J3 第34節 プレビュー 【鹿児島ユナイテッドFC vs ブラウブリッツ秋田】秋田の観察日記
2020.12.20 J3 第34節 プレビュー
鹿児島ユナイテッドFC vs ブラウブリッツ秋田
皆さんお世話になっております。
最終節のプレビューです。
この文章は11月17日、アウェイで沼津に屈した試合のレビューを上げた直後につらつらと書いております。
ですので、このプレビューが世に出る最終節前に鹿児島と秋田がどういう状況に立っているのか分からない、さらにはこのプレビューをどう着地していいか分からない状態で見切り発車しています。
目の前の試合も大事です。
そちらもプレビュー/レビューを繰り返して行きたいですが、フォーカスするのは11月17日曜日現在、無敗の秋田。
圧倒的なのにも関わらず、あまりよく理解出来ていないチームです。好奇心。解き明かしたい。なにより黒星を付けたい。
そして、ただでさえホームで迎える最終節。
勝利で今シーズンを締めくくりたいことに間違いないはずです。
そこでここ最近やこれからの試合について、秋田の動向を捉えるために邁進しようと心に決めました。
いつものようにレビュー主体の私見を並べますが、その時々の考え・着想・心情などなどを織り交ぜながら観察日記スタイルでお送りしようと思います。
ですので、章頭の日付は文章を拵えた日になります。
また恐らくですが、大枠は前回対戦時のプレビューと変わらないと思いますので、合わせてご確認いただきたいです。
それでは、しばしお付き合いください。
[2020.12.15追記]
本記事、長めの文章量です。
悠長に読んでる時間無いよ!という方は、「【本章Ⅰ】秋田の設計考察」からご覧ください。
(でも!出来れば!全部お読みいただきたいです。)
11月17日(火)【第27節】vs 岐阜 1-0
直近の岐阜戦から振り返ることにしたのは、序文を書いた11.17の深夜。日付としては18日になりました。
18時間程したら新たなゲームが始まることに危機感を抱きつつ、観察を始めました。
まずは、秋田のスタメンをどうぞ。
前回対戦時と比べると、6番輪笠・8番茂・9番中村がスタメンに名を連ねています。
怪我だった中村、ベンチ外だったもののローテーションには入っていた茂の記憶はありますが、輪笠は初めて見ました。
試合を見た限り、攻撃参加はサイドですが、守備は中央レーン〜ハーフスペースで予防的ポジションを取る輪笠。インテリジェンスが高い選手です。
対する岐阜も4-4-2を採用しており、ミラーゲームになった試合です。
強靭な2トップ
9番中村、26番田中の2人が先発だったFW。
CB→FWへのロングボールが跳ね返ったところを回収するのが秋田の主なパターンですが、この2人のFWになり、さらにロングボールを蹴りやすくなっている印象です。
特に中村は、競らせても良し・収めさせても良し・走らせても良し・打たせても良し。なるほど、チームの中心となっている訳です。
前回対戦には欠いていたこの脅威。
どう対応していくか考えなければいけません。
変化をつけるセットプレー
元よりロングスローやゾーン2からのFKでもロングボールを放り、得点に繋げるのは秋田の強みでしたが、この試合では最初にパスを選択し目線を変えてから放り込むようになっていました。
恐らく、シンプルに放るのでは対応されてきたことで、アクセントを付けて相手DFを動揺させたいのでしょう。
もっとも、この試合の決勝点はゾーン3のFKから。
ゴリゴリの肉弾戦は変わらず注意したいです。
裏返したいDH
岐阜の狙いが奏功した場面もありました。
30:50〜のシーンを抜粋します。
場面はスローイン。
岐阜DH大西が前線に上がることで、秋田15番江口が付いていき、秋田24番山田がDFラインに吸収されていることにより、秋田両DHが最終ラインに位置。バイタルがすっぽり空きます。
そこを活用し、クロスをバイタルエリアに落としてシュートに持ち込みました。
どうしても、CBは質が高いので先に決めてしまおうというチャンスの作り方でした。
対戦時もなんとかDHをサイドや後方に誘導し、バイタルを空ける狙いは有効になりそうです。
レイオフ→3人目の有効性
続いて、58:30〜のシーンに注目します。
マンマークで人への意識が強く、すぐにボールホルダーを囲むことでボール奪取する秋田。よって、レイオフからの展開は有効になりそうだと前回対戦時のプレビューでも触れました。
やはりこの傾向は間違いないようです。
秋田のシュートの跳ね返りを回収した岐阜の2番橋本。
2ndボール回収しようとした秋田5番千田が前線まで出てくるも、回収しきれない珍しいシーンでもありました。
橋本は降りてきた9番高崎に預けますが、ここで秋田DFは3人密集します。
しかし、すぐにレイオフした高崎。
落としたボールはすぐさま前線の10番川西にキックされます。
そしてそこから、川西の個人技によりシュートまで持ち込みました。
高崎役を酒本が担う想定は出来ますが、鹿児島で言うとSHが川西のタスクを担えればよりチャンスを作りやすそうです。
-----と、ここまでが岐阜戦見返し。
流石に所々変化がありますね。
午前3時が近づき、眠気から頭も働かないので一度寝ることにします。
11月18日(水)【第26節】vs 長野 0-0
11月18日正午すぎ。
今日は水曜日ですがお休みを頂いています。
岐阜戦見返し後にひと眠りし、無事に代表のメキシコ戦を寝過ごした僕は、少し時系列を遡って長野戦を振り返ろうと決めます。上位対決だったので、ですね。
夜は予定ありだけど、どこまで進むんだろうか。
自分を急かしながら見て行く長野戦、秋田のスタメンはこちら。
29番斎藤がローテ内なのは変わりなし。
しかし、今節は8分に顔面強打するアクシデントに見舞われ、途中交代しています。
それと11番久富もスタメンでした。スピード感のあるSHで、途中交代されると掻き回されるなと思っていますが、スタートからでも十分脅威でしょう。
対する長野のフォーメーションも4-4-2。
鹿児島に当てはめて考える身としては有難いです。
スローインの狙い
主にゾーン2の前方で秋田がスローインを獲得した時のお話です。
スローインのターゲットとしては、タッチライン近くに寄った2トップが多くなっています。
これにより、2ndボールの回収→逆サイドへ展開がしやすくなるメリットがあるのと、相手が触ってクリア出来たとしてもタッチラインに逃げるような形になることが多くなります。
相手のクリアも元のスローイン位置までは中々跳ね返せないので、じわじわ前進することになります。なんだかラグビーに似てますね。
そして、ある程度ゴールとの距離が近くなってきたら、秋田お得意ロングスローの射程圏内に入ってくるわけです。
どの道、秋田のストレングスに持ち込まれる設計。
ちょっとエグいです。
球速が速いクロスボール
ゾーン1ではDHも下がって、6バックとも言える陣形になる秋田。やはり、2ndラインの高さは占有出来ます。
バイタルエリアでシュートも一興ですが、同じ高さのサイドから速い、低い弾道のクロスボールも奏功しそうです。
フワッとした山なりのボールでは、秋田DF陣に分があり跳ね返されてしまいますが、速いクロスにはややボールウォッチャーになる傾向。少ない弱点のような気がします。なんとなく。
そのクロスを誰が放るのかも問題ですが、砂森にはこの試合ばかりは少し後方で待機していただくことで解決はいかがでしょうか。
再現性を持たせるのは難しいかもしれませんが、少し光が見えるパターンのような気がします。
守備から千田を排除せよ
秋田DF陣は全体的に質が高く、オープンに攻められても守れることが多いですが、その中でも異彩を放つのが5番千田。
是非とも彼と対峙せず、シュートにありつきたいものです。
そのために、どうするか。
彼は空中戦に強いため、ロングボール対応で最終ラインを離れること(これは恐らくチームの決め事で、千田に限りません)やセットプレーにて前線に上がることも少なくありません。
その間に速攻出来れば、ネガトラ・守備局面から排除出来ちゃうんじゃない?という提案です。
実際にはDHが下がって空いたスペースを埋めるなどするので、ガラ空きになるわけではありませんが、守備強度は落ちるはずなので、出来れば設計したいポイントではあります。
-----と、この辺に着目した長野戦見返し。
途中中断して、この文章を書き上げたのは日付が変わる頃。
見れませんでしたが、讃岐戦勝てて良かったです。
見返しは明日。でもレビューはお休みしよう。
そして秋田は今日、G大阪U-23に勝って優勝を決めました。
優勝は決まったけど気は抜かずに、敗戦は最終節まで取っておいてくれよ。と祈りを捧げたところで、今日は休むことにします。
11月20日(金)【第28節】vs G大阪U-23 2-0
20日(金)12時半、昼休憩中。
昨日は遅ればせながら讃岐戦を観ました。
前回対戦時の讃岐は形が無さすぎて心配になるほどでしたが、今回は少し構築出来てきているような気がしました。少し。
さて、映像を観るのは帰ってからですがスタメンくらいは振り返っておきますか。
ということで、G大阪U-23戦の秋田スタメンはこちら。
中村の相方は16番井上。
久富はまたしてもスタメンです。
そして、久しぶりに20番青島がスタメンに名を連ねました。
前節は途中交代で少ない時間の出場でしたが、少しずつ信頼を勝ち取り始めているんですかね。
対するG大阪U-23は3-4-2-1を採用中。
大外のWBにどう対応しているかを参考にさせていただくことにします。
大外レーンの攻防
早速、その大外対応についてです。
結果から言うと、SBによる対応が多いです。大外に引き出されて中央のスペースを空けることになっても、質で上回れるので問題ないという算段ですかね。
そして、SBでボール奪取出来たらSHが空くことになります。このようにSBが引き出されるのを許容して、ポジトラの優位を得る目的が主にあるのだと思います。
また、FWが大外に開くパターンも定着しており、SHがFWの内側あるいは外側を滑走することでファイナルサードを攻略することも出来ます。
ビルドアップの洗練
普段はロングボール主体の秋田ですが、この試合ではビルドアップも確かな形を見せつけました。
1例として、7:00~のシーンを抜粋します。
このシーンでは、味方の押し上げが足りない+相手が前から来ている(ここではWBがSBにチェック)盤面でした。
SBからSH久富に楔を打ちます。
そのことで、秋田の右サイドに密集したG大阪DF。
これを見た久富は逆サイドにいる輪笠に展開します。
この時、輪笠がハーフスペース(静的)に位置していることで展開がしやすくなっていました。G大阪のシャドーやWBの選手が誰が・どこからプレスを掛けるか惑わされたのだと思います。
インテリジェンスの高い彼が入ったことが、ビルドアップもロジカルに前進する場面が出てきている一因とも捉えられます。
WB引き出してSHにHVが対応、相手最終ラインが3or4枚になった時にSHで優位を取る(そのため久富起用?)→ゴール前はFWが質で制する構造。
G大阪の前進と秋田のプレッシング
3バック+DHの47番荻野で4バック化、DH44番菅野が絡んでビルドアップを図るG大阪。
これに対し秋田は、FW2枚とSHが1~2枚出てきて最終ラインにプレス。
さらに後方の44番菅野には15番江口が出てきて、5vs4(5)の構造でプレスを行います。
普段からゾーン3では2ndラインまで出てきて、積極的にプレッシングを行う秋田。特に今回は、11番久富が先発した右サイドでWBシンウォノの裏を何度も狙っていたので、ポジトラで優位取りやすいという要素もあったかもしれないです。
鹿児島もビルドアップでは同じような構造になるので参考になりそうです。
23:00〜前プレからの中盤で奪取。コース限定して行って、ここしかない!ところをDHが潰す。
得点も33分に生まれますが、プレッシングから。5vs5の数的同数で前プレからボール奪取に成功し、9番中村が簡単にゴールへ流し込みました。
秋田の対戦相手はロングボールで前進することが多く、秋田のペースに持ち込まれない?と思っていましたが、このようにプレッシングの構造が明確化されているので簡単に繋いで前進出来ないという側面もあるのだろうなと痛感させられました。
-----G大阪U-23戦はこの辺で。
久富を中心にサイドで優位を取ることを目的に、繋いで前進することが多かったこの試合の秋田。
その上で、鹿児島はどう振る舞うのか?参考になる試合でした。
しかし、ロングボールだけでなくビルドアップも精度を上げてきている秋田。彼らもまたどんどん練度を上げてきています。より隙が無くなっている一方で、考えられる策も幅が広がりそうです。
さて、金曜日は帰ってから寝落ちしてしまい、全部見終わったのは土曜日になりました。明日の予習もして、後は何を見ようか考えます。
11月22日(日)【第29節】vs 富山 0-1
今日は、鹿児島は相模原に負けました。
力負けです。ただ個人的には今日の敗戦はまだ割り切れるかなぁという感想。
そして、秋田も遂に黒星。
まぁ試合を残して優勝決めたチームあるあるですよね、その次節に負けちゃうパターン。
でも今回ばかりは無敗の秋田を倒したかったなぁと。
仕方ないですが。
むしろ勝ちパターンを参考にできるチャンスと捉えなければいけませんね。
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現実世界のお仕事と、相模原戦レビュー公開に向けてせかせかしていたら、水曜日になってしまいました。
日曜日に途中で切り上げた文章の中途半端さを見て、なんとも頭が悩ましいです。
もはや表題の日付も11月25日(水)で良いんじゃないかと思いますが、そういうサボりも夏休みの日記感あって良いな!と切り替えました!今!
切り替えて富山戦振り返って行きますか。
もっとも今日は一応、本当に一応、川崎vsG大阪も観るつもりなので、終わるのは明日だと思いますが。
ひとまずスタメンを振り返ります。
まずは秋田。
全くメンバーを確認していなかったので驚きましたが、17番韓と5番千田がベンチスタート。優勝は決めたので皆勤に近い2人はお休みですか。
代わりに入るのは2番谷奥と50番加賀。加賀さんは身体能力が高いとはいえ、SBが主戦場。CBは不慣れだったろうなぁと。そして、谷奥は今シーズン岐阜戦の8分のみの出場。秋田での出場はほとんどありません。
主力CBのお休みの意図と来季へのアップの香りがするスタメン。10番下澤もDHに入っていますが、ここはローテ内なので許します(?)
対する富山は3-4-2-1。
秋田に主力CBがいないとはいえ、どうやって点を取ったのかは気になります。見てみましょう。
富山の前進
あっ、たった今川崎が優勝しました。
おめでとうございます。
秋田と同様に悔しさも湧かないですね、今年は。
さぁ、まずは富山の前進を見て行きます。
基本的に繋いで前進しますが、それやりたいよね!を表現していたシーンが多かったように思います。
抽出するシーンは13:15〜。
最終ライン3枚でボールを回す富山。
そこへDHやシャドーが下りてきて、秋田DFを引き出し。シャドーとDHが旋回する中でCB→DHに縦向きのボールを入れ、前進しました。
この時、前述のようにDHやシャドーが下りたことで、秋田は2トップ、左SH、DHの一角が引き出されています。
そうして、前を向いた富山DHは大外のWBに展開します。
ここにはSHが対応するのが望ましい秋田。SHは前プレで引き出されていたので、追い付きません。
そこで、対応したのはSB。中は残ったDFライン3枚が富山の前線3枚に晒されました。
このように、楔→レイオフすることで構造上優位を得たいWBにボールを供給する、1度で2度美味しい設計は多く見られました。
また全く違う場面ですが、サイドの裏返しも多用しています。
秋田はFWまでサイドに寄って、密集を作ります。2ndボール回収と逆サイドに展開がしやすくなったり、守備でも追い込みやすいメリットがありますね。
しかし、ゾーン2~3でネガトラに移行すると、一瞬プレスが遅れることがあるのが玉に瑕な秋田。その隙を狙って逆サイドに展開できる場面も多いです。
鹿児島で言うと、酒本が降りてきてこのサイドチェンジ役を担うのが最適のような気がします。レイオフ役からサイドチェンジ役まで色々押し付けてすみません。
富山、得点シーン
そして、得点シーン。
こちらは岐阜戦の着想、マイナスのパスによる崩しを支持する得点シーンになっています。
場面は27:40~、スローインからです。
出し先を探す中、裏抜けする6番碓井。秋田DHの15番江口を引き連れてゴールライン際に抜け出し、CB2番谷奥に対応させます。
この時、秋田DHのもう一角である10番下澤もシャドーにおびき出され、サイドへ誘導されていました。このことで、中盤にはDFライン前にすっぽりスペースが出来ています。
6番碓井はセオリー通り、マイナスのクロス。
中央では混戦になって、富山が押し込んだ形になりました。
最後跳ね返す部分で、前方向へのクリアが出来なかったり、一歩チェックが間に合わなかったりしたのは、質の問題や不慣れなスカッドだった為であったかもしれません。
しかし、チームの構造としてネガトラ時にFWやSHの帰陣が難しいので、このような形が有効であると考えられます。
輪笠のカットイン
ゾーン3、崩しのお話。
秋田は以前からSHが内側に絞って、SBが大外使って崩す場面は見られていました。しかし、6番輪笠の質により幅が広がったかなと思うシーンがあります。
8:27〜のシーンです。
富山DFを中央に圧縮して、その外側で受けた輪笠。
前回対戦時はそのまま縦突破からクロス、というパターンが多かったと思うのですが、輪笠の判断はカットイン。シュートに持ち込みます。
シュートはGKの好セーブに遭いますが、コース・威力共に良く、十分に脅威になるパターンでした。
こういったプレーが出来る選手が入ってきそうだということは押さえておきたいです。
繋いで前進、秋田。その②
G大阪戦でもそうでしたが、繋いで前進する場面が明確に増えているような気がします。
まずは、60:20〜のシーン。
ゾーン2〜3までリトリートし、5-4-1で構える富山。
SBが楽に運んで図の位置まで前進します。
ここでDHや中に絞ったSHが協働し、WBや2ndラインを引き出して空いたスペースを狙う秋田。
最終的には、逆サイドSHの22番沖野が2ndラインを引き出して空いたスペースで受けます。そして、富山DFを中央に圧縮したところで大外に展開しました。
大外に展開した後はボール奪取されてしまいますが、シンプルに前線へ送っていたところを丁寧に崩そうという意識が見えました。
また、気になったのが72:20〜。
3番鈴木が運ぶところからですが、キックフェイントを見せてから中の選手を経由し、作り直しています。
ここではDHやSHの押し上げも足りなかったので、繋ぐ判断は当然と言えば当然なのですが、それでも裏目掛けて蹴るなどしていた秋田だったので意識変容してきているのかもしれません。
-----と、ここまでが富山戦。
やはり、質のところで押し込めなかったものが、今回は押し込めたという構図に見えます。しかし、前進・崩しの手段は有効なものだったような気がします。
また、秋田の前進方法がアップデートされてきていますね。来年に向けて次のステップアップに向かっているように思います。
考える幅は広がりますが、厄介です。
さて、書き終わったのは宣言通り木曜日。
また直ぐに次の試合がやってきますね。焦りが強い。
来週は忙しそうなので、レビューとの並行作業を効率よくやらねば。
というところで、今日は終わります。
11月29日(日) 【第30節】vs 熊本 4-2
さて、今日の鹿児島は盛岡に勝利。
僕は個人的に秋田監督への信用がほとんどゼロです。
怒られそう。
そういった中で決定機は作られながらも、なんとか盤面で制して勝ち切れたのは良かったです。
一方で、秋田は熊本相手に4-2で勝利。
またもや先制を許した時は、ここから調子落とす?めちゃくちゃプレビュー書いてるよ?と違う意味で焦りもありましたが、確り逆転してくれましたね。
長所も短所も読み取ることが出来そうな今節、見ていきましょう。
…と勢い良く書き出しましたが、実際に始動するのは盛岡戦レビューを上げた後です。木曜日には書き出したい。出来れば水曜。
次の文章を「今日は水曜日です!」と書き出しているでしょうか、自分。
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火曜日です!!!
やりました。
まさか、火曜日に盛岡戦レビューを上げられるとは。
やる時にはやります、私は。
さぁ、この勢いでどんどん突き進みます。
熊本戦、スタメンから見ていきましょう!
前節お休みだった千田、韓が帰還。
さらに、10番下澤に替わって24番山田も戻ってきました。
1つの盤石布陣ですね。
1試合タイミングが違うだけで、万全のスカッドに当たってしまった熊本には同情すらします。
一方、その熊本。
今節は中盤が逆三角形の4-3-3を採用しています。
また、こちらもスカッドはベストでした。
さて、見ていきましょう。
ボール非保持の考察
まず今回は、秋田のブロック形成についての考えを述べておこうと思います。
具体的には、なぜゾーン3〜2までの守備時に4-4-1-1の形になるのか、という設計についてです。
今回は分かりやすく相手フォーメーションが4-4-2の場合を例に取って、相手がCB→SBと繋いでボールホルダーがサイドに位置するシーンを想定します。
FWが一枚降りることで、アンカーを監視できるメリットもあるのですが、ボールホルダーに対面した形の4-3-2-1、あるいは4-2-3-1を作れるという利点もあると思います。
これにより、どの場面においても幅と深さを持って守備に当たることができ、逆サイドに展開しにくい構造になるということです。
実際、この形が整えば簡単に場面を好転させることは難しそうです。
ただ、綺麗な形で整えられてばかりでは無いのも、また秋田の現状。次で言及します。
サイドの裏返し 〜狙い編〜
どのような時に、サイドを裏返しやすい?を考えていく項です。
結論から言うと、秋田がカオスを扱おうとする時ですね。前皇を踏まえ言葉にすると、なんとも当然ですが。
特にGKや低い位置からのFKで、サイドの密集へロングボールを放る際は、ランダムな配置になっている気がします。
熊本も逆サイドへ展開出来る場面は、そのように秋田がランダムな配置になっている時が多かったように思います。
もっとも秋田の強みでもあるのですが、サイドで密集させて展開を狙っている時は、秋田としても不確定要素が多く、相手チームにとっては2ndボールを回収しやすい機会なのかなと思います。
中盤の数的有利活用
最後に、熊本の前進について言及していきます。
フォーメーションの噛み合わせによる利もあるのですが、参考になる点はあると思うので。
6:40〜に着目します。
左SBにボールが入ったタイミングで、熊本の8番上村が15番江口を引き連れて下がります。よって、熊本の中盤は正三角形に並ぶ形となっています。
左SBはそのまま左SHにパス。
ここで、中盤のもう一角31番岡本が絡みに落ちてくると同時に6番河原が上がり、三角形が旋回した形になりました。
加えて、岡本がCBを引き連れて落ちてきていたことで、左SH→岡本→河原と繋いだ時には左WGが走り込むスペースが生まれています。
河原はそのスペースへすかさずスルーパスを送り、チャンスに繋げました。
中盤での数的有利を存分に活かした前進でしたが、鹿児島でも酒本や薗田などが落ちてきて、DHと連動することで同じような場面を作り出せる可能性があります。僕の妄想では。
実際に起こり得るかは分かりませんが、このようなDF引き出しと味方の連動パターンは抑えておいても良いかもしれません。
-----熊本戦はこの辺で。
この試合は、両チーム合わせて6点はいった乱打戦でもあったのですが、得点・失点シーンはいずれもここまでに挙げた対策と同じでした。
ある程度秋田対策の妄想が固まってきましたが、もう数試合見て最終判断ですね。
これを書き上げたのも12.3(木)のお昼休み。
週末まで少し時間がありますね。
土曜日はリアルタイムで見れませんが、日曜日にはレビュー上げられるように頑張らねばです。
来週は怒涛のミッドウィーク開催…。
YS横浜戦レビューは流石にお休みします。
その代わりこちらは見ていけるように頑張ります。
いずれにせよ福島戦勝ちたい!
と言うことで、今日は終わり。仕事に戻ります。
12月6日(日) 【第31節】vs 今治 1-3
福島戦に勝った翌日。
日曜日です。
お休みだと楽にレビューを書き上げられます。
最終確認をして、アップするのは明日ですかね。
一方で、秋田。2敗目。
2敗目喫したかぁと残念な一方、今治は面白いですよね。サッカーそのものが。
ただ、来週はミッドウィーク開催なので悠長に楽しんでいる暇もありません。修羅の道。
気づけば秋田戦前に見れるのも今節含めてあと3戦。
そして、あと1週間。
終わりがなんだか寂しくもなってきます。もはや生活の一部化していたので。
まぁ、とはいえ全ては最終節勝つ為。そんな悠長に楽しんでいる暇はありません。(2回目)
というわけで早速、スタメン見て行きましょう。
秋田は24番山田に替わり、10番下澤が入った以外は前節と同じメンバーで挑みました。ほとんどいつも通りでしたが、結果的に裏目に出た采配になってしまいました。
一方で、今治は4-4-2。
やり方も鹿児島に似ているので、良い参考になりそうです。早速見ていきましょう。
今治、ロング・ミドルパスの狙い
この試合、今治はロング・ミドルパスを多用していました。
秋田と真っ向勝負に持ち込むような形ですね。
なぜわざわざ正面からぶつかり合ったのかについて、言及します。
まずは、ビルドアップにてCBがボールを持った時などの対応です。
ゾーン3ではハイプレス敢行する秋田ですが、今回のような4-4-2ミラーゲームの場合、FWやSH、DHまで前線に赴き数的同数ではめ込みます。
今治はDF4枚とDHが低めの位置でプレー、GKまで組み立てに関わることにより、秋田がハイプレスで来た時に2ndライン後方に広大なスペースが生まれる場面が多々ありました。そこで、直接ボールを放り込むことで、秋田最終ラインの干渉を受けずボールを受けられる、という構造です。
なんともスペイン人監督らしいロジカルな前進を仕込んでいたと思います。
今治の割り切り
今治は、秋田得意のセットプレーやロングスロー時に思い切っていました。
単純に人海戦術なのですが、FP10人全員がペナ内に戻って守備を固めています。
言語化すれば1行で済んでしまうことですが、重心の重さやそれでも完全には避けられないリスクの中で、この選択はなかなか出来ないのでは?と思います。
それに、重心低くしたとしても自信を持って前進出来る手段を持ち合わせているからこそ出来ることなのかもしれません。簡単ですが、言及をしておきます。
繋いで前進、秋田。③
79:10〜のシーンを抽出します。
楔を入れてやり直して、を繰り返す中で対峙するSHに位置を下げられた11番久富からスタートします。
この時スクランブルな盤面で、秋田から見て左偏重になっている場面でした。
その影響から久富は10番下澤へオープンな状態でパスが送れました。下澤は前を向きますが、相手DHがチェックに来たので中央に来ていた8番茂にレイオフ。さらに、相手SHが中に絞って対応したことで、大外の3番鈴木が空きました。
ここで、対応を強いられたのが今治SB。
そのことで中央では4vs3の構図になり、今治DFの意識は対峙する3人へ傾いていたように思います。
ここでタイミング良く上がってきたのが、6番輪笠。
鈴木からのロングボールをレイオフ→展開の流れで輪笠までのサイドチェンジが完了しました。
この時、15番江口が中央へランニングすることで大外を空けたことからもチームとして意識している様子が窺えました。
局所で対人の強さを利用するなど、この試合で強みを存分に活かして前進していた場面でした。
83分、得点未遂
83分にはクロスに9番中村が合わせゴールネットを揺らすも、オフサイドという場面がありました。
この時、6枚でほとんど1ラインの状態になっていた今治DF。その結果、ゴール前に放られたクロスを逸らされて後ろで合わされるという形であわや失点のシーンを招いています。
鹿児島としては、福島戦でCKから同じ形の失点を喫しています。
クロスを逸らされて後方でシュートの形は、視野外に送りやすいパターンのため、CKの失点あるあるではあります。
しかし、2nd-3rdライン間が狭くなりがちな鹿児島。このようなパターンも起こり得ると思います。
しっかり対応して挑みたいです。
-----今治戦、見終わりました。
思った以上に正面衝突した末に勝利を挙げていたように思います。
今治の得点は、2点がカウンターから。
狙いが出ていて、ある程度思惑通りだったのではないでしょうか。
そして、その裏には細かい采配や、功労者の存在があった気がします。特に、やはり橋本英郎は流石ですね。
今回は秋田攻略を念頭に置いて見ましたが、オフシーズンにでも今治中心に文章を書いてみようかな、と思います。
鹿児島のメンバーを勘案すると、今治がやっていたことを再現出来そうな部分と、実現は難しそうな部分があるとは思いますが、参考資料にはなるはずです。
もう2試合見て、私的な結論を出したいですね。
一方の秋田は、チャンスでのオフサイドの多さや容易な失点など釈然としない内容でした。なんでしょうか、精神的な部分なのかチャレンジの中で苦しんでいるのか。
いずれにせよ、前回以上に付け込む隙はありそうです。モチベーションは上がってきました。
さて、そんなこんなで書き終わった今は火曜日。
なんとか明日の試合までに終わりました。
一難去ってまた一難ですが、まずはYS横浜戦の勝利を願って今日は寝ます。
12月9日(水)【第32節】vs 鳥取 0-0
迎えましたミッドウィーク。
YS横浜戦は辛くも1-0勝利。大西という名の神様。
DHの八反田・田辺コンビは新たな領域に踏み入れることが出来そうな楽しみを感じました。
一方で長野も勝利し、残り2戦で勝ち点6差。得失点差は長野+21、鹿児島+7。
しかし、残り3試合闘い抜くしかありません。
まずはG大阪戦勝たねばです。
そして秋田は鳥取戦ドロー。
来季の準備というところで、割り切っているところも出てきてはいますが、白星が難しくなってきていますね。
そんな鳥取戦、見ていきましょう。
まずはスタメンです。
変更がありました、秋田。
6番輪笠がDH起用です。これまでにも述べてきたようにインテリジェンスが高く、偽SBにてDHのタスクも担っていた輪笠。
実際にDH起用されることにも不思議はありません。
が、あまりにも唐突で驚きました。いよいよJ2プレシーズンしてますね。
さらにGKには渡辺、左SBには39番鎌田、左CBに俺たちの50番加賀さんが名を連ねました。GK渡辺は初めて見ます。前節3失点を喫した田中は、身体・精神的にお休みが必要だったのかもしれません。
俺たちの加賀さんもCB起用が続いています。
構成上晒されがちなDFライン背後のスペースを潰したい秋田なので、スピードがあり跳ね返せる加賀さんにそのタスクを担って欲しい思惑なのかもしれません。
両SHも久富・青島が先発です。ここはローテ内ですかね。
一方、鳥取は3-4-2-1採用です。
10月に鹿児島が敗れた試合からは大差ないスカッドです。
それでは、試合に入っていきます。
DH、輪笠
まずは早速、DH起用された輪笠についてです。
攻守で厄介な働きをしていました。
サイドへSHとFWが流れ、相手WBやHVが引き出されたらすかさずチャンネルラン、予防的ポジションの取り方など痛いところを的確に突いてくるシーンがいくつもありました。
DHでも貢献が止まない輪笠ですが、その特徴ゆえに狙える部分もトレードオフで出てきます。
一つの例として、ボール保持時に輪笠は、DHの片割れと縦関係になります。これにより、2ndライン後方は空けない=今治戦のように2nd-3rdライン間に放られても対応しやすいという狙いがあると思います。
一方で、そのことにより中盤の幅が薄れることでサイドの裏返しがしやすく、致命的になりやすいという側面もあります。
トランジションの部分で、狙えるところは狙っていきたいなぁとぼんやり思っています。
繋ぎとロングボールの狭間で
前半には、これまでトライしてきたように繋いで前進する機会が多かった秋田。
しかし、後半はほぼロングボールで従来のやり方で前進しています。
得点が欲しい時はあくまで得意なロングボール主体になるということでしょうが、チームの熟成か勝利かの天秤の上で揺れている気がします。
念頭に置くのは熟成だとは思いますが、勝ち星が少なくなってきた最近。
やはり、チームの士気としても結果が欲しいですかね。
ーーーーー鳥取戦はこの辺で。
結果以上に秋田の来季を見据えたチーム作りが窺えました。
どのようなことにチャレンジしていて、何に成功して、何に行き詰まっているのか、来季に何を描こうとしているのかを妄想するだけでも楽しくなってきます。
それ故に不具合、それに準ずる付け入る隙が新たに生まれ始めているのも事実かと思います。
最終戦、どのような意味付けで挑んでくるのかは分かりませんが、十分やれることはあるはずです。ひとまずはG大阪U-23戦での勝利を。
さて、なんやかんやで金曜の夜になってしまいました。
激動のミッドウィーク開催週を乗り越え、いよいよ予習できるのも一試合。
もう少しだけ走り抜けます。
今日のところはおやすみなさい。
12月13日(日)【第33節】vs 相模原 1-1
こんにちは。第33節が行われました13日の夜です。
鹿児島はG大阪U-23戦。一時は1-4まで離されましたが、サブ組の奮闘もあり6-4の逆転勝利。
この時期の起用は色々な要因があってのことなので、その意味を読み取るのが難しく、マイナスなことも考えてしまいがちです。
実際にその憂慮のいくつかは当たってしまう覚悟はしておくべきですよね。今年は特に。
さらにはいよいよ昇格可能性が完全消滅。
理解はしていましたが、実際にそうなるとなかなか心に刺さります。
最終節までには良いリリースも悪いリリースも出てきそうですが、とにかく今は最後までこのチームと共に闘い抜こうと思います。
一方その頃、秋田は相模原とドロー。
上位との連戦とはいえ、本当に勝ち切れなくなりましたね。
とはいえ、最後の秋田を読み取るチャンス。
無碍にするわけにはいきません。
張り切っていきましょう。まずはスタメンから。
今節は千田がサスペンション。俺たちの加賀さんが代役です。千田、来週のスタメン確定演出ですね、もう。
その他も24番山田、17番韓が帰ってきたのみの変更となりました。
今日の相模原は3-4-2-1を採用。
ロングボール対策で、DHの高さは出来るだけスペースを与えたくなかったんですかね?
ユーリは途中から出てきているようです。また、8番ミルトンも入っています。聞き覚えないと思ったら鹿児島戦はいずれも欠場だったんですね。注目してみたいと思います。
そんなこんなで始まった相模原vs秋田。
それでは見ていきましょう。
CKの狙い
今回は、秋田の強みの一つであるセットプレーに触れます。
再現性・出現率が高いであろうCKに言及します。
大きく分けて3グループの役割があると思います。
個人が完全に特定のタスクを担っているわけではないと思います。
こういうことをしてきます!というCKの原則です。
①ニアに移動組
まず、キックの直前からニアに移動していく組です。
場合によっては、9割方ニア寄ってるじゃんか!ということもありますが、あくまで原則です。
ニア組に求められるのは、第一に相手DFのニア誘導と目線の固定です。
このことで、中央~フォアの密度を軽減するとともに、DFの目線もニアの選手に固定されやすくなります。
そこで、上がったボールをフォアに逸らすと、DFはフォアで待つ選手のシュートにはなかなか対応出来ません。CK失点あるあるの構造ですね。
勿論、直接シュートもあります。空中戦は強いので、ニアからのシュートでも脅威的なコースに飛ばすことが出来ています。
②フォアに移動・待機組
続けて、フォアに移動・待機組です。
ここのグループはフィニッシュが主なタスクです。
前述したように、ニアで逸らされたボールを合わせたり、直接叩き込むのが主なパターンになります。
ニアの選手に惑わされてボールウォッチャーになることなく、このグループの選手をケアするのが、セットプレーでの失点を回避する最大のポイントだと思います。
図で示している以上に複雑、また同時に現象が起きているので判断が追い付かないのが通例ですので、全員下げて人海戦術でもケアしようとするロジックは理解できます。
③後方で待機組
最後に後方で待機組です。
ここは、身長が低い選手やスペースを管理するDHなどが担います。
主なタスクは、こぼれ球のシュートや2ndボールの回収です。
CKには、千田などの空中戦が強いCBも前線に上がって参加しますので、CKのクリア→CBがネガトラから排除された状態で被カウンターは最も避けたい現象です。
その意味で、このグループの選手がシュートで終わることや、2ndボールを回収してマイボールにすることは重要なタスクになります。
逆に言えば、相手としてはカウンターに移行するための狙い所ですので、意識したい点ですね。
サイドに閉じ込める
56:50~です。
相模原が効果的にゾーン3の崩しを阻止していました。
場面は6番輪笠→39番鎌田→8番茂と繋いだところです。
茂に対しては、2番夛田と13番才藤でサイドから前進やカットインをさせません。ゾーン3では、連動して崩すというよりクロスに移行して、空中戦に持ち込みたい秋田。前線の選手は、出来るだけ中央で待ちたいので手詰まりになります。
そういった状況を打開すべく、サポートに向かう9番中村。
WBの夛田が大外対応しているので、WB-HV間を使われると危険な展開になります。そこで相模原は、HVとDHも加わってスクエアを形成します。
そのスクエアを収縮し、簡単にパスを通させないよう移動します。
そして、思惑通りボール奪取して相模原ボールにした場面でした。
相模原の対応は、秋田の強みを出させないよう上手く仕込まれていました。
強みを逆手に取って守り切れるような対策を期待したいです。
ーーーーー相模原戦見終わりました。
白星が減っている秋田ですが、相模原の対応も素晴らしい試合でした。
上位同士らしい展開だったように思います。
さて、これで参考試合の視聴も終わり。
いよいよまとめと対策を考える段階に移れます。
なんやかんや過ぎ去るように終えることが出来ました。
次章からの本題も引き続きご覧いただければ幸いです。
今日のところは、とりあえずおやすみなさい。
【本章Ⅰ】秋田の設計考察
12月15日火曜日です。
ようやく本題にありつけました。
見てきた試合を総括して、秋田ってどういうチーム?を考察する項です。
4局面それぞれ言及します。
時間が無い方はここからどうぞ。
改めてですが、前回対戦時のプレビューでも書いた部分の細かい説明は省略しますので、併せてご覧ください!
【本章Ⅰ-⑴】ボール非保持
⑴-1 プレッシング
①ゾーン3
最前線のプレッシングから行きましょう。
以前は、4-4-1-1の形になって降りたFWがアンカー監視などもしていました。
最近でも、結果的にこの形でプレッシングすることもありますが、比較的4-4-2を維持する機会が多くなったように思います。
さらに、相手が3バックの場合はFW+ボールサイドと逆のSHで、4バックの場合はFW+両SHで数的同数にて嵌め込んでいきます。スイッチを入れるのはFWが多いでしょうか。
以前のようにバランスを見ながらのプレッシングというよりは、相手陣内奥深くではすぐさま奪還して、フィニッシュで終わりたい傾向が強くなっています。
②ゾーン2
ゾーン3でのプレッシングが実らず前進された時は、FWは追いますが、この辺りから明確に4-4ブロックを形成、SHと対峙する選手にボールが入ればSHはプレスのスイッチを入れ、結果的にハイプレスのような形になることはあります。
そのことにより、ブロックの網で絡めとる、あるいはロングボールを蹴らせて回収したいといった具合でしょうか。
③ゾーン1
ここでは、FWのプレスはタイトに行わず、CBなど後方で受ける分には自由にさせてもらえます。
4-4ブロックもペナ幅で構え、ゴール前を埋めていきます。大外からのクロスにSBかSHが対応する時ですかね、外に出るのは。
ゴール前を固められる分、ボールを入れられるスペースは狭まり、蹴る他なくなることもおおよそのパターンになります。
⑴-2 組織的守備
①ゾーン2(サイドの局面)
熊本戦の項で言及した内容です。※熊本戦より画像参照
簡単に振り返ると、サイドに寄った守備では、ボールホルダーに対して幅と深さを確保することで、展開させない考え方でした。
しかし、サイドに閉じ込めたいのでブロックが小さくなりすぎる+理想的な陣形を整えきれないシーンが多々という要因から、少しの隙で逆サイドに展開できることも度々あります。
②ゾーン1
ゾーン1まで押し込まれたら、完全撤退です。
4-4ブロックペナ内に入っているイメージで良いと思います。大外対応に展開されれば、SBやSHのみ出ていくといった具合です。
しかし、ここでも人に食いつく癖は見られるので、DHを引き出せれば可能性は広がるはずです。策を見出せれば絶好のチャンスを作れますね。
【本章Ⅰ-⑵】ポジティブトランジション
⑵-1 ゾーン1~2
①ロングボール→回収、2次攻撃
お馴染みのやつですね。
以前はSHを狙って、直接当てることも所々でありましたが、最近ではほとんどFWだと思います。
FWがサイドに流れて、SHと入れ替わりながら相手DFを撹乱させたいのかもしれないですね。
②ビルドアップ移行
繋いで前進に移行するパターンです。
ボール奪取時に、相手選手の距離感が広い場合、オープンな状態でカウンターに移行できる場合、逆にロングボール回収役のSHやDHの押し上げが足りない場合などにも、繋ぐことが多くなってきた最近の秋田。
完全に遅行へ移行するか、早い段階でSH等に楔を当てて速い攻撃を仕掛けるのかは、その時々の盤面によります。奪ったのが相手の1st-2ndライン間であれば遅攻、2nd-3rdライン間なら速攻といった具合ですね。
まだまだ発展途上だと思いますが、相手が中途半端になるとロジカルな前進も出始めてるよ。というのは共有しておいた方が良さそうです。
もっともそれを利用して、選択を誘導するという手もありますが、それは今項のお話ではないのと、実現出来るレベルは遥か上だと思うので、ここでは触れません。
⑵-2 ゾーン3
最前線で奪いきれば、空中戦に強い選手が揃っている秋田が作り直す理由はないので、すぐさまクロスを入れることや、サイドでの縦パスからクロスのパターンが多いです。
もっとも、このゾーンで奪われたら秋田だからどうこうでは無いです。
サッカーの一般論としてセーフティで良いので、安全安心な選択を心掛けたいです。
【本章Ⅰ-⑶】ボール保持
⑶-1 ビルドアップ
繋いで前進のパターンもこれまでにいくつか触れてきました。
いずれも引き出し、引き寄せ、空いたスペースにボール供給という組み立てが定着しつつあります。
しかし、どのフェイズでもファーストチョイスがFWへのロングボールであることに変わりもありません。
これまで見てきた試合でも、まずはそちらの対策をしてから、というのが定石だったと思います。
前項でも触れたように、ロングボールだけじゃなくなってるよね!を共有出来れば良いかなと。
⑶-2 崩し
ここは、ポジティブトランジションの流れで完結することが多いです。
遅攻からの崩しで注意しなければならないのは、やはり6番輪笠でしょうか。
SBに入れば、大外からの突破やカットイン。DHに入れば機を見てチャンネルランやラストパスの供給など、チームとしての崩しの幅を広げている選手です。
個人的には、盤面を制する上で最も警戒したい選手かもしれません。
【本章Ⅰ-⑷】ネガティブトランジション
⑷-1 ゾーン3
ゾーン3でロストした場合には、ハイプレスで即時奪回を図ります。
あるいは、スローインにしたり、ロングボールを蹴らせる展開に持ち込めれば、自分たちの得意な形に移行出来るという算段でしょうか。
対戦相手としては、ここで奪われると厄介なので、とりあえずクリアで耐えきるという選択肢も悪くはないのではと思います。
⑷-2 ゾーン2~1
ゾーン2より自陣側では、リトリート中心でブロック形成を優先しています。勿論、ゴール前やオープンな形で奪われた場合は、近い選手が奪回に向かいます。
ーーーーーこんなところですかね。
前回対戦時より秋田がアップデートした部分や、新たな気付きを織り交ぜながら書きました。大きく的を外していることはないと思います。
次章で、このまとめと、これまでに見られた有効な対策を振り返りながら、鹿児島に出来そうな策を考えていきます。
【本章Ⅱ】鹿児島の対策
秋田に対して、何が出来そうか?の項です。
まずは、秋田の試合を見てきた中での着想を箇条書きでまとめようと思います。
・DHをサイドや最終ラインに誘導→バイタルを占有し、マイナスのパスをシュート。
・レイオフ→3人目への展開。
・クロスボールは速いスピードで。
・千田を守備から排除(ロングボール対応で引き出す、セットプレーやFWが下がってプレーすることで高い位置を取らせるなど)。
・サイドの裏返し
・中盤の数的有利→引き出して裏活用
おっ、得点を奪ったチームのパターンは、これらに大方集約されているのではないでしょうか。ここまで見てきて良かったと我ながら。
その上で、鹿児島に当てはめると何が出来そう?を考えます。
先に断っておきますが、僕の頭の中では酒本ごめんなさい頑張って!な策が次々と浮かんできます。
中でも実現可能性が高そうなものだったり、見てみたいパターンの妄想などいくつか書き出そうと思います。
落ちる酒本
まぁ毎回2nd-3rdライン間に落ちてきていますが。
この生命線抜きには秋田戦どころか鹿児島は語れないでしょう。
ここで酒本にお願いしたいのは、①落ちることで千田などのCB引き出し②レイオフの2点。秋田の、人に食いつきやすいDFの特徴を利用するという点で、千田や韓を引き出せたら最高だよねという考え方です。
もし引き出せたら、前線に速くがキーワードになるので、得意のカウンターを発動させましょう、是非。
サイド裏返し
何回か言及した、サイドに閉じ込めようとしてくる秋田のDFを裏返す策略です。
逆サイドに展開されたくない割に、秋田のチェックは隙が生まれやすく、キック1本でサイドチェンジ出来ることも度々あります。
ここでも、酒本に降りていただいてサイドチェンジ役を担っていただくのが得策かなと思います。プレッシャーの中でも精度の高いキックが出来る彼にお願いしたいです。
さらに、鳥取戦で言及したように6番輪笠がDHに入ると、2枚のDHが縦関係でボール保持します。図では、24番山田との関係性ですね。
このDHの間を横断できるか否かも、逆サイドでオープンに攻められるかの基準になり得ると思うので、一つ注目して良いかもしれません。
さらに、サイドチェンジ先は米澤や野嶽兄・田中などが出場濃厚であろう右サイドが有効になりそうです。サイドチェンジが成功したら、これらの選手などを中心に速く攻め切りたいです。
ーーーーー2点について触れました。
守備での約束事には言及しませんでしたが、これまでに触れた通りです。
まずは、最も脅威であるロングボールからの展開をしっかり跳ね返すことや、人海戦術で重心が低くなろうとゴール前を固める割り切りも必要だと思います。
いずれにせよ、上の網掛け部分で箇条書きしたような点が突破口になると思います。それ以外のパターンがあったらあったで、嬉しい誤算ですが。
実際に日曜日、ピッチ上でこのような場面が見られるよう願って、本章Ⅱを締めくくろうと思います。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。
お疲れさまでした。
【最終章】あとがき
あとがき。現在12月16日(水)、1:15です。本章を書き始めた後、日付を跨いでいます。
そして、文章量は20000字を超えました。
読んでもらう気が無い記事と言われても仕方ないですね。
この記事を11月17日から書き始めて、ちょうど1か月間秋田を見てきました。
贔屓のチーム以外をこれだけの試合数を継続して追ったのは、初めての経験です。この1か月間、プレビューを上げた数は0になりましたが、1チームの移り変わりを見ていくことで色々勉強になっています。
一方で、鹿児島は昇格可能性が消滅、秋田は既に2敗目を喫しており、書き始めた頃に期待していた未来とは大きく異なる現実となりました。
前週からはショッキングなリリースも続々。
日々変化する状況に気持ちが追い付きません。
しかし、だからこそ、最終節は特別な試合になると思います。
その最終節の相手も不足はありません。
今シーズンの締めくくりを、笑って終えましょう。
さて、秋田の観戦日記もこれにて締めくくりです。
もう遅いので、僕は寝ます。
それでは、改めて今回もお付き合いいただきありがとうございました。
本記事最後の、おやすみなさい。