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J3 第17節 レビュー【鹿児島ユナイテッドFC vs SC相模原】「ツキ」を持ってくる可能性は上げなくちゃいけません。
2022.7.10 J3 第17節
鹿児島ユナイテッドFC vs SC相模原
こんにちは。
今回もご覧いただき、ありがとうございます。
早速見ていきましょう。
宜しくお願いします。
スターティングメンバー
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82930484/picture_pc_4fe536b9a99f6bcd3684b0c821001a99.png?width=1200)
雑感
守り固めて相模原
水本が帰ってきた相模原。
守備強度が確実に高くなっていました。
プレッシングでは陣形が4-4-2、コンパクトで全体的に高くラインを設定してきました。
そこから押し込まれると、ペナ内にDF4枚とDH2枚+αと人海戦術でゴール前にバスを停めます。
これには苦労しましたね。
戦術とかじゃなく、どれだけ体を張れるか・強い気持ちを持てるかというところに集約されていたと思います。
相模原の試合後コメントを見ても、ほとんどがそういった部分に言及しているので、本当大事です。強い気持ち。
(14番安藤・試合後コメント)
--無失点で守り抜けたことも大きかったのでは?
一つの歯車が噛み合えばいい方向に持っていけると監督も言っていて、今日は最後の部分でみんな体を張ってプレーできたことが大きいと思っています。前節もそうですけど、一つのミスでやられてしまう試合がここまで多かったですが、今日は集中力切らさずチーム全体で戦えたことが良かったと思います。
--今日はいつもと違うなと感じる部分はどんなところにありましたか?
正直、どの試合も「今日はいけるな」というゲームばかりでしたけど、最後の部分であと一歩体を動かしてブロックするだったり、もう一つ戻るだったり、そういった小さな積み重ねが今日はハマったゲームだったと思います。これを継続していく必要があると思っているので、今日だけで終わらせず、ここから一つずつ上に行くために、そういう小さな部分をもっともっと突き詰めてやっていきたいと思っています。
(4番水本・試合後コメント)
--危ない場面もありながら最終的に1-0で勝つことができた要因をどこに感じていますか?
前半からそうですけど、やはり全員が体を張って、ハードワークできたことが一番の要因だと思います。得点に関しては、(安藤)翼が淳吾さんからのパスを上手く決めてくれたので、そこからは僕たちディフェンスがしっかりとゼロに抑えることができれば勝ち点3を得ることができます。ゴールが決まってからは、みんながより声を出して集中して守れたと思っています。
一方で、それくらいゴールを固めるので、ポジトラでは陣地回復が難しく、前線にロングボールを送る機会が多かったので鹿児島としても回収出来るシーンが頻発していました。
が、薩川監督のコメントでは押し込まれるのは想定内・カウンターで1発仕留めようというのはゲームプラン通りだったとのことなので、「ボールを持って支配」は出来ないことを許容した上でしょうね。ゴリゴリ系選手も多いので、ロングスロー含めセットプレーも重視していたように思います。
(薩川監督・試合後コメント)
試合内容としては、鹿児島優勢で試合が進んでいくというのは想定内の中、クロスの対応を準備してきて、そこが守備の水本を中心にしっかりと跳ね返してくれたというのが今日の勝機に繋がったんじゃないかと思います。
攻撃の部分で言うと、鹿児島さんが人数をかけて攻めてきたことによって、人数が少ない時にうちが仕留めようという話でした。チャンスはあの(得点に繋がった)一本しかなかったかもしれませんけど、それをしっかりと沈められたというのはこちらのゲームプラン通りでした。劣勢の中、首位のチームから勝ち点3を取れたことは、うちが浮上する一つのきっかけになるんじゃないかと思います。
また繋いで前進する場面があっても「上手ではないな」というのが率直な感想ですが、SBが幅を取って・SHが中間ポジションに入って・ビルドアップの出口になるべくサポートに行く選手もいて、、とやるべきことはやっていたので油断は出来ない状況でした。
実際に崩しの局面では、ハーフスペースに陣取り→裏抜けできるSHや最前線で待ち構えるFWもいて、大外のSBからの展開から何回か決定機を作られました。また、ビルドアップも19分など綺麗に誘導されたシーンもあったのでヒヤッとする場面も多かったですね。
ビルドアップの変化
水本も帰ってきて勢いを増す相模原の一方、鹿児島は厳しい台所事情です。CB砂森が爆誕、DHにも久しぶりに寛也が戻ってきました。
砂森。久しぶりのリーグ戦で、不慣れなポジションの中、よくこなしてくれたと思います。CBの位置での保持はやっぱり不慣れなのかな〜という場面もありましたが、楔の差し込み・裏のスペースを見逃さない戦術眼は健在でした。流石です。
そして、今節の収穫は寛也ですね。
良くも悪くもイケイケ前向けドンドンだった寛也が、アンカー役で1stラインを引きつけて…スペースを作って…とプレーする姿は感慨深かったです。
またどちらかと言うと、中原タスクを背負っていました。ロメロが落ちてきたらIHの位置に上がってバランスを見たり、ポケットが生まれたら自ら走り込んだり、というプレーもありましたね。
とはいえ、中原とも違う選手なので、ビルドアップのやり方は普段の形から変えていたと思います。
まずDH2人はどちらかが、すんなりCB間に落ちて3-1でビルドアップします。あくまで、この役目のメインは木村でした。
すんなり落ちた理由は、砂森が不慣れな中ビルドアップのフォロー・ネガトラ対策だったのか、寛也と組む上での折衝点だったのか明確には分かりませんが、普段は中々無いなやり方でした。
その他の選手は普段と大きく変わらずだったので、3-2-5・3-3-4(3-1+一方・両方SBが下がってフォロー)〜場合によっては4-0-6様の陣形での保持となりました。
前半は相模原が前から来てくれたので、SBがインナーに入って相模原SHを中央にピン留めして、大外迂回→WGやトップ下とのコンビネーションで崩す場面を多く作れました。
特に41分の崩しは何度でも見たいです。
今節は星が、守備でもオーバーラップでもビルドアップでも輝いてました。
41:20
— shun【福島戦レビュー書いた】 (@shun_kunited) July 18, 2022
前半で一番好きな崩し。サリーから広瀬で左SB引き出し。星のDH化が効いてる。大外展開→相模原ブロックを動かしたところで、星もロメロも相模原DHをピン留めしつつ寛也へ。大外走ってた薩川までスムーズに届けてたら完璧に崩せたと思う。
が、なかなかゴールは割れません。
結果的にも、これらのチャンスが一つ決まってれば…という試合になってしまいました。
実際問題、どうする?
後半から相模原はブロック形成をさらに強めます。
ミドルプレスで、1stラインはハーフラインを越えるか越えないか…くらいで構えます。
これにより、前半ほどの大きな決定機は作りにくくなっていきます。バス停め傾向が強まったので、大外迂回からクロスという場面が多くなりました。
そんな中で、鹿児島としては人数を掛けて攻められるので、上記の薩川監督のカウンター狙いが発動しやすくなる→相模原はSBまで上がって人数を掛けてカウンターする、の繰り返しが発生した結果、オープンになる時間帯が生まれました。
その時間帯です。
盤面がスクランブルになり、木村も寛也も中央を空けたタイミングを見逃さなかった10番藤本が繋いで、14番安藤にゴールを許します。
失点してしまったものの、鹿児島は同様にチャンスを作ります。
大外からのクロスやギャップに差し込み・カウンターなどで攻め込みますが、得点は奪えません。
この時間帯、楔差し込み・抜け出し→速いクロス、でのチャンスを作り続けたのは良い部分でした。高さで分があるとは言えないので、あぁいうクロスを押し込む流れは正攻法だと思います。あとはカウンターで攻め切れればベストでしたが、判断面や実行の部分で遅れが生じ、ゴールに結びつきませんでした。
(大嶽監督・試合後コメント)
ーーいつもと違うシステムでのプレーについて
相手のブロックのところで数的優位を作ってはがしていくことをトレーニングの中でできたので、それは今日の試合でもできて、ビルドアップから侵入できた部分はありました。
ただ最後のアタッキングサードからスピードアップしたいところで、少しテンポが遅れた分だけ、ゴール前を固められてしまったので、中にボールを入れるのは難しく、手こずり、フィニッシュに行けませんでした。
そこは量と質が足りませんでした。
そして、84分。
圓道の投入をきっかけに、ベースを4-▽-3に移行。
相模原も5バックを敷き、逃げ切りモードに入りました。
尤もこの4-▽-3のは、①ビルドアップでの前後の分断を生んだ②ボールサイドに選手過多になった点で、あまり上手く行きませんでした。
普段も中原がIH化する4-▽-3様の陣形で保持していますが、ロメロの判断でポジションを流動化している所以もあり、元よりIHが配置されているとやりにくそうな気配を感じます。
ロメロ自体は、上記の「①ビルドアップでの前後の分断を生んだ」時に、気を利かせて下がってリンクしに来てくれたりと王様ポジションであることに恥じないプレーを見せてくれています。
が、こういう緊急事態ではコンビネーションという意味で難しくなります。サッカーは難しいです。
あとはこういう相手との試合なら、圓道を山本・牛之濱投入のタイミングで入れておけば、何かを起こす時間もあったのでは?とも思いますが、たられば論。
一点が遠く、試合終了を迎えたわけですが
この試合では、ざっくり
①大外迂回→コンビネーション
②大外からのクロス
③楔からポケットを突いて速いクロス
④カウンター
と4種類からチャンスを作りましたが、これ以上のパターンとなると、現実問題どうしましょう。
戦術を増やす・高めるのも一手ですが、それだけではどうしようもない部分もあり、CBもいよいよ足りなくなった今、レンタルバック含め補強が必要だと思いますが、クラブはどう動くでしょうか。
あとがき
とはいえ、ボタンの掛け違い・一つ噛み合えば、というゲームだったとは思います。いくつものチャンスの中島で一つが決まっていれば、どこかで失点を防げていれば全く違ったゲームになったはずです。
(砂森・試合後コメント)
ーー勝敗を分けたポイントについて
相手を最後のところで崩して決めきれるかどうかというところがあると思います。
また相手には隙がなく、自分たちは最後隙を与えてやられているので、そういう隙を見せないチーム作りというのを見つめ直したいです。
失点は自分のミスなので、戦術というより個人として反省して次週に活かしたいです
ただ、それを噛み合わせる・自分達に「ツキ」を持ってくる可能性は上げなくちゃいけません。
その解決法が戦術の洗練なのか、控え組の台頭・オプションなのか、外部のリソースなのかは分かりませんが、ここで一つ抜けなきゃいけないのは変わらずですね。
プチ中断まで残り2戦、少しでも多く好材料を見つける試合にしたいです。勿論、白星も上げつつ!
それでは今回はこの辺にします。
次回も宜しくお願いします。