Sam Kolderがなぜ人気者なのか。海外の情報を元に徹底的に考察してみた【映像クリエイター紹介①】
本記事を読んで頂きありがとうございます!平日はメーカーで海外営業をしつつ、週末は映像クリエイターをしてるシュウケイ(@shukei122)です。
今回は若い世代から絶大な支持を誇る「Sam Kolder」について紹介します。
この記事を読むことで、以下のようなメリットがあります。
・世界トップクラスの映像クリエイターについて深く知ることができる。
・Sam Kolderのストーリーや映像制作にかける思いを知ることで、自身の映像制作について見つめ直すことができる。
Sam Kolderは超有名クリエイターではありますが、日本語の情報はかなり限りがあるので、毎日の仕事で英語で情報収集している僕が徹底的に海外の記事や動画を漁り、自分なりの考察を踏まえてまとめてみました。(約8千文字でかなり詳細に解説しています笑)
Sam Kolderは、僕自身が映像を始めた当初(2018年頃)からかなり影響受けてきた方ですが、今回のリサーチを通じて改めて彼の人生観や作業の裏側を深く知ることができ、特に"映像制作に対する思いや、クリエイティブに対するストイックさ"に感銘を受けました。
彼について既にご存知の方々でさえあまり知らないような情報をたくさん盛り込んでおりますので、ぜひ楽しんでご覧ください!
1. Sam Kolder(サム・コールダー)とは?
Sam Kolder(サム・コールダー)
カナダ・トロント出身。1996年2月生まれ。
主に10~20代の若い世代から絶大な支持を集めている映像クリエイター。Cinematic Travel Vlogの第一人者。過去にはDJデュオ「The Chainsmokers」のビデオグラファー、米国大手トラベル系クリエイティブエージェンシー「Beautiful Destinations」のコンテンツ・ディレクターとして実績を積み重ねる。個人の活動としてはDJI、Canon、Hyundai、Huawei、MVMT、インドネシアやグアム政府観光局などの企業/ブランド/自治体とコラボしている。
[SNS] ※2021年5月時点の数値
・YouTube(チャンネル登録者数1.2百万人)
・Instagram(フォロワー数1.7百万人)
・Twitter(フォロワー数4.2万人)
Sam Kolderについて知らない方は、まずはぜひこちらの動画をご覧ください!
この動画は、映像クリエイターとして世界中を旅した経験を通じて人生が大きく飛躍した一年間をまとめた作品。再生数は自己最多の600万回以上を記録し、彼の代表作となっています。
この作品により名を轟かせ、”Cinematic Travel Vlog"という新たなジャンルを確立。
映画のようなカラーグレーディング、数々のモダンなトランジションを旅動画に取り入れ、彼のスタイルに憧れる映像クリエイターが続出。かつての旅動画の常識を塗り替えました。
2. Sam Kolderはなぜ人気なのか?
そんな彼がなぜこれだけ多くの人々を惹きつけているのか。
その要因は、主に以下の2つだと思います。
①常に新しい表現を突き詰めるストイックさ
②圧倒的なカリスマ性
順番に解説していきます。
人気の理由①
常に新しい表現を突き詰めるストイックさ
Sam Kolderは、これまで幾度となく新たな表現に挑戦してきました。
自身の旅動画に映画やミュージックビデオの要素を取り入れたり、ルマフェードやハイパーラプスなどオシャレなエフェクトを積極的に取り入れたり、元々は競技用に使われていたFPVドローンを先駆けて取り入れたり。
そして彼の映像の大きな特徴が「トランジション」です。
※トランジションとは、動画のカットとカットを繋げる際に挿入するエフェクトのこと
以下のようなシームレスに情景が変わっていくようなトランジションは、彼の動画によく出てきます。
Sam Kolderは、自分自身でも”トランジションにとことんこだわっていること”について言及しています。
以前、インドネシアVlogにて「たった7秒間の編集に4時間かかったんだよ」と言っていました。
しかも作業だけで4時間です。アイデアを考える時間も含めるともっと時間をかけているでしょう。
そのトランジションは、以下のMusicbedのプロモーション動画に使われています。
※1:41〜1:48のChelsea Yamase(Samの彼女)が波乗りするシーン→バリの火山のドローンハイパーラプスに切り替わる部分です。
因みにこのトランジションについては、以下動画で自ら解説しています。
彼はチュートリアル動画をほとんど投稿しないのでレアですが、 去年新たに立ち上げた「Kolder Creatve」という動画編集のオンラインコースの一部をプロモーションとしてYouTubeに投稿しているようです。
Sam Kolderは、クリエイティブ表現に対する思いについて以下の通り語っています。
"Sometimes, your ideas don't go as planned. I can't tell you guys how much of my work wouldn't have made it to the internet. The important thing is not give up at first sign of failure but to keep pushing forwards and looking for solutions."
"アイデアがいつも計画通りにいくとは限らない。どれほど自分の作品がお蔵入りになったか数え切れない。重要なのは、最初の失敗の兆候を見てあきらめることではなく、前進し続けて解決策を探すことなんだ。"
-Sam Kolder
つまりSam Kolderの格好良いトランジションやエフェクトは、いとも簡単に作られたものではなく、膨大な労力と時間をかけ、何度も失敗しながらようやく生み出されたものなのです。
理想のクリエイティブ表現を突き詰める彼のストイックな姿勢には、とてつもなく刺激を受けますね。。。
その斬新で美しく格好良い映像表現により、多くの若い世代のクリエイター達が魅了されてきたのだと思います。
少なくとも僕自身はそうでした。
人気の理由②
圧倒的なカリスマ性
ここで改めて彼の写真を見てみましょう。
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シンプルにマッチョでイケメンですよね。笑
つまり彼が人気な理由のもう一つは、生まれながら持ち合わせていた”カリスマ性”だと思います。
オシャレでイケてる映像を作って、世界中を旅する仕事をして、マッチョでイケメンで、モデルの彼女がいる。
若い世代なら誰もが憧れるような存在ですよね。
また彼は抜きん出た身体能力の持ち主で、動画内でバク宙を連発します。
鉄塔や高層ビルのルーフトップなど高いところに登ったり、危険な場所でクリフジャンピングをしたり。
みていてハラハラするカットが多いのも特徴です。
ぜひこちらのバク宙するシーンをご覧ください。
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シンプルに危ないですよね。笑
以下の動画は、彼が一番最初にYouTubeに投稿されたものです。
バク宙は彼のアイデンティティの一つですね。
Sam Kolderのバク宙に憧れて真似する若い方々は後を耐えないそうですが、簡単そうに見えて意外と難しいらしく、彼の身体能力の高さが伺えます。
3. "映像美+ストーリー+目的"の重要性
Sam Kolderは、冒頭に述べたとおり、旅動画に映画やミュージックビデオの表現を融合させたスタイルで、YouTubeクリエイター界隈に新たな旋風を起こしました。
一方、彼のスタイルに対して否定的な人達もいました。
"Sam Kolder inspired"とYouTubeで検索すると膨大な量の動画が出てきますが、彼に影響された多くの動画は似通っており、「自己満足でストーリー性が欠落した中身のない動画だ」と批判する人達が後を立たなかったのです。
Sam Kolder自身、自分のスタイルや周囲からの期待に課題感を感じていたことからInstagramでこう述べています。
"At the end of 2017, I asked myself if I felt fulfilled with all the work I've done over the past year.... Not really. A bunch of brand deals and jobs that didn't challenge me as a creative, didn't motivate me and didn't serve a bigger purpose."
"2017年末、過去一年間の仕事に対して自分自身が満足したかどうか自問した。あまり満足はしていない。多くの仕事は僕にクリエイティブなチャレンジを求めず、モチベーションを与えず、より大きな目的を与えなかった。"
-Sam Kolder
単なるカッコ良い編集や旅行記では自分を満たすことはできない。
そう思った彼は翌年の2018年から次のステップに進み、社会問題について触れる動画を次々に公開していきます。
南アフリカで起きている"サイの密猟問題"に関してのドキュメンタリー「The War against Poaching(密猟との戦い)」を公開したり。
「Exploring Indonesia - The Last Paradise」では、プラスティックによる海洋汚染の現状を伝えたり。
※以下動画の7:35〜ご覧ください。
上の動画では、ウミガメの巣跡地で有名なデラワン島にてプラスチックごみを掃除する様子を発信し、観光地のネガティブな側面について訴えかけています。
数百万人のフォロワーを抱えるほどの影響力のある彼が、若い世代に社会問題への意識を植え付けることは、本当に素晴らしいことだと思います。
そしてその翌年2019年1月に、"なぜ自分自身が映像の道へ進んだか"を物語にした「Hey Tim - The Story of my life」を公開しました。
美しい映像美、ハイクオリティなアニメーション、そして人々の心に突き刺さるストーリー。常に新しい表現に挑戦するSam Kolderのこの作品は、まさに圧巻です。
My Year 2016 → Hey Tim(2019年)までの作品の変化としては、彼の武器である映像美に加え、”強烈なメッセージ性”が込められた作品が多くなりました。
「その動画を通じて何を伝えたいのか」
「その動画を見た人にどんな行動してほしいか」
自身の課題に向き合い、クリエイターとして"究極を突き詰めていく彼の姿勢"には、本当に心が打たれるものがあります。
4. Sam Kolderのおすすめ動画三選
すでにこれまで紹介した動画ですが、せめてこの3つだけは絶対見てほしい!というものを厳選したので、ぜひお時間がある際にじっくりご覧ください。
おすすめ動画①「KOLD - My Year 2016」
映像クリエイターとして世界中を旅した経験を通じて、自身の人生が大きく飛躍した特別な一年をまとめた作品。
Sam Kolderは、当時"The World's Coolest Job(世界で最もイケてる仕事)"というキャッチフレーズでクリエイターを募集していたBeautiful Destinationsの初期メンバー(コンテンツディレクター)でした。
※現在は脱退して自身の活動に注力しています。
毎週のように別の国へ行き、毎日のように新しい人々と会い、新しい景色を見て、新しい経験をする。
「LIVE EVERY DAY AS IF IT WAS YOUR LAST(毎日が人生最後の日だと思って生きなさい)」という言葉をそのまま体現した動画です。
おすすめ動画②「KOLD - The War against Poaching.」
"VETPAW"という非営利動物愛護団に密着し、南アフリカで起きている"サイの密猟問題"を取り上げたドキュメンタリー作品。
※本動画はグロテスクなシーンがありますので、苦手な方はお控え下さい
"世界を良くすることに貢献できる大規模なプロジェクトをやりたい"という思いで、アメリカの投資家Timothy Sykes(ティモシー・サイクス)と協力して実行。
Sam Kolderは以下の通り述べています。
"I believe we have the power to make a historic impact in the war against poaching. The harsh reality is that we have reached a crucial time in history. Helpless animals are under their urgent threat of being eradicated from our planet and depending on what we do or don't do, we can lose rhinos in the next decade."
"僕たちには密猟との戦いに歴史的な影響を与える力があると信じている。厳しい現実は、僕たちが歴史的に重大な時期に到達したこと。 無力な動物が絶滅の脅威にさらされており、僕たちが何をするかしないかによって、次の10年間でサイを失うかどうかが決まります。
-Sam Kolder
そして視聴者に動画の拡散と寄付を促すことで、約200万円以上の寄付を集めました。
当時22歳という若さなのに、思考や行動が大人すぎる。。。
サイの絶滅危機問題についてご存知ない方は、ぜひHuffPostの記事をご覧ください。
簡単に言うと、(万能薬とされている)高価なサイの角を採取する人々により大量のサイが殺され、絶滅の危機にさらされているという問題です。
この「The War against Poaching」という動画は、Netflixに上がっていても違和感ないくらいハイクオリティなドキュメンタリーです。
おすすめ動画③「Hey Tim - The Story of my Life.」
カヌーの事故によって他界した兄Tim Kolderの死が、どのようにSam Kolderの人生に大きな影響を与えたかを物語にした作品。
元々会計士を目指していたSam Kolderは、兄の死によって命の儚さを痛感し、"自分の好きなこと"を突き詰めるため、動画に人生を捧げる事に決めました。
4:07~に、Sam Kolderがこの作品に込めたメッセージが出てきます。
"If there’s one thing I’ve learned on my time here on the earth, it’s that we shouldn’t ask what the world needs. Ask what makes you come alive. Because what the world needs the most is more people who come alive."
いままでこの地球で生きてきた中で学んだことが一つあるとしたら、それは"僕たちが自分自身に問うべき質問は、「この世界が必要としてるものは何か?」ではなく「何が自分を活き活きとさせてくれるか?」"だ。なぜなら世界が必要としてるのは、活き活きと人生を歩んでいる人だから。
-Sam Kolder
両親から会計士になることを望まれていたSam Kolderにとって、本当に目指したかったのは会計士ではなく、映像クリエイターとしての今の姿。
そして最後にこの質問を投げかけて終わります。
"It took death, for me to truly embrace life. What will it take you?"
"人生を一生懸命生きるために、僕にとって”死”が必要だった。君は何が必要?"
-Sam Kolder
イケてるEDMにクールなトランジションを盛り込んだトラベルビデオがトレンドとなっていた中、Sam Kolder自身が深いストーリーと強烈なメッセージ性のある動画を公開したことで、再び多くの映像クリエイターが彼から大きな影響を受けることになりました。
常に新しい表現に挑戦するSam Kolderのストイックさが現れた作品である「Hey Tim - The Story of my Life.」は、まさに名作です。
5. まとめ
常に新しい表現を突き詰めるストイックさ、そして圧倒的なカリスマ性を持ち合わせ、若いクリエイター達に大きな影響を与えてきたSam Kolder。
「旅Vlog×ハイクオリティな映像」というジャンルでは、間違いなくトップクラスの映像クリエイターです。
2020年3月に「Memories from Saudi」を投稿して以降、Travel Vlogは投稿していませんが、新たな表現を取り入れた作品を僕自身もかなり待ち望んでいます!(最近のInstagramではインドネシアやアフリカ諸国を旅している様子を投稿していたので、そのうち公開されることを期待してます笑)
今回のような形で、今後も海外の映像クリエイターをどんどん紹介していこうと思いますので、ぜひフォローよろしくお願い致します!
もし今後紹介してほしい海外クリエイターの方がいれば、ぜひコメントもよろしくお願い致しますm(_ _)m
[YouTubeチャンネルの紹介]
僕自身も旅動画を作るのが大好きで、Sam Kolderから多大な影響を受けてきました。
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