!