見出し画像

小論考宿輪ゼミ1/デジタル通貨の未来

小論考宿輪ゼミ その1
デジタル通貨の未来/導入可能性は極めて低い
 
「デジタル」についても長く研究し、幾つかの政府の研究会・委員会に招聘され、参加してきました。ちなみに、英単語の「デジタル」の綴りは「degital」としてしまう方も少なからずいると思いますが、「digital」です。この言葉を使い始めた時期は「ディジタル」と言っていました。デジタルの反対語はアナログ(analog)です。
 
1990年代半ばから、日本ではまず「ペーパーレス化」(Paperless) が進みました。当初、その目的は植物・森林保護といった環境問題的なものでした。その後、とにかく、紙を少なくするために、PDFの様にそのまま記録するものではなく、データ(data)として読み込み、経営などに活用することに変わってきました。dataは複数形で、単数形はdatumです。
 
このデジタル関係の話でよく出てくるのが「デジタル通貨」(CBDC:Central Bank Digital Currency)です。一般的に「中央銀行デジタル通貨」と言われていますが、違和感があります。経済学では基本知識ですが、通貨とは「法的通用性を持った貨幣」のことで、一般的には中央銀行(一部の国は政府)が発行します。そのため、「中央銀行デジタル通貨」はくどい言い方ということができます。
 
その「中央銀行デジタル通貨」ですが、実際に導入される可能性はほとんどありません。それは・・・・・

ここから先は

462字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?