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おいしい話

今日もみかんとたわむれていた。

ここ最近は太陽の昇らない時間帯に寒さに悶えながら首を引っ込めつつ車に乗り込んで畑に向かい、みかん収穫し始めた頃にはそんな朝の寒さが嘘みたいにポカポカした陽気の中みかん収穫に没頭している。

昼休憩後などは眠さもあってか口数が少なくなることもあるが、収穫中は基本的に農家のおばあちゃん(お母さんと呼んでいる)を中心にみんなで会話を楽しんでいる。そんな何気ない会話の中でおばあちゃんが昔、住んでいる部落の方々とバーベキューに行ったという話があった。

”あれが本当に楽しかったのよ〜!

あの時食べた焼肉もおいしくって、その味は一生忘れられないわ”

一生忘れられない焼肉の味。その表現が思い出の濃さを物語った。この御時世コンビニやスーパーに行けば幾らでも”おいしい”は手に入る。そこら辺のファミレスなどチェーン店に行っても”おいしい”は手に入る。だけどその”おいしい”は果たして一生忘れられないほどの”おいしい”なのだろうか。

たぶん私はまだその一生忘れられないほどの”おいしい”に出会っていない。思い付かない。。。今まで数えきれないほどの”おいしい”に出会ってきたはずなのにどれも”おいしい”でしかなかったから。

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おばあちゃんは本当に幸せそうな顔でその”おいしい”焼肉の話をしていた。

”何”を食べるかも大切だけど、それよりも”誰””どこ”で食べるかは豊かさに直結する。そんなことを教わった気がした。

明日でみかん収穫はラストかな。

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shun
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