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まちがいない、自分も「かくれ繊細さん」の一員だ【時田ひさ子『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』フォレスト出版】

まちがいない、自分も「かくれ繊細さん」の一員だ【時田ひさ子『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』フォレスト出版】

先日大阪駅近くのジュンク堂書店に並んでいるのを見て、ついつい買ってしまった本である。決め手は「かくれ繊細さん」という耳馴染みのなかった言葉。「繊細さん」はだいぶんメジャーになってきたが、「かくれ」とははて?というその好奇心と疑問が、自分をレジへ向かわせた。

そもそもこの本で言う「かくれ繊細さん」とは、HSP全体の3割を占めると言われているいわゆるHSS(High Sensation Seekin

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「怒る声がしんどい」「人に気を遣いすぎる」・・・そんな小中高生に届け、この一冊。【串崎真志『繊細すぎてしんどいあなたへ――HSP相談室』 (岩波ジュニア新書)】

「怒る声がしんどい」「人に気を遣いすぎる」・・・そんな小中高生に届け、この一冊。【串崎真志『繊細すぎてしんどいあなたへ――HSP相談室』 (岩波ジュニア新書)】

この本は、「HSP」(Highly Sensitive Person=人一倍敏感な特性を持つ人)や「HSC」(Highly Sensitive Child=人一倍敏感な特性を持つ子)といったアルファベット3文字を知らなくてもいい、もっと言えば「5人に1人めちゃくちゃ敏感で繊細な人がいる」ということも知らなくてもいい。とにかく、次の6つにとても困っている小中高生がいたら、絶対に読んでほしい。

・怒

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やさしく、深く、「ストレス」の正体を知る【糀本成美『気疲れしやすい人へ ゆるっと楽に生きるストレスと上手に付き合う方法』】

やさしく、深く、「ストレス」の正体を知る【糀本成美『気疲れしやすい人へ ゆるっと楽に生きるストレスと上手に付き合う方法』】

Amazonのペーパーバックという形で出版されているこちらの本。どこで知ったかといえば、以前HSPについてインタビューしていただいたなおさんが「この本おすすめですよ!」と言ってたから。ちなみにこの本では触れられていないが著者の方もHSPだそうだ。

さて、昨日書評を書いた『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』には、疲れの原因は主に脳の疲れであり、それは「マルチタスク」が引き起こして

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HSPの僕が実践&提案する「新型コロナ自粛疲れ」の対処法、6つ【4/21追記】

HSPの僕が実践&提案する「新型コロナ自粛疲れ」の対処法、6つ【4/21追記】

僕が新型コロナウイルスにおける外出自粛に巻き込まれる形で、家から半径3kmを出ることのない生活が意図せずにはじまってはや2週間が経ちます。

1週間前noteにこんなことを書きましたが、少しずつ変化はあれど基本はこのエントリ通りの生活を送っています。飽きました。これはもう明らかな「自粛疲れ」です。正直、こんなときでも毎日1時間読書をする時間を取れている自分はエライ、とすら思います。

後述しますが

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「人と同じことをするのが苦手」なのはHSPの特性なのか?

「人と同じことをするのが苦手」なのはHSPの特性なのか?

僕は長所を問われたら「人と同じことをするのが苦手」と答えるようにしています。たとえば誰かと服の色が被ってるだけで「うわっ!」と思ったりもします。もちろん集団行動には向いていません(こんなんでよく学校で働けてるよなあとか思う)。

そもそも「人と同じことをするのが苦手」というのは長所なのか。だいたい「苦手」と言う文字が入ってる時点でそれは短所じゃないのか、と言われたこともあります。でも僕は「人と同じ

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LINEを自分から聞くのを基本やめた

LINEを自分から聞くのを基本やめた

以前HSPについてインタビューしてもらったなおさんが、HSPHSS向けに『HSPHSSあるある50選』というKindle電子書籍を上梓されました。

そこに、「ライングループやSNSを断捨離する」という項があります。たとえばLINEのグループを抜けたり、ブロックしたり、返信を何日も貯めたり、Twitterのリプライの反応に疲れる、という「あるある」が書かれています。ちなみになおさん自身、Twitt

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「感覚の違い」を仕事に活かす【HSP教員の働き方】

久しぶりに大阪の場づくりカレッジ「えすけーぷ」さんが主催するHSP当事者研究会に行ってきました。前に行ったのがお盆のたこ焼きパーティーなので4ヶ月ぶり。あの日も暑かったのに季節はすっかり冬です。

さて、このえすけーぷさんのHSP当事者研究会に行くと、結構な確率でHSPと仕事に関するトピックが出てきます。で、今回も「HSPと適職」という話題になりました。実際、このとても敏感なHSPという特性を持ち

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「大人げない」と言われても、行事を全力で楽しむには理由がある【HSP教員の働き方】

「大人げない」と言われても、行事を全力で楽しむには理由がある【HSP教員の働き方】

学校に勤めているとたまにあるのが行事もの。卒業式や入学式などセレモニー系もさることながら、生徒同士の交流を促す行事というものもあります。

僕はそれに呼ばれたら、もちろん仕事は全うしながらも全力で楽しみます。引くぐらいにはしゃぎます。

たとえばドッジボール大会があったとしましょう。先生方もぜひ、と言われたら率先して参加します。もちろん容赦なく攻めます。生徒を狙います。当てたら拳をぐっと握ります。

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HSPの僕が電車の遅延にも大して動じなくなった理由

HSPの僕が電車の遅延にも大して動じなくなった理由

HSP(Highly Sensitive Person:ひといちばい敏感な人)の特徴の一つとして「急な予定変更が苦手」というものがあります。この項目はHSPに関する本でも多く取り上げられている特性です。

友達のドタキャンとか、いろんな「予定変更」がありますが、僕がよく遭遇する予定変更がズバリ「電車の遅延」です。僕は運転免許の類を一切持っていないので必然的に公共交通機関に依存する生活を送っています

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敏感すぎて、ついついイベントを手伝ってしまう

敏感すぎて、ついついイベントを手伝ってしまう

人が集まるところ、たとえば何かの勉強会やワークショップに出向くことが多々あります。参加費があれば払って、名札がわりに名前書いてシール貼ってくださいと言われれば黒マジックで記入してそれを服の適当なところに貼り付ける。そして会が始まり、誰かが進行する流れに身をまかせる。まあこれが一般的な「参加者」と言われる立ち位置だと思います。

でも僕は、気がついたら参加者の範疇を越えて何かしらのお手伝いをしていた

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「HSP」をどんな言葉で説明すべきか悩む

「HSP」をどんな言葉で説明すべきか悩む

これまで僕はHSP(Highly Sensitive Person)のことを、よく「過度に敏感な人たち」と説明していました。ところが「過度」という言葉が悪いように言われている気がする、というご指摘をある日いただきました。

言われてから、手元にある数多のHSPやHSC(Highly Sensitive Child)の本をぱらぱらっと確認したのですが、確かに「過度に敏感な人たち」という表現は見当たり

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「お金をもらうこと」に強い抵抗があった子どものころ

「お金をもらうこと」に強い抵抗があった子どものころ

この文章は、昨日届いたMacbookAirでベッドに寝転びながら書いています。

もともとMacbookAirを手に入れるなんて、少なくとも5日前には考えてもいなかったのです。それがAmazonの「増税前最後のタイムセール」で妙に安く、しかも使えるポイントを全額つぎ込んたら7万を切ることに気がついたらもうその瞬間に「買わない」という選択肢はありませんでした。ちょうどSurfaceとか、持ち運びが容

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実践できなくていい、敏感な特性を「知っている」だけでいい【長岡真意子『敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本』】

実践できなくていい、敏感な特性を「知っている」だけでいい【長岡真意子『敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本』】

『ひといちばい敏感な子』に代表されるHSC(Highly Sensitive Child)に関する書籍はHSP(Highly Sensitive Person)のそれに比べ、まだまだ少ない。その中でも、この本はタイトルが示すように「HSCを育てるお母さん」に向けた一冊である。

この本の著者は5人の子どもを持つお母さんで、その5人が全員敏感な特性を持つHSC、しかも5人それぞれ敏感に反応するポイン

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Eテレ「 #バリバラ 」HSC特集のおばあちゃんを責めるのは違う気がする

Eテレ「 #バリバラ 」HSC特集のおばあちゃんを責めるのは違う気がする

木曜日に放送されたNHKEテレ「バリバラ」のHSC特集。僕のコメントはもう横へ置いておいて、普通にHSPの当事者として、そしていち視聴者として観て感じたことを残しておきます。

かんたんな流れとしては、転んで血を流す子の気持ちが痛いほど伝わってくるからこそ運動会にも参加できない小6の男の子が、その敏感さをいまいち受け止めきれていないおばあちゃんと2人旅に出て、互いの気持ちを伝え合うという感じ。

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