「大人げない」と言われても、行事を全力で楽しむには理由がある【HSP教員の働き方】
学校に勤めているとたまにあるのが行事もの。卒業式や入学式などセレモニー系もさることながら、生徒同士の交流を促す行事というものもあります。
僕はそれに呼ばれたら、もちろん仕事は全うしながらも全力で楽しみます。引くぐらいにはしゃぎます。
たとえばドッジボール大会があったとしましょう。先生方もぜひ、と言われたら率先して参加します。もちろん容赦なく攻めます。生徒を狙います。当てたら拳をぐっと握ります。飛んできたボールは手の届くところならオーライオーライと声を出してキャッチしますし、足元狙われたらジャンプ一番で回避します(この間はものの見事に大失敗した)。もう、全力プレーそのものです。
当然のごとく外野からはこう言われます。
大人げない、と。
わかっています。めちゃくちゃ自覚しています。来年30になる人間が10代相手に本気になるなんてみっともないというのは重々理解しています。じゃあちょっとは手を抜けばいいじゃないか、と言われそうですが、これは自分の中で確固たる理由があって、全力プレーを見せるようにしています。
それは、「みんなに楽しんでほしい」から。
忘れもしない、2ヶ月でやめた高校の入学時研修。どっかの旅館の大広間で、先生方が「誰が辛子入りのシュークリームを食べたでしょう?」というクイズを出したりしていました。バラエティ番組とかなら大笑いするようなやつですけど、これがひとつも楽しくなかった。
なぜかといえば、このコーナーが終わったらめちゃくちゃな説教が待ってたのです。お前らのその話を聞く態度はなんだ、と。この先生方はなんのために辛子入りのシュークリームを食べたのか不思議で不思議でしょうがありませんでした。一気に雰囲気はぶっ壊れ、結局それをどんな目で見ればよかったのか正解がわからなかった自分がそこにいました。
僕は露骨に感情が伝わりやすいタイプです。つまり楽しい雰囲気ならばそれで良いのですが、誰かが怒っていたり、空気が淀んでいたとしてもそれを敏感に受け取ってしまう人間です。子どもたちの中には、いくら大人(先生)が「楽しもうね!」と言ったとて、いまこの瞬間を「楽しんでも良いものか」躊躇う子もいます。そんな中で、怖い顔をして「さあ、楽しもう!」って言う人間を、誰が信用するのでしょうか。
だから、僕は全力で楽しみます。
場合によっては、結構無理をして場の盛り上げ役に徹するときもあります。運動系なら声を出したり、なんかおもしろいことが起きれば大声で笑ったり。とにかく自分から楽しい雰囲気を作るようにします。むしろ「うるさいなこいつ」と思われるレベルかも知れません。勝負事であれば勝てば両手を高々と突き上げ、負ければ心の底から悔しがる。そういう姿勢を、隠さず子どもたちに見せます。
それは、「これくらい楽しんでいいんだぞ」という背中を見せたいから、にほかなりません。実際にそうしていると、子どもの方からあれやろうこれやろうと誘ってきてくれることがあります。それにもなるべく応えるようにしています。
ちなみにこれはNPOのスタッフとして、フリースクール事業にかかわってるときも同じで、スマブラとかボードゲームとか、だいたい子どもたちより全力で楽しんでます(スマブラ超弱いけど)。これもまた、「ここはこういう場所なんだよ」ということをアピールしている証です。
ただまあ、「ちょっとはしゃぎすぎたかな・・・」と終わって冷静になってからふりかえってひとり反省してしまうのも、やっぱり僕がHSPである揺るぎない証、なのかもしれません。