見出し画像

「仮想通貨 x マルチ商法」の勧誘をわざわざ受けてきたら、若者の闇を見た。

マルチ商法や仮想通貨による、悪質な勧誘が増加していると聞きます。
「仮想通貨投資で利回り〇〇% !!」と謳っていながら実際は運用していないポンジ・スキームだったり、
運用では稼げないので、人を勧誘ばかりして人間関係を壊してしまったり…

本記事では、これまで「環境」や「アムウェイ」など、複数のマルチ商法の勧誘をわざわざ受けにいき、常に最新情報をキャッチ? している私が
つい最近、実際に「マルチ商法 x 仮想通貨」という悪夢のような組み合わせの勧誘を受けてきたので、
その手口や被害状況、被害に遭わないための注意点をご紹介します。

また本記事で出てくる仮想通貨やNFTについての解説はしません。有識者の方々にお譲りします…
投資信託や株式などの伝統的な投資以外にも興味がある方、マルチ商法の勧誘ってどんな感じで進むの?と気になる方、自分の資産を無駄に失わずしっかり防衛したい方に是非読んで欲しいです!

勧誘を受けるまでの経緯

勧誘を受けたきっかけは、1人の女性(以下、「W」)との出会いでした。
Wは化粧品会社で正社員として働きながらも、復業としてキャリアアドバイザーをするなど多才な方で、
最初は普通に食事に行き、いまの仕事のこと、将来どう働きたいかといった話題がメインで、勧誘らしいことは全くなかったです。

話を重ねるうちに、「仮想通貨の短期トレード」や「NFT」といった話もするようになりました。
私自身、個人的に仮想通貨やNFTは保有していますし、ブロックチェーン技術の進展にはとても期待しています。
トレードも私の周囲でしている方はいるし、株式・為替チャートのテクニカル分析の話を聞くのは好きなので、それほど抵抗感なく会話でき意気投合しました。

意気投合した時点でWに「こいつはいける…!」と思われたのでしょうか、
「しゅん(私のこと)と同い年の面白い男がいるから、会ってみない?」と切り出されました。
この時点で「マルチ商法の勧誘かも」と少し感じましたが、過去の勧誘よりもナチュラルな誘い方だったし、
Wとは話が合ったのでその男性(以下、「X」)とも話が合うだろう、という軽いノリで会ってみることにしました。

いざ、話を聞いてみると…

後日、指定されたカフェに行くとWとXがすでに待ち構えていました。
いわゆる ABC※ による勧誘ですね。
※ABC:A(Adviser; 勧誘の説明役), B(Bridge; 橋渡し役のこと), C(Customer; 勧誘されるカモのこと)

まずは仮想通貨やトレードについて、たわいも無い雑談をしつつ「めっちゃ興味ある!」アピールをしていたところ、早々に勧誘に入ってくれました。
勧誘はよくあるマルチ商法と同じ流れだったのですが、これまで聞いた勧誘の中でも圧倒的に上手でした。
とても堂々と話すし、「師匠」の凄さを自然と発言に盛り込むし、「稼げそう」とか「上手くいきそう」と思わせるのがとても上手でした。
冒頭から全て録音したのですが文章で伝えるのは難しいので、気になる方は自分で勧誘を受けてみてくださいww

勧誘されたマルチ商法の具体的な仕組み

勧誘された商法は、ひとことでいうと「ポンジ・スキーム」だと思います。
仮想通貨の自動トレードツールを利用して稼げるよ、という下記サイトのトレードツールでした。

トレードツールを利用するために費用を支払う必要があり、
$3,000 (約40万円) / 100日、$10,000円 (約130万円) / 年
のような料金体系でした。長期間契約するほどお得で、かつ特典もつくよ!という勧誘手法で、できるだけ最初に大金を集めたいという思惑が見え見えでした。

また、トレードで稼ぐだけでなく、人を紹介することで組織内のレベルが上がるようで、レベルに応じて下記の通り毎週配当金(週支給金額)が分配されるようです…
…それ、ポンジ・スキームやんけ!笑

勧誘した人数に応じた報酬形態の図。
「週支給額」を見た瞬間に「ポンジ・スキームだな」と感じました。

資料の通りに毎週支給されているのなら、初期の初期に大量に会員を勧誘した人はいまごろウハウハ でしょうね…
まとまった金額が集まったタイミングでトンヅラするんでしょう。
マルチ商法それ自体は法律違反ではありませんが大半はポンジ・スキームのため、途中でトンヅラされてお金が分配されなくなります。
胴元や超初期の参入者以外はただの養分ですし、勧誘を通して何も社会に価値を生み出さないので、やる価値はないと考えています。
また、勧誘の過程で大いに嘘をついているので詐欺罪ですし、勧誘した人とのトラブルや昔からの友人が離れるなど、人間関係がボロボロになると思います。

若者が大量に勧誘されていて…

勧誘活動を通して面白かったのが、勧誘する自らのことをインフルエンサー、マーケッターと称しており、
BtoBマーケターをしている私としては、流石に笑いをこらえるのに必死でしたww
でも、横文字を並べておけば魅力的に感じる若者は多いかもしれませんね。
私が勧誘を受けた翌日に講習会があったようなのですが、若い方を中心に100名以上が参加されていたようです(W氏のインスタで知りました)
私は仮病で当日ドタキャンして、そのままLINEもブロックしました。

勧誘を受けた女性(W)のInstagram のストーリーから抜粋。
100名以上がこんなポンジ・スキームの勧誘講習を受けていることに寒気がした。

今うまく稼いでいる人が、わざわざ稼ぐ方法を教えるなんてありえません。
教える暇があったら自分の事業に時間を投資した方が効率がいいのに、なぜわざわざ教えるのか?を考えた方がいいと思います。

人の安易な欲望は愚かだし、これからも消えることはない

ポンジ・スキームは、1919年にアメリカのチャールズ・ポンジが
「90日間で40%の利回りが得られる」と出資者を募ったことが始まりです。
100年経った今でも本質は変わらず、為替FX・株・仮想通貨から美容や健康商材、ダイヤなどなど、手を変え品を変え残り続けています。

自らの人生に当事者意識が無い人、自分でお金を稼げない人は、
「まだ周囲の人はしていない画期的なビジネスだ」
「勧誘された私は特別だ」
と考え、安易に飛びついてしまうのでしょうか。
ビジネスや事業は自ら苦しんで生み出すからこそ価値があるし、甘い話はそうそうないと肝に銘じる必要がありますね。

ただし、精神的に弱っているタイミングや金銭的に余裕がない時ほど甘い勧誘に騙され、さらに追い込まれてしまうと思うので、
私も他人事と思わず、これからも定期的に勧誘を受けて?自己啓発に務めます笑

以上、ここまでご覧いただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!