妊娠中に読んでよかったエッセイと漫画
妊娠体験を語ったエッセイや漫画は数多くあり、私も20冊ほど読みました。今回はその中で、身体も気持ちも不安定になりがちな中でも気持ちに寄り添い、読み終わった後はすっと明るい気持ちになるような3冊を選びました。過敏な時期だから、キレイゴトじゃない、白々しくない、ということも自分にとってはとても大事でした。
れもん、うむもん!(はるな檸檬)
「出産について描くのであれば、願わくば 泣いているお母さんの横で、肩を抱いて一緒に泣くような そういうものを描きたい、と思いました。」
と前書きにあるように、等身大のはるなさんがただただ寄り添ってくれるような、そんな優しいエッセイ漫画です。
妊娠初期は「これからこんなことが起こるのか…」と参考になり、つわりが始まってからは「わかる!わかる!解るー!!」と思いながら読みました。大丈夫じゃないのについ仕事ではかっこつけてなのか責任感なのか「大丈夫です」とか言っちゃう時や、不安定な自分のメンタル自体に悶々とする感じがわかりすぎて、女友達とおしゃべりしているみたいな気持ちになりました。
きみは赤ちゃん(川上未映子)
こんなに正直に書けるのはすごい…ありがたい…と思ったエッセイです。
感情の乱高下、理不尽だと分かっていても夫に当たってしまうこと、子どものことを一番に考えたら選択しない方がいいかもしれない食生活や仕事のこと、深く考えるのを一旦止めて受けている遺伝子検査のことなど、正論好きな人は散々批判するかもしれないことを堂々と書いていて、私はとても共感できました。
正しいことばかりってしんどいじゃないですか。
完母崇拝しかりですが、ベストだけを選択するのが親の責任だ!と他人が言うのは違うと思う。もちろん、何でも自由にしていいわけではないけれど、全てを完璧にする必要もないし、それはできないと思う。持っているキャパシティの中で調整していくしかないのに「全部完璧にやれ」はもはや矛盾。
肩の力を抜いて向き合っていこうと元気をもらえます。
ママはテンパリスト(東村アキコ)
出産前と、出産後の入院中に時々読んでいて、笑わせてもらいました。スピード感と突拍子もない展開が最高に楽しいです。
この漫画も、育児のセンセイ的な人から見たらツッコミどころ満載なんだろうけど、そんなことはどうでもいいんです。大体、それでもちゃんと育つじゃんね?もちろん、子どものトラウマになるような傷つけ方は絶対にいけないけれど、愛情と笑いのある家庭は素敵だと思う。
子育ては大変なことも本当に多いけれど、とっても楽しいということも教えてくれる漫画です。