風景写真に立体感・リアリティを与える魔法の話
こんにちは。朱門です。
自分が目指す”その場にいるような”風景写真作品を作り出すための大事な要素の一つに”立体感・リアリティ”があるのですが、今回はそのお話をしようと思います。
正直言うと、まだまだ研究中なのでこれが100%の答えというわけではないのですが、なんらか風景写真にリアリティを与える効果があると思っていることがあります。
それは、「マイクロ・コントラスト」です。
マイクロ・コントラストって何?
マイクロ・コントラストって何?って思って調べてみると、意外と明確な答えが見つからないんですよね。(人によって少し異なることを言っているようです。)定義自体が曖昧なのかもしれませんが、ここでは"ディティール部分の緻密なコントラスト"をマイクロ・コントラストと呼びたいと思います。MTF的に言うと、30本/mm〜あたりのコントラストのイメージです。実際、この部分のコントラストが高いと解像感がある(解像度ではなく)という人もいたりします。
実はマイクロ・コントラストが高いことを売りにしているレンズがあります。それはツァイス社のレンズです。こちらのWebサイトでもマイクロ・コントラストについて説明してます。上位のレンズになればなるほど、その特徴が顕著なようですね。
上記のツァイス社のサイトでも謳ってますが、マイクロ・コントラストが高いレンズは"3D"や"3D pop"と形容されることがあります。要は立体感があるという意味ですね。
マイクロ・コントラストを高める方法(その1)
様々なサイトで調べていく中で分かったことは、どうやらマイクロ・コントラストが高いと、より立体感を感じるような写真になるのは間違いないということ。
では、どんな方法でマイクロ・コントラストを高くすることが出来るのでしょうか?
一つの方法はツァイス社のレンズのように光学的にマイクロ・コントラストが高いレンズで撮影するという方法です。
もちろん、ツァイス社のレンズ以外にもマイクロ・コントラストが高いレンズというのは沢山あります。特にクラシックレンズはマイクロ・コントラストを重視されて設計されたものが多かったようです。
しかしながら、こちらのサイトによると、最近のレンズは解像性能が重視されたせいで"3D pop"さが損なわれてしまっていると説明しています。
また、別のサイトで面白いチャートを見つけました。
引用元:https://www.diyphotography.net/the-problem-with-modern-lenses/
様々なレンズの性質を"3D感"、"絞り(明るさ)"、"光学補正"のトライアングルで評価してるようで、さらにLine of Realismの線よりも上にあれば、マイクロ・コントラストが高く、リアリズムを感じるレンズということを説明しています。
この結果を見ると、やはりツァイス社のレンズは3D感重視ということが分かります。各社の高級レンズ達もトライアングルの上の方に位置している(リアリズムを感じる)レンズであることが分かります。
マイクロ・コントラストが高く、立体感がある写真を撮るための一つの方法は、このトライアングルのチャートやMTFの30本/mm等を参考にレンズを選択するということになります。
マイクロ・コントラストを高める方法(その2)
実はレンズ以外にもマイクロ・コントラストを高くする方法があります。
後処理(RAW現像・後処理)で光学的に不足しいるマイクロ・コントラストを高めることが出来るのです。
実際、あるメーカーのマイクロ・コントラスト性能が低いレンズ(その代わり、解像性能や歪性能、収差性能は良い)を使ってましたが、この方法であれば問題なくマイクロ・コントラストを向上させることができます。
Before/After
等倍画像でのマイクロ・コントラスト処理の適用前後です。
Photoshopでマイクロ・コントラストを向上させる
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