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ニュースの端々に見える大波――占星術で2024年を占う(デーリー東北「私見創見」)

青森県の八戸市を中心とする県南部で広く読まれている地元紙「デーリー東北」。同紙の人気コラムで複数の寄稿者が執筆する『私見創見』を2020年から2カ月に1度のペースで書いています。第19回の本稿は2023年12月4日付から。2023年末に、2024年の行く末を占星術的に考察した内容となりました。(※掲載時の内容から一部、変更・修正している場合があります)

※扉のAI画像はGrok(X.comから)で生成

 八戸高校に入学して1年生の時。担任は英語を教える釜萢紘子かまやちひろこ先生だった。筆者を含めて「ほんずけなし(思慮がない奴)」ばかりな生徒たちを軽くぎょしながら、当時の「ぶっかれオンボロ校舎」で英語を教え、ヒアリングのテストでは流暢りゅうちょうなご自分の英語を聴かせる、どこか都会的なセンスを持っていた先生だった。

 その釜萢先生で思い出すのが、「占星術」である。趣味という以上にハマっていたのだろう、新年を迎える頃になると毎年、デーリー東北に「◯◯年のあなたの運勢」を掲載していた。いわゆる星座占いだが、それが当たるか当たらないかよりも、占術という分野で「こんな技術を持つ人が身近にいるんだ」と、筆者は強く興味を持ったのだ。

 時は少し流れて1990年代の初頭、就職活動の時期を迎えていた筆者は「自分とはどういう人間なのか」という、この時期にありがちな本質的疑問を抱いていた。何が得意なのか、何に向いているのか、どんなふうに生きるべきか――。そういう類の話だ。

 そんな時にふと、友達が持っていた占星術の本を、つい読んでしまった。そこから三十有余年、占星術にのめり込み続けるとは思わなかった。何がそうさせたのかは不明だが、釜萢先生から受けた“ある種の知的な衝撃”が、その後に育つ小さな種になったのかもしれない。

 実際には2007年に仕事でタイのバンコクに赴任して以降の約16年間、つまり今年(2023年)の3月ごろまでは、占星術から離れて、仕事やプライベートな事柄に忙殺されていた。

 だが、地下水脈のごとく潜っていた占星術への意欲が今年、再び芽をふいた。「歳をとったらもう一度やろうか」と考えていたが、気づいたら「そうか、もういい歳だった」と思い出したこともある。

 占星術から離れていた時期を振り返って見ると、天を巡る冥王星が山羊座を通過していた時期とピタリ重なる。山羊座は筆者の出生図(いわゆるホロスコープ)では対人関係やパートナーに関連する。冥王星は「破壊と再生」の星といわれるが、関連する事象を歪めて腐敗させ、分解して変容を迫る。自分も人生もそういう時期だったのだ。

 さて年末でもあり、最後に来年(2024年)の「星の影響」を寿ことほいでみよう。今述べた冥王星は、ちょうど山羊座から水瓶座に移る端境期にある。今後、約20年間にわたって水瓶座に影響力を与えうる、と読める。もちろん、その他の天体(特に海王星、天王星、土星、木星)の織りなす影響力も勘案する。

 政治・経済面で閉塞感の強い日本は、23年に始まった転換期の真っ最中だ。25年5月ごろまで構造組み換えの忍耐が続く。現・岸田政権も変容を迫られ、星からの変革圧力も強い(岸田文雄首相が獅子座に天体が多いこともある)。

 現時点で株高に沸く米国も23年、24年と日食の直撃を受け、大きな景気後退を示唆する星回りが多い。日本も世界もその影響を受けるが、日本は24年5月以降はレジリエンス(回復)に強い作用が働く天体が巡ってくる。

 日本の「失われた30年」の間に経済が急成長した中国。その建国時に影響を与えた軍と大衆を示す天体も、中長期的に冥王星の影響を受けていくだろう。日本は終戦によって破壊→再興の“洗礼”を受けた。そこに至るまでの無謀な過程で起きた諸行無常と同じことを、中国も遭遇していく可能性があるとだけ言っておこう。

 ――などなど、好き勝手に述べて2024年の「星占い」の枠を超えてしまったが、実際に様々な予兆は日々のニュースの端々に見て取れるようになる。数年で目に見えて大きく動いていく性質のものだ。

 こうした天体の影響という物理的な現象の、さらに外側に、目に見えない世界が影響を与えているのだから始末に負えない。こうした個人の好みや志向は昔なら、なかなか受け入れられなかったかもしれない。でもまあ、これも筆者の素性であるのでお許しいただきたい。

 皆様が良い新年をお迎えできますよう、ご祈念申し上げます。

(初出:デーリー東北紙コラム「私見創見」2023年12月4日付。社会状況などについては掲載時点でのものです)

【後記】

 2023年末に占星術で「2024年を占う」という内容で書いた。もうなんだか職種も肩書も関係なく、好きなことを書いてしまっているようで申し訳ない気もするが、これを黙認してくれるデーリー東北新聞社に感謝である。

 さて、2024年末になったことで「答え合わせ」的に振り返ってみる。

 日本は「構造組み換えの忍耐が(2025年まで)続く」と記事では書いた。まぁ何かが転換しきったという感じはまだないだろう。ただ、岸田文雄・前首相は2024年8月14日、自ら自民党の次期総裁選に不出馬を表明して退陣を決めた格好となった。

 経済関連でいえば、2024年は株高に向かった時期もあったが、7月末から下落傾向が続き、8月5日には「米株が急落したブラックマンデーの翌日の1987年10月20日(3836円安、14.9%安)を超え、過去最大となった」(以下の記事から引用)。

 ただ、翌6日には大幅反発し、今度は「過去最大の上げ幅」となるなど、変動の大きさが強烈な印象を残した。

 一方、米国は大統領選挙に関連した政治的な紆余曲折はあったものの、経済面では結構しぶとく底堅い動きが続いた。ダウ平均株価は2024年初から年末に向かって、おおむね上昇傾向が続いた。

Google Financeより米ダウ平均株価の年初来推移をスクショ)

 トランプ新政権が発足すると「さらに経済の成長が続く」と期待する向きも多いが、どうなるか。2025年の「寿ぎ」は、また別の機会に紹介したい。

(了)


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