J3 第15節 レビュー【ギラヴァンツ北九州 vs 鹿児島ユナイテッドFC】もう1つ突き抜ける夏になってほしいですね。
2022.7.2 J3 第15節
ギラヴァンツ北九州 vs 鹿児島ユナイテッドFC
こんにちは。
今回もご覧いただき、ありがとうございます。
今節は北九州戦です。
スペースワールドです。
7月は難所続きです。
見ていきましょう。
スターティングメンバー
雑感
閉じ込める北九州
北九州は開始直後からかなり飛ばしてました。前プレは結構厳しく来てましたね。
早く先制して、追加点も挙げて、勝ち切りたかったみたいです。
守備については鹿児島SBにボールが入るのがスイッチでした。北九州SHの後ろを振り返って、後続を確認しながら中切りする様はゾーンに忠実です。
さらに、鹿児島DHは13番前川とボールサイドと逆のSHが監視します。これにより鹿児島はSBからDH経由など中に差し込むプレーが難しくなり、縦に付ける→狙っている北九州にカットされるというパターンが多かったです。
サイドに追い込んで、潰し切る・展開させない強い気持ちを感じる配置・強度の高さでしたが、WGとSBが絡む鹿児島のサイド攻撃を阻もうとする展開は、練習通りだったようです。
そんなこんなで、序盤は強制的に縦にパスを送らされる展開になり、普段のやり方は上手く封じ込められていました。
早く運んだ分、早く帰ってくる
それでもチャンスはありました。
北九州はたぶん愛媛より繋げるチームなんですが、適度に相手に隙を与える程度には粗もありますし、愛媛ほど割り切ってもないので危うさが見え隠れします。
おかげで前プレからパスミスをカット、ショートカウンターに移行出来た場面は前半いくつかありましたね。ここで1つ取り切りたかったです。
とはいえ北九州、一度ビルドアップを完了してしまえば、崩しのフェイズは上手くやってきます。
基本的にはDHの8番六平、SHから中に入る29番藤川がトップ下の位置に入っていました。右サイドの幅はSBが担保しますが、左は7番佐藤が幅取り役になることが多かったです。
基本はこのようなフォーメーションですが、機を見てサイドのチェーンを構築する選手が前線に参加し、スムーズに内外の関係を駆使することで鹿児島SBを動かし、ゴール前まで崩してきました。この辺のユニットの優位は高かったように見えました。
鹿児島としては、そんな縦に速く、展開を速める北九州に付き合い過ぎた部分があります。ちょっとボールの動きに選手が追いつかない場面が多々でした。
それと前半14分。白坂のライナー性のキックが引っかかり、ショートカウンターを食らってしまった場面。
ミスではあるでしょうが、何回も北九州の縦への意識を見せつけられていた中で、最終ラインが晒されることになるミス・そもそもの判断は危ういものでした。
それを伏線として失点シーン。
ここも白坂のキックを跳ね返されたところからショートカウンターが始まります。
流石に14分のシーンと比べると、カウンターになったのは事故な感じもしますが、ロングボールを蹴るにしてもCBに跳ね返されてカウンター→失点は、ちとお粗末です。
今節は北九州がGKまでプレスに来ていたこともあり、白坂のボール保持問題が再燃した試合でした。が、ロングボールの送り先はサイドに設定するなど、チームとしての工夫も必要だと思います。特に虎視眈々とカウンターの機会を窺っているチーム相手には。
疲れとトランジション
そんなイケイケな北九州でしたが、彼らの懸念はスタミナがどこまで持つか?だったと思います。
僕観測によると、35分頃に兆候が現れ始めます。サイドに閉じ込めようと強度高く守る北九州の網を掻い潜り、逆サイドに振れるようになってきます。
恐らくこの辺でガタは来ていたので、前半終了間際に失点したものの後半は優位に進められる見立てもありました。有田はHTを好機とまで捉えていたようです。
その後半。
北九州の前プレ隊4人(FW・SH)はなお果敢にプレスを仕掛けます。8番六平も落ちる中原には割と積極的に付いてきていました。
そのような構図だったので、4-2-4様でのプレスとなります。この4-2-4相手に一つ、完璧に崩せた!という場面を作りたかったです。
今節は、前半終盤から木村が明確に列を落ちるようになっていました。これにより、①アンカー監視役の13番前川の居場所が無くなり浮いてしまう=CBや木村に余裕が生まれる②13番前川が浮くor最前線まで出るにしても北九州SHはCBまで追うので、SBが「2」周辺でポジショニングを取れる、といったことが頻発しています。
SBのみならずトップ下なども「2」周辺には待っているので、あとはボールを付けるだけというところでしたが、やっぱりGKやCBのビルドアップ問題が目に付きました。成長しどころですね、プレッシャー下での技術。
と。言っても北九州はそもそもの強度が落ちており、トランジション等で優位を取れることも多くなってきます。
特に北九州はCBが釣り出されやすい傾向があり、空いたスペースをシンプルに狙う!を発揮しやすい環境になっていました。48分の米澤決定機のような。
逆に、釣り出せなかった時は自分で打って怖がらしたったらええねん!と積極的にミドルを放った山本も良かったです。脈略としてはシンプルですが、あんなん出来たんやね、凄い。
で、1点目はトランジションを差し切りました。得意パターンで取り切れたのは一つ良かったです。
2点目も練習通りとのことですが、それでも決め切るのは流石有田さんでした。
あとがき
4分で追いつき、追い越し、手に入れた勝ち点3でした。
もう7月はなんでも良いからもぎ取ってくれ!って気持ちなんですが、強みと練習通りを発揮して逆転出来てホクホクです。
あとは付き纏うビルドアップ問題とクリーンシートが減ってきたところが課題ですかね。
ただビルドアップは一朝一夕にはどうにも…と言うところですし、シーズンが進むにつれ守備陣も入れ替わりがあったり疲れも溜まる一方です。
そうなると今優勝争いが出来ているスカッドの出来ること/出来ないことを鑑みても、多少カオスだろうが強度と運動量に振り切った秋田などの戦略・戦術面は正しいな、と思ってしまいます。
いずれにせよ、策か武器を増やすか兵站で解決するか…もう1つ突き抜ける夏になってほしいですね。
それでは、また次節。
よろしくお願いします。