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HSPの僕が一番気を使わない外食先は?

おととい書評で取り上げた『敏感にもほどがある』。この本で一番「めっちゃわかる!!!」と共感したのは、外食にめちゃくちゃ気を遣うということでした。

ほんと、店員さんに異常なほど気を遣うのです。とくに何人かで行く居酒屋。その行動自体はまったく嫌いではないし誘われたら行くのですが、ああいうところだとよくビールが人数分より多く運ばれてきたり、逆に「いや、注文したのカシスグレープなんですけど・・・」などとオーダーミスがあったりする。そりゃこんな騒がしいところなんだからウーロンとグレープくらい聞き間違えてもおかしくはないし、なによりそのカシスグレープもったいないじゃないですか。

僕は一滴も酒を飲まないので、こういうとき「もったいないから、オレ飲むよ」というわけにもいきません。かくして誰の口がつくこともなく奥に運ばれてゆくカシスウーロンを断腸の思いで見送ることになります。そんなふうにして他人の注文にすら気を遣ってしまうわけです。いっしょにいる人がこういうちっちゃなオーダーミスで怒るわけではないのだけど、それでも誰かがぐちぐち文句を言っちゃうんじゃないかとハラハラしてしまう。

これ、ひとりで食事するときも同じです。

以前、定食屋で食事してたら、「ステーキ定食が写真と違う」「これじゃステーキ定食とは言えないよね」と店員に散々文句を言うおっさん2人組が後ろの席にいました。もうそういうのを聞くだけで目の前の生姜焼き定食が不味くなるわけです。そこに不満を持つのは否定しないけど、やり方を考えてくれよと。周りに迷惑かけてまで言う必要はないだろう、と。

気にするのは知らない客のクレームだけではありません。たとえば牛丼屋のカウンターで着席すると、水が運ばれてきて「お決まりになりましたらこのボタンを・・・」とか言われる。ここでも逡巡するのです。セットメニューにまず悩み、最終的に牛丼並盛に豚汁とおしんこをつけようと決めても、なんか店員忙しそうだからいまボタン押してもいいのだろうか。押したところですぐ店員来なかったらどうしようか。そんなことを考えてるうちに店員の側から「決まりました?」と注文を聞きに来たこともあります。

もちろん、店員を呼び止めるのに「すいません」と声かけたら、「少々お待ちください」と去られると、腹が立つんじゃなくて「やっべ、忙しいときに声かけちゃった」と自責の念に駆られます。かといって、セルフサービスのフードコートに行っても、注文した料理ができたときに音とバイブレーションで知らせてくれるあの機械が結構な天敵なのです。すぐびっくりしてしまう僕があの機械を手にすれば、ラーメンができる楽しみより「いつ鳴るのか?」というハラハラ感が何億倍も勝ちます。

そんな僕が最近ひとりで食事するときに愛用している店があります。

回転寿司です。

応援している千葉ロッテマリーンズにレアードというお寿司大好き外国人が入団してからというもの、思いっきり影響されて今では多いと2週に1度くらいの頻度でひとり回転寿司を楽しむようになりました。そして気付いたのです。回転寿司が天国すぎる、と。

案内された席に座れば流れてくるイカを取るのもよし、全然エビが流れてこないじゃないかと憤れば店員に文句を言うのではなくタッチパネルから注文すると握りたてをわざわざ流してくれる。うどんやラーメン、甘いものもタッチパネルひとつで勝手にレーンに流してくれるのでいきなり店員に声をかけられることもありません。アガリや水もセルフだから、食事して一息ついてるところにいきなり店員が水持ってきてくれるあれにいちいちビックリしなくても済むのです(水持ってきてくれるのありがたいんですけどね)。

いやあ、なんて気楽なんだ、回転寿司!

回転寿司において店員とのコミュニケーションが必要なのは、会計直前に皿を数えてもらうときとお金払うときぐらい。でもこれくら寿司だと食べた皿を投入口に入れれば勝手にカウントしてくれるし(ついでに5枚に1回ビッくらポン回してくれるし)、レジなんてそのうち自動化される仕事になるので、極論店員と一言も会話することなく寿司食べて会計して帰れる時代が来るかもしれないってことです。そうなれば、店員に気を遣いすぎるHSPにとってこの上ない外食先になることは間違いないでしょう。

こうして僕は今日もエンゲル係数を爆上げしながら、「気楽だから」という理由で無言で回転寿司の皿を積み重ねていくのです。

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