MAKE10を完成させたい①
ナンバープレートの数字で10を作りたい
子どもの頃、「ナンバープレートの数字を足して20になる車を3台見つけるといいことがある」と母親に吹き込まれ、親が車を運転しているときなどは躍起になって20になるナンバーの車を探していました。
その経験からか、今でも車を見かけるとナンバープレートの数を足したり掛けたりする習慣がついてしまっていました。
ところで、世の中には「MAKE10(メイクテン)」なんて遊びが存在しています。わざわざ説明するまでもないと思いますが、一般的には「4つの数字から四則計算のみで10を作る」みたいな数遊びです。
そんな遊びを知ってか知らずか、数字を足すだけの作業に飽きた少年期の私は次にナンバープレートの数字で10を作ることをはじめたのですが、たぶんここまではやっていた/今もやっているという人も少なくないと思います。
一般的なMAKE10の解
4つの数字でのMAKE10の解法一覧を乗せたページはいくらでもあるので(こことか)あえて書きませんが、例をいくつか。
4,6,6,8 → ((4×6)-6)-8=10 など
1,1,6,7 → 7+(6÷(1+1))=10 の1通り
9,9,9,9 → (9+(9×9))÷9=10 の1通り
この遊び、本来は「+、ー、×、÷の記号だけで10を作る」というルールなのですが、括弧使ってる(使っちゃだめのルールもあるらしいけど)のってずるくないですか?
括弧を使わずに分数で表すこともできますが、そうすると分数を表す横線(括線というらしい)が出てきます。
ということはつまり!「数字を新しく足す」ということさえしなければ、記号などを好き勝手に使ってもよいのだという独自解釈ができる、というかしてしまうことにしました。
というのも、四則計算だけで10を作れないパターンが結構あるわけです。0~9の4つの数の組み合わせは、10種類の数字から重複を許して4種類を選ぶ重複組み合わせなので10H4=715通りです。
このうち、10を作れない組み合わせは実に163通りあります。
(ちなみにナンバープレートの場合は上の桁の0は「・」になってしまうため、正確には9H3=165, 9H2=45, 9H1=9を足し、0が4つの1組を抜いた933通りです。0があれば10にできる、という組もあるので10を作れないパターンはさらに増えます。)
つまり、ナンバープレートで10を作る遊びをしていても結構な確率で10を作れないパターンを引いてしまうので、遊びとしてつまらなくなるタイミングがどうしても来てしまうわけです。
そこで先ほどの解釈、数字を足す以外ならなんでもOKルールを採用することで、私の中でこのゲームで遊べる寿命を延ばすことに成功しました。
色々と技を覚えることができたので、これらを使ってこのMAKE10の不可能組み合わせの穴埋めをしていきたいと思います。
不可能組み合わせの一覧
以下、4つの数字でのMAKE10での不可能組み合わせ全165通りです。
ナンバープレートでのMAKE10では0000が消え、0が上の桁に入る組が入るため、以下の組も不可能組み合わせです(手計算なので漏れがあるかも)。
穴埋め戦略
数学は高校レベル+ナンバープレートMAKE10のために少しかじった数論というレベルなので、あまり難しい概念は使用せずに10を作成することを目指しています。
なお、ガウス記号のような丸め処理は美しくないため今回は使用しないレギュレーションで行こうと思います。
円周率や自然対数も見た目上は数字ではないのですが、これを可とするとルールが崩壊するため定数も一部を除き(後述)今回は使用しないこととします。
今回の穴埋め作業の戦略ですが、非常に単純です。
流れとしては以下の通りです。
なんらかの方法で与えられた数字を別の数字に変換する
置き換えた数字で10になる組み合わせを探す。
この「なんらかの方法」というのが肝要で、ここのバリエーションが乏しいと早い段階で詰んでしまいます。
以下、現段階で思いついている変換方法を列記します。
■根号
√4=2, √9=3の変換は頻出。
■べき乗
2^3=9, 2^4=16 あたりが主な使い道です。
■階乗
単体では、0!=1, 3!=6, 4!=24, 5!=120あたりまでが現実的な使い道です。
複数使いだと、8!÷7!=8などで隣接した数字の小さいほうを消せるのがありがたいです。
■多重階乗
4!!=8, 5!!=15, 6!!=48あたりの二重階乗、5!!!=10, 6!!!=18, 7!!!=28, 8!!!=80あたりの三重階乗、6!!!!=12, 7!!!!=28, 8!!!!=32あたりの四重階乗などが候補に挙がるが、あまり美しくはないので手詰まりになったら使うくらいのモチベーションです。
■テトレーション
大きくなりすぎるため、2^^3=16, 3^^2=27までが使用限界。
■素数階乗
4#=3#=6, 6#=5#=30あたりが実用的。
■組み合わせ、重複組み合わせ
5C3=3H3=4H2=10, 6C2=15, 6C3=4H3=20あたり。
数字を2つ消費するため、あまり数字を置きくするメリットはない。
■対数
log8/log2=3が主な使い道。
■ベルヌーイ数
数論における係数なので、円周率や自然対数はだめなのにこれはOKなの?となるが、まあ数字を指定しないといけないのでよしとしています。
B1=-1/2, B2=1/6, B4=B8=-1/30あたりの逆数を取ったり、3以上の奇数mでBm=0となることを利用して奇数を無視したりするのが主な用途。
穴埋め作業①:1桁数字→1桁数字変換
上記の手法を用いて1つの数字を別の1桁の数字に変換するルートを以下にまとめました。
3以上の奇数→0(ベルヌーイ数)
0→1(階乗)
1→2(ベルヌーイ数の逆数の絶対値)
4→2(べき根)
3→6(階乗)
4→6(素数階乗)
4→8(二重階乗)
9→3(べき根)
これを用いて、上記不可能組み合わせ一覧の数字を変換したときに一覧に無い組み合わせになるものは10が作れるということになります。
よって、この変換で10が作れる組み合わせを除いた一覧を以下に記載します。
穴埋め作業②:1桁数字2つ→1桁数字1つ変換
同じようなやり方で、2つの数字を別の1桁の数字に変換するルートを以下にまとめました。
隣接する2つの数字→大きい方の数字(階乗÷階乗)
同じ数字→元の数字(積のべき根)
2,3→9(階乗)
2,8→3(対数)
この変換を用いても残る数字は以下の通りです。
穴埋め作業③:個別対応
かなり数が減ったので、あとはそれぞれ対応します。
まず、5は三重階乗で単体で10になるため、5に帰着できる数字を除きます。
これで3つ以上の組み合わせは網羅しました。
あとは個別に対応します。
2,6 → 6!!!!-2;奇数→0→1→2の変換で5,6と6,7もクリア
3,6 → 6#÷3
6,6 → 6#÷6=5→5!!!
6,8 → 6!!!-8
6,9 → 6#÷√9
8,8 → 8!!!÷8
というわけで残りは以下の数字です。
1桁の数字、1と2の組み合わせは仕方ないです。
逆にこれがクリアできるとゲームが壊れてしまう。
まとめ
5を除く1桁の数字、11,12,22以外の2桁以上の数字については10を作ることができました。
ただ、今回はベルヌーイ数頼りの面があまりにも多いので、次はベルヌーイ縛りで穴埋めをします。