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書評

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これまで読んだ本の感想とか。
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2020年4月の記事一覧

やさしく、深く、「ストレス」の正体を知る【糀本成美『気疲れしやすい人へ ゆるっと楽に生きるストレスと上手に付き合う方法』】

やさしく、深く、「ストレス」の正体を知る【糀本成美『気疲れしやすい人へ ゆるっと楽に生きるストレスと上手に付き合う方法』】

Amazonのペーパーバックという形で出版されているこちらの本。どこで知ったかといえば、以前HSPについてインタビューしていただいたなおさんが「この本おすすめですよ!」と言ってたから。ちなみにこの本では触れられていないが著者の方もHSPだそうだ。

さて、昨日書評を書いた『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』には、疲れの原因は主に脳の疲れであり、それは「マルチタスク」が引き起こして

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疲れの原因は「○○○タスク」だった?【川野泰周『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』ディスカヴァー・トゥエンティワン】

疲れの原因は「○○○タスク」だった?【川野泰周『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』ディスカヴァー・トゥエンティワン】

おそらくこんな状況だからこそ、いつもとは違った疲れを感じている方も多いと思う。かくいう僕もそうで、最近はちょっと買い物に出ただけで変な気疲れを感じるようになってしまった。睡眠はわりとしっかり取ってる方だと思うが、それでもこう、精神的な疲れがどうにもとれない。

しかし、この本を読むうちに、それは当たり前のことだという確信を得られた。

結論から先に書けば、僕は知らず知らずのうちに勝手に「マルチタス

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「4つの要素」で意見を言う、意見を見抜く【西岡壱誠『東大で25年使い続けられている「自分の意見」の方程式 最強のアウトプットの作り方』KADOKAWA】

「4つの要素」で意見を言う、意見を見抜く【西岡壱誠『東大で25年使い続けられている「自分の意見」の方程式 最強のアウトプットの作り方』KADOKAWA】

とにかくこのご時世、いろんな「意見」が飛び交っている。新型コロナウイルスのことだ。

諸外国にならって東京も今すぐロックダウンしろ、いやいやロックダウンしたら経済死ぬぞ患者よりも仕事失った自殺者数が増えるぞ、と真っ向から対立している意見が、SNSを覗けば毎日毎日飛び交っている。ハッキリ言ってどれが正しいのか、どれを支持すべきか、そのすさまじい情報量を前にして考えるのも疲れてくるような、そんな思いを

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人と話をすることと、常識を疑うこと【藤村忠寿・嬉野雅道『腹を割って話した』イースト・プレス】

人と話をすることと、常識を疑うこと【藤村忠寿・嬉野雅道『腹を割って話した』イースト・プレス】

「水曜どうでしょう」の藤村Dと嬉野Dによる著書はかなり数多く出版されている。この本は、その中でも200ページ以上のほぼすべてが、札幌の定山渓温泉で繰り広げられた2人の対話、という異色の1冊である。

で、この本の真髄は、「あとがき」にある。

1ページずつ、藤村Dと嬉野Dがそれぞれ書いている文章が並ぶあとがき。ここに記されている藤村さんの「人と話をするということ」と題された文章が名文なのだ。この文

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「今の状況を忘れられる」読書をしよう

「今の状況を忘れられる」読書をしよう

もう何度も書いているが、僕の日課は本を読むことである。

1日1時間を目標に、時間が取れなければ最低30分、必ず「本を開く」時間をとるようになって、かれこれ3年近くが経つ。もともと片道1時間近くある電車通勤の時間でなにかできないか、と思って始めた読書が、ここまで自分の生活に大きく根付くとは思ってもいなかった。いまや歯を磨くのと同じくらい自然に本(またはKindle)を開く。

しかし実はいつでもど

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