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デライト・ベンチャーズでEIRとして起業準備するのが最高だった話

こんにちは。株式会社Meshの代表の佐藤です。
最近は起業の数も増えてきて、現在進行形で起業を考えられている方も多数いらっしゃるかと思います。そんな方に「デライト・ベンチャーズにはEIR制度という、起業を支援する素晴らしい取り組みがある」というお話をできればと思います。EIR制度は日本ではまだあまりメジャーではなく、「概念は知っていても実態はわからない」という方も多数いらっしゃるかと思います。今回の記事では、一般的な説明に終始せず、自分の実体験も盛り込みながら可能な限りその実態を明らかにしていければと思います。

はじめに

まず、自分がデライト・ベンチャーズにjoinした経緯を説明します。自己紹介の記事でも書いた通り、かねてから起業を考えていた自分は、DeNA→Chompyと在籍し、そろそろ自らの事業を作りたいという気持ちが強くなってきました。そのタイミングで、その旨を元々面識のあったデライト・ベンチャーズのプリンシパルである坂東さんにお伝えしたところ、EIRとしての参画をご提案いただき、その流れでjoinする形となりました。

デライト・ベンチャーズとは

デライト・ベンチャーズ(以下、デライト)はDeNAをシングルLPとする、以下の2つの機能を有する独立系ベンチャーキャピタルです。

①ベンチャーキャピタルとしての投資機能
②スタートアップスタジオとしてのインキュベーション機能(デライト内ではVenture Builrderと呼ばれているため、以下Venture Builderと言います)

もう少し詳細を説明しようと思いましたが、ROUTE06代表の遠藤さんが書かれている以下の記事の説明が素晴らしいので、詳細はこちらをご確認ください:


Venture Builderから生まれたWITH FitnessCEO谷口さんCTO小林さんがデライトのオフィスで仕事しているところ!

EIRとは

EIRはEntrepreneur in Residenceの略で、こちらもROUTE06代表の遠藤さんの自己紹介記事に素晴らしい説明がありますので、引用させていただきます:

EIR(Entrepreneur in Residence)とは、起業経験者がベンチャーキャピタル(VC)に所属して投資や新規事業立ち上げなどに関わりながら、同時に自身の会社の起業準備をするプログラムです(短ければ3ヶ月、長ければ1年ほど)。起業時に在籍VCから出資を受ける場合も多いのですが、ポートフォリオ企業(投資先)にジョインしたり、そのままVCで働き続けるなど、多様な選択肢があります。

出展:https://note.com/tkendou/n/n9c561131c6da

上記はEIRに関する一般的な説明になりますが、デライトのEIRは、原則起業することを前提に、自身の事業立案・立ち上げのみを行います。また、その過程でデライト社内にふんだんにストックされている様々な情報(リサーチ資料・事業作りのノウハウなど)にアクセスできたり、適宜専門家からアドバイスを頂けるなど、様々なメリットを享受することができます。

EIRとして私が具体的に何をしていたか

【事業立案フェーズ】
自分の事業案作りをしていました。結果的に50ほどの事業案を立案しましたが、その過程では、以下のようなことを行いました。

  • TechCrunch, BRIDGE, 36krなどのテック系メディアの記事を毎日全て読み、マクロトレンドを把握する。

  • 上記の過程で気になったプロダクトは全て触ってみる。

  • ドメインを絞ったリサーチをする際は、デスクトップリサーチだけでなく、コールドコールや現場に足を運ぶなどして一次情報の取得をする(水産領域での事業を考えている際は、漁師や水産卸の関係者と話したり)。

  • ユーザーインタビューを通したユーザーの行動観察を行い、インサイトを発掘する。

  • 考えたソリューションの実現性を確認するため、技術的観点ではエンジニアやAIエンジニアへ、リーガル観点は弁護士に相談するなどする。

気になったニュースはひたすらSlackに垂れ流していました。

事業立案を行っている際は、デライト全体の足踏みを揃えるため、各々のドメイン領域を決めてリサーチ・立案したり、週1の定例で事業案の壁打ちをしたりするなど、チームの一員として動いていました。その際、Venture Builderチームのオーナーである坂東さんや、デライトのパートナーである大さん(シリコンバレー在住)から直々に事業立案に関する手ほどきや壁打ちをしていただき、明確に事業立案力が高まっていきました。事実、初期は思いつきベースの無邪気なアイデアが多かったですが、徐々にマクロトレンドを把握したうえで、現状のプロダクト・サービスでは解決しきれていない隙間ニーズを捉えるような事業案を考えられるようになっていきました。

【事業案リサーチフェーズ】
事業立案フェーズではVenture Builderチームの一員として動いていましたが、Meshの事業案を立案し、深堀りを行う際は、「デライトの業務は一旦置いておいて、佐藤さんの全リソースをつぎ込んでいいよ」と言っていただきました。このフェーズでは、以下のようなことを行いました:

  • デスクトップリサーチによる本ドメインの詳細なマクロ環境の把握。

  • ブロッカー・技術的実現性・マネタイズの蓋然性など、個別論点の潰し込み。

  • 膨大な数のインタビューによるN=1インサイトの発掘。

  • スーパーマーケットでの実務を通した詳細なオペレーションの把握(ダークストア事業を検討していたため)。

  • MVP(Minimum Viable Product)の設計・開発・リリース・検証。

これらを行っている際は、チームの一員ではなく、自分がオーナーとなり全ての業務を設計・実行していました。いつ、どのように業務するかは全て自由に決められます。一方、何か困った時にはデライト内にいるデザイナー・エンジニア・マーケターの方などにも手伝っていただき、それにより質高く・スピーディーにリサーチ・検証を進めることができました

真面目な話が続いていますが、デライトのメンバーでSUPしたりと、プライベートでも色々とお付き合いのある会社でした!


【資金調達・採用フェーズ】
リサーチやMVP検証を経て事業の蓋然性が確認できたので、資金調達を行うことにしました。ここでは以下のような業務を行いました:

  • ピッチ資料作り

  • 投資家へのピッチ

  • 投資契約締結

  • 採用

初めての資金調達なので、「投資家とのアポはどのように取るべきか」・「ピッチはどのようにすべきか」・「バリュエーションはどのように決めていくのか」など、右も左もわかりませんでした。そんな中、資金調達の過程ではデライトの投資家である永原さんに並走していただき、あらゆる面で支援していただきました。起業家と投資家は仲間でありながらも利益相反する部分もある特殊な関係ですが、永原さんは起業家に寄り添ったアドバイスを常にしてくださり、適切に資金調達活動を進めることができました。
また、エンジニア・デザイナー採用の過程ではDeNAの元CTOである川崎さんやDeNAの元デザイン本部本部長・現株式会社IRIAM代表取締役社長の増田さんなど、多数の方からアドバイス・支援をいただき、そのおかげで理想のチームで起業をすることができました。

これらの一連の起業準備を終え、ようやく株式会社Meshを創業しました。

デライト・ベンチャーズにEIRとして所属してよかったこと

決して大げさな物言いではなく、「起業をするにあたってこれ以上恵まれた環境はない」と思うぐらい、デライトは素晴らしい環境・機会を提供してくださいました。今まで書いたこととも重複しますが、ぱっと思いつくだけでも以下のような理由があります。

  • 事業立案に関する知見が深い方に日々壁打ちできる。

  • Pitchbook, INITIAL, SPEEDAなど、あらゆる情報ソースを用意してくれている(事実、これらを使えることでリサーチスピードはx3ぐらいにはなったと思います)。

  • 自分がコミットしたい事業案が出てきた時に、それに全リソースを使わせてくれる。

  • デザイナー・エンジニア・弁護士・弁理士などの専門家への相談が容易にできる。

  • 資金調達時には投資家が寄り添ってサポートしてくれる。

  • デライト経由で起業していった先輩起業家が多数おり、彼ら/彼女らに相談できる。

なにより、デライト内には「起業家ファースト」というマインドが浸透しきっており、だからこそ型にはまることなく柔軟にサポートをしてくれ、またその体制も日々アップデートされています。

事実、最近は多くの起業家が

「デライト・ベンチャーズ最高だよね」

と言っていたり、さらには法曹界の方からも

「デライト・ベンチャーズさんは本当に起業家想いですよね。ぜひ一緒に案件を担当させていただきたいです。」

という話を聞いたりと、デライトの「起業家ファースト」マインドが本物であることは界隈でのレピュテーションを見聞きしても疑いようがないものだと思っています。

YOUTRUST代表の岩崎さんもこのようなtweetをされていました)

さいごに

もし、デライトのEIR制度について具体的な話を聞いてみたい、という方がいらっしゃれば、直接デライトに問い合わせていただいても大丈夫ですし、Twitter経由で自分に問い合わせていただくのもwelcomeです。惜しみなく情報開示をできればと思います。

この記事が日本のスタートアップ界隈を活性化させる一助になれば幸いです。それではまた!

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