サンセバスチャン三ツ星レストラン Martin Berasategui(マルティン・ベラサテギ)
世界一の美食の街・サンセバスチャンで最高峰と言われる三ツ星レストランは今回の旅でぜひ体験してみたいと思っていました。
サンセバスチャンには3つの三ツ星レストラン(AKELARE、Martin Berasategui、ARZAK)がありますが、初めては日本人の方にも評判が良さそうなMartin Berasategui(マルティン・ベラサテギ)を予約しました。
※情報は2019年のものです。
緑も豊かな優雅な空間
サンセバスチャンからマルティン・ベラサテギへは、バスかタクシーで閑静な郊外へ向かいます。
少し高台になっている静かな場所に、レストランはありました。
お店に着くと、扉が先にすっと開き、中に案内してくれます。
店内は広々としていて明るく、サービスの方たちは皆きりっとしつつ穏やかに微笑んでくれます。こんな笑顔ができるようになりたい。
テーブルには白い胡蝶蘭。
”驚き”があるお料理の数々
いただいたのは、数年の歴史の中から、おすすめのお皿を集めたテイスティングコース。
全15品の華やかなお料理の一部を紹介します。
最初のお皿は、冷たいオリーブのスープ。薄いチョコレートでコーティングしてあり、歯を入れるとスープが溢れます。これからの体験の期待も一緒に弾けます。
右のスプーンはヒルダ(アンチョビと青唐辛子のポピュラーなピンチョス)を模した一品で、一口でいただきます。
口に入れるとぷつんと弾けてスープが絡み合います。確かにお味がヒルダ!
うなぎとフォアグラのミルフィーユ。
キャラメリゼが乗っていて、さくっとしつつフォアグラのねっとりした旨味が口の中に広がります。ソースは甘みが引き出された春玉ねぎと青りんご。これだけで何杯もワインを飲みたい。
個人的にはいちばん気に入ったお皿でした。
パンはたくさんの種類の中から選べます。バターを味わうためにシンプルなバゲットにしようとも思ったのですが、見た目からしてなんとも美味しそうなクロワッサンと、ナッツがたっぷり入った食事パンを選んでしまいました。クロワッサンは温かくて外さくさく、中はしっとりの最高の状態。
パンに付けるバターは4種類。ブラックオリーブ、レモングラス、アボカド、アンチョビです。やっぱり普通のバゲットにするべきだったかなと思いつつ、クロワッサンに付けます。それぞれの風味が楽しい。
トリュフとキノコの風味が豊かなスープ。この泡泡している調理法もバスク料理の特徴の1つのようです。
凝ったお料理が多いですが、素材を活かしたサラダも。お花畑みたいに華やか!エビはぷりっぷりです。
バスク名産メルルーサのグリル。
サンセバスチャンのバルにもよくあるので何度か食べていましたが、とっても丁寧に調理されたそれはしっとりしていて魚の旨味が溢れます。
お肉はサーロイン。ジューシーだけどしつこくなくて、もうお腹が限界寸前だけどいただけてしまう不思議。
デザートは2品。その後、更に小菓子が出ます。
こちらはレモンとバジルの一皿。冷たくてさっぱりしていて、口の中が落ち着きます。
紹介した以外にもいくつものお皿が出てきて、その度に違った味わいを楽しめます。次は何が出てくるんだろうというわくわくと、新しいお皿の驚きが楽しくてしょうがないです。
食事の最後にはベラサテギ氏本人が登場して一緒に写真を撮ってくれました。
三ツ星の価値
バスクらしい、アイディア溢れるお料理の数々でした。「楽しんでね」という気持ちが、一皿一皿からもサービスからも感じます。思いがけない舌触りや食感、口に入れてからゆっくり味が変わっていくものなど、豊かさと驚きがとても楽しかったです。
そのため、素材を活かしたシンプルな食事が好きな方には過剰ですらあるかもしれません。
コースは15品、260€。これまでの人生で最も高級な食事でしたが、食の新しい扉が開いたような体験ができて満足でした。
この感覚は、はじめて東京で一貫一貫にしっかり手をかけた江戸前鮨をいただいた時の感覚に近かったです。
その他インフォメーション的なもの
最後に、インフォメーションを少し。
■交通アクセス
サンセバスチャン市街地からはタクシーかバスで向かいます。
バスの場合はT3もしくはT5のバスで約20分と徒歩7分ほどです。乗車料金は1.8€。
帰りはタクシーを呼んでもらいます。サンセバスチャン市街地まで20€強くらいでした。
■コースの種類と価格
コースとアラカルトがあります。
私たちがいただいたコースは過去のコースからおすすめを選りすぐって作られたテイスティングコースと呼ばれるもので、ひとり260€でした。
ワインは意外とボトルが50€程度からありました。
■お料理の量
パンなども含めて全15品(その時によって違うかもしれません)で、ゆっくりいただくので、男性でも相当お腹いっぱいになると思います。少食の方はパンを食べない、中盤のお料理は少しずつ残すくらいの方が最後までいただけます(もったいないと思ってしまいますが)。
■所要時間
私たちは13時からスタートして食事が終わったのは16時半過ぎ。たっぷりの時間をかけて、食事というより「体験」を楽しむ感じでした。もう満腹と満足で、この日は夜ご飯はいただきませんでした。
■予約方法
予約はレストランのWEBサイトから行います。英語は対応していますが日本語は非対応です。
アレルギーや嫌いなものは予約時にお伝えしておくとスムーズです。私も食べられない食材があったのですが、当日ばっちり対応していただけました。
■ドレスコード
スマートカジュアルで、とのことですが、ランチだったからか、結構ラフな格好の方たちもいらっしゃいました。小学生くらいのお子さん連れの家族もいらっしゃいました。
この日のために、私はきれいめのワンピースとヒール、夫はジャケットを持参しました。私たちは完全に童顔な日本人顔ということもあり、結果的によかったと思います。
■お手洗い
備えてあるソープがエルメスでした。
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