浄土真宗|新米門徒ガイド1.おつとめ

このシリーズについて

私は、自分から浄土真宗の門徒になったのですが、そういう人つまり入信者向けのガイドがどこにも見つからず困っていました。

ということで、同じような境遇の人向けにガイドを作ることにしました。お役に立てば幸いです。

ただし、これは公式見解ではないので、あとに載せる、信頼できる情報元も参照することをお勧めします。また、私は浄土真宗のなかでも本願寺派。いわゆるお西です。

ちなみに、「門徒」は信者、信徒、門信徒などと同じような意味です。近い言葉ですが、檀家というと寺への所属を表すのでニュアンスが異なります。

第1回、おつとめ

おつとめは、門徒が毎日朝夕おこなう行事です。

読経とか勤行とイメージしてもらえばいいでしょうか。仏壇で線香焚いて、チーン鳴らして、漢字だらけのを読むやつです。

さて、「新米向け」ですから細かく説明します。長いですが、ご容赦を。

目的

阿弥陀様の恩に感謝するため。阿弥陀様が誰かとか、何したかは、また別の機会で学んでくださいませ。死者の弔い、願いを叶えるため、では決してない事を理解しておきましょう。

いるもの

経本 
お経が書いてある本です。お寺に行くと、よく香炉の横に置いてあります。本願寺出版が発行している『日常勤行聖典』を買えばとりあえず事足ります。B6くらいの赤い本で、300円くらいで買えます。本願寺出版社のサイトでも買えますし、お寺に言えば取り寄せられると思います。仏具店でも別の出版社から出たものが売られています。内容は同じだとは思いますが、保証できません。宗派を間違えないように。

音源か動画 
経本が楽譜と思えば、それだけでは初心者には難しいと想像つくでしょう。幸い、色んな寺がyoutubeなどで動画を公開していたり生中継したりしています。

仏壇・仏具 
急いで全部揃えなくても良いですが、あるに越したことはないです。

おつとめという観点から具体的あった方がいい(形になる)のは、

本尊:阿弥陀様の絵か「南無阿弥陀仏」の字など。本山(西本願寺)か近くの寺に頼んでお迎えしましょう。感謝のお相手ですから。

磬(きん)、鈴(りん):チーンと鳴る金属製のボウルのようなもの(立派なやつならボォーンとなりますが)。経の読み始めや終わりに鳴らします。

三具足(みつぐそく):香、華、ロウソクの3つのこと。

念珠(ねんじゅ) 
1cmくらいのビーズのような石が紐で輪にしてあるやつです。形式に決まりはないので、長いのでも短いのでも、好きなものをお求めください。いわゆる数珠です。

式章(しきしょう) 
和服の襟だけとって輪にしたようなもの。起源は、武士の肩に付いてる三角の布(裃)を簡略化、洋装にも合わせたもののようです。各種行事や寺に行く時の正装です。付けてない人も多いですが。
本願寺近くの仏具店・法衣店ほかネットで色んな色柄のもの売られています。好みのものを買えばよいでしょう。いずれも、本願寺の紋である下がり藤が付いています。

そのほか、言い出せばキリがないですが、これくらいあれば、かなり"らしく"なります。反対に何もなくても出来ます。揃うまでしないよりは、モノが無くとも出来ることからしてみましょう。
ちなみに、本願寺で帰敬式(門徒になる儀式)を受けると、念珠と式章をいただけます。他の寺の場合は不明です。

手順

公式の説明をもとに見ていきましょう。

1、衣服をととのえて、式章・念珠を身につけます。
2、灯明をあげ、香をたき、仏飯を供えます。
3、合掌・礼拝し、勤行をはじめます。
4、おわりに再度、合掌・礼拝します。

浄土真宗必携み教えと歩む(2012)本願寺出版

1、目の前に尊敬する人、恩人がいると思えば、自然とある程度身なりを整える気になるでしょう。

2、灯明はロウソクのことです。線香は横に寝かせて香炉に置きます。長いなら折っていいです。仏飯は、白ごはんです。ちなみに仏様がご飯、ましてや線香の煙を食べる訳じゃないです。常にある前提だからか記載がないですが、お花も生けましょう。トゲや毒のないものを選びます。

3、合掌=手を合わせる・礼拝=頭を下げるです。ただ、「合掌・礼拝」というときは、
手を合わせる→念仏をとなえる(「南無阿弥陀仏」と何度か言う)→礼をする→礼から戻る→合わせた手を戻す。です。

さて、念仏をとなえる時の言い方は個人差があります。「なんまんだぶ」「なまんだぶ」「なまんだーぶつ」などなど。また抑揚を付けたり平坦に言ったり…。自分なりに、自然に言いやすい仕方でいいでしょう。

「勤行をはじめます。」ではわかりませんね。流れは次の通りです。

磬を2回鳴らします

経本にある「正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)」通称「正信偈」を読みます。節などは音源で確認しましょう。

「…高僧説」までいったら磬を一度鳴らします。

そのまま次のページにある念仏・和讃に進みます。経本の通り、南無阿弥陀仏をとなえたあと、「弥陀成仏のこのかたは…」という和讃(和歌、短歌みたいなもの)をよんで、また南無阿弥陀仏をとなえます。

何度か(和讃6首分)同じようなパターンが続いた後、回向(えこう)と呼ばれる、「願以此功徳…」で始まる句を読みます。

最後の「安楽国」のところ、左にある○印の通り磬を3回鳴らします。

最後に「御文章」(経本の最後の方にあります)を読みます。

ここまでで30分ちょっとくらいです。

ほかのパターンとして、正信偈のかわりに別のお経を読んだり、和讃の数や種類を変えたりしますが、家庭で基本(理想)とされているのが上に書いた形です。

おつとめは、したから救われるとか言うわけでは無いので、型通りじゃなかろうが、短縮しようが、サボろうが、自由です。でも、毎日習慣になるまでするのが素敵なことだと思います。

とりあえず、一通り音源を流しながら、経本を目で追ってみたらよいでしょう。

お役立ち情報リンク

音源・動画

YouTube「しょうおん寺チャンネル」の、おつとめ動画。画面上に、経本も表示されているので、これさえあればいつでもどこでもOK。

築地本願寺のYouTubeチャンネル
毎朝7時からのおつとめ(晨朝勤行)が中継で見られます。プロが一斉におつとめする声は、上の動画と比べて迫力と荘厳さが違います。(本山である本願寺でも毎朝6時から中継しています。ただ、本山独自のものがあったり、字幕とか動画としては築地が見やすい。)

作法

合掌・礼拝のやり方の動画。チャンネルには念珠の使い方の動画などもあります。


仏具など

本願寺出版社、『日常勤行聖典』のページ。その他、色々な本やグッズも探せます。


ふぅ、長くなりましたが、読んでくださりありがとうございます。

質問・訂正などあれば、コメントお願いします。ともに学びましょう。

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