指しゃぶりというセルフマネジメントを見て考えたこと
ある時、泣いている子どもが指しゃぶりを始めたのを見て、ものすごくびっくりした。
指をしゃぶることで自分を落ち着かせたからだ。
たった生後2ヶ月足らずなのにセルフマネジメントができるのかと。赤ちゃんは不快だとただ泣くものだと思っていた私は心底驚き、それができる我が子を尊敬すらした。
同時に、赤ちゃんすらできる「自分の機嫌を自分で取る」ことを、なぜできない大人が多いのかと思った。
もう指しゃぶり程度ではセルフマネジメントできないから?代替案を見つけられなかったのだろうか?
否。答えはシンプルに、「甘えている」ということなのだと思う。
しかしこの「甘え」、子どもが自分の思い通りに行かないことで機嫌が悪くなるのは幼さと認識されているのに、社会的あるいは家庭の中で権威的な立場を持つ大人が、人によっては高頻度で発動させることがある。
「言われた相手がどう思うか」よりも「自分が言いたいことを」を優先する大人の、なんと多いことよ。
私は子どもの頃、まだそれが甘えと認識できていない頃、自分の父親や学校の先生が時々そういう態度を取ることを不思議に思っていた。当時は振りかざされた権威が正しいのだと自分を納得させたが、我が子にはそんなふうに思わせたくない。そんな場面に出くわしたら、対応方法はどうであれ、それが社会性のない態度だと伝えたい。
しかし我が子も大きくなるにつれ、衝動任せの機嫌の悪さを出すようになってくるだろう。全てを聞き入れてやると、周りが機嫌の悪さに対応してくれることに甘えてしまうこともあるだろう。
そんな時、どんな言葉をかけてやるのが良いのか、少しだけ考えてみる。
なぜ機嫌が悪くなっているのか言語化してやり、どうすれば解決できるか一緒に考え、必要に応じてその方法をサポートすることなんじゃないか。
言語化するとまるで管理職の業務っぽくなってしまったが(笑)、私は子どもの頃、本ばかり読んでおり、それは「なんとなく嫌、気持ちわるい、悲しい」みたいな気持ちの原因を言語化してくれることが多かったというのがある。それが分かると安心したし、そこからどうすればいいか考えるヒントになった。
しかし、実際は自分もそんな余裕がある状態になんてなれるかしら。子育ては、甘えはなくても余裕を失いがちだ。機嫌を悪くしたり怒ったりしないというのは、意外と難しそうだ。どこまで意志を保てるか、試されているのかもしれない。
あ、親が子どもに育てられるというのは、こういうところもあるのかな。