M&Aの世界で感じた違和感と決意

M&A業界にやってきました

🔹この投稿に至った背景

こんにちは。松井です。
今年の6月から、
M&A仲介/FAの仕事に従事しています。

繋がりのある経営者の方や
同業他社の友人/知人に話を聞いていく中で
この業界について
違和感を感じる場面が多くありました。

今回の投稿では、
それについての自分なりの解釈と、
そのうえで、自分がどういったスタンスで
この仕事に向き合っていくかを、
勝手に決意表明します。

🔹そもそもM&A仲介/FAとは

「M&A」という単語自体は
耳にしたことがあるかと思います。
企業の合併/買収を意味する言葉です。

そして、私が従事しているのは
「仲介」ならびに「FA」という立場です。

「仲介」というのは文字通り、売り手企業と買い手企業の
間をもつ仕事です。

どちらか一方に寄り添うのではなく、
両者の間に立ち、
客観的・中立的な立場で交渉を行うことで
より円滑なM&A実行へと導く役割、
とご理解いただければと思います。

一方「FA」というのは
売り手、もしくは買い手のどちらか片方につくアドバイザーの立場です。
ステークホルダーが多く、法律面も複雑に絡む上場企業同士でのM&AやクロスボーダーM&Aで一般的とされています。

引用:https://www.ma-cp.com/about-ma/difference-brokerage-fa/

具体的な話は本投稿では触れませんが、
追って発信していければなと思っています。

ヒアリングの中で感じた業界の現状と違和感

🔹仲介における王道の手法

あくまで私が聞いた範囲での話のため、該当しないケースもあるかと思いますが、M&A仲介における新規案件発掘方法の王道(特に若手)は「テレアポ」「DM郵送」です。

イメージとしては
・毎日200件の架電→うち15件通電→うち1-2件アポ獲得
加えて
・手書きのお手紙を会社、ないしは代表者自宅にお送り
といった次第です。
業務時間外の時間も含めて、週2-30時間は上記業務に充てているとのこと。

みなさんどう感じますか?
私は率直に「不毛だな」「自己中心的だな」と感じました。
現に、私がお話を聞いた経営者の方々はこの業界のこういった営業に対して、ネガティブな印象をお持ちの方が圧倒的に多かったです。

ではなぜ、こういった方法が主流となっているのでしょうか

🔹業界における不毛な/自己中心的な手法の原因

なぜ、上記のような手法が用いられているのか。
その原因は大きく2つあると考えています。
一つは個人の報酬体系
もう一つは周囲の環境です。

①個人の報酬体系について
この業界の多くの企業の報酬は
「固定給+インセンティブ」という形式で
設定されています。

固定給は30~40万/月程度、インセンティブは(成約額にもよりますが)1成約で1,000万円超が担当者に入ることも。

企業側の採用における見せ方も相まって「インセンティブで稼いでやろう」という想いでこの業界を志望する方が多いこととこういった報酬体系により、「短期的な目線で成果を出さなければ」という気持ちが生まれやすい環境になっています。

そのため、
短期的に、焼き畑的に顕在層の刈り取りをする狩猟的な方法として、
テレアポやDM郵送に多くの時間を使うことになっているのではないかと考えられます。

②周囲の環境
この業界にかかわらず、人数が一定数以上いる企業となると、基本的には会社の今までのやり方に沿って営業活動が行われるかと思います。
つまり、新卒で/転職で入社した人にとっては先輩のやり方がベースとなるわけです。
そしてその先輩のやり方とは?そうですね、テレアポとDM郵送です。

①で記載した通り、年間で1件成約になるだけでも個人としてはかなりのインセンティブが入ります。であれば毎日毎日数を打ちまくり、そのうち1件でも当たれば、という発想が引き継がれていってしまうことにも合点がいきませんか?その1件の裏で、何千人何万人の時間を奪い、迷惑をかけているわけですが。

繰り返しになりますが、この業界に関わる全ての人がこう、という話ではありません。あくまで私が現時点で聞いた中での解釈です。
とはいえ、こういった話を聞いていく中で、
「自分はこの仕事とどう向き合っていこうか」と考えるきっかけになりました。

何のために働くのか

私の場合、これは非常にシンプルです。
「関わってくださる方たちの役に立ち、喜んでもらうため」
これだけです。

関わってくださる方たちに価値提供をし続けること、そのために日々勉強し続けること。その積み重ねで信頼が得られると考えていますし、なにかお困りごとが出たときに「松井に聞いてみるか」となると思っています。

なので、テレアポやDMで関係をゼロから作りにいくことに時間を割くのではなく、価値提供すること/するための準備、に時間を使いますし、
その価値提供の輪はご紹介によって広げていくべきだと考えています。

こちらもまた、私が「紹介するに値する人間であり続ける」必要があるので簡単なことではありませんが、目指していく姿です。

私がこのスタンスで仕事ができる理由

ここまで意見を述べてきましたが、
私がこういったスタンスで働ける背景としては以下の2つが大きな要素となっています。

🔹小さな組織ゆえの柔軟さ

私が入社した会社は10名程度の小さな組織です。
そのため、決まった営業ルールなどはなく、私のこういった発想も受け入れてもらえています。
また、固定給もしっかりとした額をいただけているので、自己の利益にフォーカスしすぎることなく、価値提供すること、そのためのインプットをすることに時間を割く精神的な余裕を持てています。

🔹紹介活動の成功体験とその影響

私自身、趣味のお菓子(カヌレ)作りを通じて
紹介で輪が広がっていくことの素晴らしさ、関与者に喜んでもらうことの楽しさを誰よりも実感しています。
その経験から、この業界においても、同じような方法で成果を出すことに可能性を感じています。
※趣味のInstagram (https://www.instagram.com/shun_matsui94/)

同業の方々からするとこういった私の考えは極めて甘いものかもしれません。ただ、そんなことはどうでもよくて、私はこの方法で人の役に立つ、成果を出すと決めています。
週20-30時間使えるのであれば、電話ではなく、新しい情報のインプットをするし、関わってくださる方たちに会いに行きます。
その人たちの役に立ち続けることが何よりも大切だと思っていますし、
その中で、相談してもらえたり、頼ってくださる場面ができるのであれば、
それはとっても幸せなことです。

新たな業界への転職となり、またここから積み上げていく身ですが
ここに記した姿勢を常に持ち続けてまいりますので
関わってくださる皆さん、引き続きよろしくお願いいたします!

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