見出し画像

#199「行雲流水」(勝山俊平/4年)



初めまして、僭越ながら部員ブログを書かせていただきます。
筑波大学蹴球部4年の勝山俊平と申します。

日頃から、筑波大学蹴球部へ様々な形でご支援いただいている方々へ、この場を借りて心より感謝申し上げます。

現在、私は選手を辞め、審判を中心に蹴球部でスタッフとして活動しています。
5歳から現在まで、サッカーをしてきた私の経験と感じたこと書いたので、拙い文章ではありますが、最後までお読みいただけると幸いです。

―――――――――――――――――――――――――

いつの間にか、自然と始めたサッカー。
放課後は、毎日のように公園で友達とボールを蹴って過ごした。
週末には、いつも試合が待っていた。
点を決めてチームのみんなと喜ぶのが何より楽しかった。
トレセンにも何度も選んでいただいた。
小学校卒業後、進路は、憧れていたJリーグチームの下部組織を選んだ。

中学2年のある日、いつも通り週末の試合をしていたとき、
右膝に力が入らず腰から崩れ落ちた。
診断名は、「右膝離断性骨軟骨炎」、治療期間は最低1年。
中学生の自分には、この状況が何を意味するのか、
理解できていなかった。

中学最後の年は、そのほとんどを松葉杖と共に過ごした。
雪が降る日も松葉杖で練習場に向かい、淡々とリハビリをした。
何もできずに、外から眺めていた最後の試合。
あっけなくチームを卒業した。

次の進路もサッカーのことを考えて、地域の強豪校を選んだ。
怪我をしてから1年半近く経った高校1年生の夏、久しぶりにプレーをして、身長と体重が大きく変化した身体を動かすことは、想像以上に難しかった。
サッカーを全く楽しめず、プレーを辞めるという考えも頭をよぎった。
このとき初めて、成長期に長期離脱をすることの意味を理解した気がした。

時が経ち、徐々にサッカーにも慣れ、サッカーを楽しめる状態になってきた矢先、高校3年生のときのインターハイは開催されず、短い期間でチームをつくって臨んだ選手権も県内で敗退した。

不完全燃焼に終わった高校サッカーだった。
もう一度、上を目指してサッカーをしたいと思った。
気づけば筑波大学に入学し、蹴球部に入部していた。
今では、筑波大学を選択してくれた過去の自分に感謝している。

しかし、高校のときから、徐々に増していく右膝の痛みを感じていた私は、大学入学後サッカーに没頭することができなかった。
部内での価値を上げていく同期、後輩を横目に、大学2年の夏に再び手術をすることに決めた。

2度目の手術後、約1年間のリハビリ期間を過ごした。
試合に出られるまで復帰したが、すぐに同じような膝の痛みを感じるようになった。

「1年使って、またこれかよ」

明らかに前と同じ痛みを感じるようになってから、毎日練習に向かう日々は辛く、グラウンドからの帰路では、よく1人で泣いていた。
これ以上選手としてサッカーを続けるのは辛すぎた。
大学3年のタイミングでプレーを辞めることを、誰に相談することもなく、一人で決めた。


選手を辞めて他の形で活動するか、部活と選手を同時に辞めるのか、迷っていた3年の終わり、たまたま審判局で活動していた私は、BチームのIリーグ最終節であり、4年生の引退試合の主審を担当することになった。

2023年10月22日
集中応援企画を実施したナイトゲーム。
スタンドには多くの部員、部員が指導している地域の少年少女たち、たくさんの観客が訪れていた。
叫び飛び跳ねる部員のグラウンドに響き渡る応援歌、Oくんの最高のヘディングシュート、ゴールパフォーマンスでシャツを脱いだHくんに出したイエローカード、怪我に苦しんだキャプテンの涙。
チームは3-2で勝利し、忘れられない夜になった。
これまでとは違う立場で、サッカーが素晴らしい景色を見せてくれた。
筑波大学蹴球部でしか味わえない、衝撃的な体験だった。

「お前のおかげで、最高の試合だった」

先輩がくれた言葉で、初めて審判としてのやりがいを感じた。

この経験が、次の年から審判活動を始める大きなきっかけになった。



振り返ると自分には、サッカーしかなかった。
サッカーに育ててもらった。
サッカーだけは続けよう。
怪我が治らないから、審判でもいいかな。
そう思えた。

―――――――――――――――――――――――――

あとがき

筑波大学蹴球部の仲間のおかげで、また、前向きな気持ちで、新たな目標を持ってピッチに立てていることに感謝しています。

今年から始めた審判活動では推薦をいただき、5月にサッカー2級審判員の資格を取らせていただきました。
様々な試合を担当する中で、これまで通りサッカーを通じて、貴重な経験をさせていただいています。
まだまだ未熟ではありますが、第2のサッカー人生で、自分に何が出来るのか、どんな景色が待っているのかを楽しみに、これからも精進していこうと思います。



最後まで、お読みいただきありがとうございます。
神の谷FC、みさきFC、アバンツァーレ仙台SC、ベガルタ仙台ジュニアユース、草津東高校サッカー部の仲間、これまで自分のサッカーに関わってくれた方々、そしていつもそばで支えてくれている家族、全ての人たちのおかげで今の自分があります。
本当に感謝しています。
これからも応援よろしくお願いいたします。



筑波大学蹴球部4年 
理工学群 工学システム学類
勝山 俊平

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?